第17話 異空間へ

 まぁ〜……、その、ね?あれから、他の皆もお賽銭を私と同じ位払ってたよ。驚いてたのにね?私が変な感じに言ってたのに…。


 何か、ん~……、納得いかない!


「マスター?いじけないでニャー」

「仕方ないノー。」


 いじけた蓮華をヒスイとルリは慰め、その横ではフレイやセバス達が「ガチャを回せるか試してみるか?」と話し合っていた。


 イデアはいじけている蓮華と慰めてるヒスイ達と、ガチャを回せるか試し始めたフレイ達を見比べて深い溜息を吐き、何となく嫌な予感を感じていた。


「ーーーおや?スキルが……実体化と農耕、後…魔法各種ですか」

「中々良いんじゃないか?」

「「「………………」」」


 蓮華達がジーーーっとフレイ達を見詰めているが、その背中はドーンヨリと暗いモノを漂わせていた。


「何となく、分かってた。この展開………」

「「コクコク」」


 イデアとベルとロンの三人はやっぱりと深く頷いて、蓮華達の背中や肩をポンと軽く叩いた。


 フレイ達はそんな蓮華達のやり取りをやれやれと見ていたが、何時までも此処に居るわけにはいかないので………。


「ーーーいい加減に!し・ろ!?」


 フレイが蓮華の頭を軽く叩いた。


「ッいッ痛!?フレイ!?」

「「ニャー/ナノ!?」」


 蓮華の声に驚いてヒスイとルリが飛び跳ねる。


「取り敢えずマスター達は、ステータスカードを見て、ね?」



 何故かイデアからの圧が………。それにフレイ達からも……。ーーーこっわ!?

 え~~と、ステータスカードを見て……。んんん?

 あっれ?前に見た時と違う……様な?あっ!カードに書いてるのが名前だけになってる!?しかも!名前の横にあった『強化』も無い?!



「っえ?何で!?前見た時は、ゲームとかでお馴染みのステータスっです!みたいな感じだったのに……」

「名前だけナノー!?」

「!?……ニャー。ショップは無事なのニャー……」


 蓮華とルリが叫んでる横でヒスイが、他の所(食べ物がある場所)も開いて見ている。


「ーーーヒスイ……」


 ヒスイの言葉に思わず蓮華が残念な感じの視線を送るが、ルリ・イデア・ベル・ロンが安堵していた。



 まさか…私が間違ってるの?あ…フレイとセバスは暖かい視線で見てるし、和んでるから……。うん…。気にしないでおこう……。それにしても……、腹ペコさんが増えたのかー……。



「ーーーセバス達が農耕スキル当たって……良かった……。スキル後で取ろ…私も」

「あ…ああ。確かにな。それに、俺も一応精霊の扱いだから…力になれるはず……」

「お二人共…よろしくお願いいたします。ーーーでも……、何故でしょうか。頑張って育てても…足りなく…、腹ペコな子達が…その…」

「セバス!?それ以上考えたり、想像したらダメ!だよ…。取り敢えず、早く育つのを中心に腹持ちが良いのを、その…大量に…しよう」


 蓮華達が嫌な想像をし…、対策?を話し合って頷き合う。


 腹ペコ達はショップの食べ物を見始めてから、お腹がすきだしたのか…悲しそうな顔をしてページを見詰め、それから……蓮華達をジーーーっと見詰め始めた。


「「「………」」」


 コッホン


 蓮華達がタイミングを合わせた様にワザとらしい咳をし、ジーーーっと見詰めて来る子達から背を向けて耐える。


「……神様達に、連絡って出来ないの?」

「出来ないな。ただ、ずっと見られては…居るな」

「ええ。それに、此処は社殿の前ですし。また、後でメールが来るのでは?」


 段々と耐え切れ無くなって来たので、背中の汗が凄い事になって来ていると感じながら……。


「そ、それで、二人共とも後は何を?」

「ああ。後は、ホームの設定を……」

「一戸建てか、マンションタイプかですね…」



 フレイとセバスに言われて急いでその二つを見て、うん。見たけど……、コレは。

 一戸建てでも、マンションタイプでも……色々、ありすぎて。イヤ、本当にピンからキリまであるよ……。まあ…私の場合は、皆が居るから一戸建て一択だけど…さ。

 それっでも!?純和風とか洋風、世界の色んな国の雰囲気な家。しかも……、神社仏閣風まで。広さも…、庭と畑付の豪邸並みの広さから、極狭な狭小住宅まで。


 都会で時々見る様な?とっても細い感じの家?を態々選ぶ人が居るの!?まあ…、私は選ばないけど……、こんなの選んだら皆で住めないよ!?神様達は、何でこれまで選択出来る様にしちゃったの……。


 あっ!早くしないと!?後ろの腹ペコ達の顔が……。


 え…っと。一戸建てで……。セバス達の農耕スキルが……。

 うん。取り敢えずコレで良いや!?一番高いポイントのヤツで!?後、畑の…レベル?も上げられるの?コレ上げたら……、ゲームとかみたいに数日で育ったりするかな…?それなら、腹ペコ達を満足させられる…?

 まぁ、足りなくても……、少しはポイントの節約は…出来るかな……。

 取り敢えず……、レベルを10まで上げておこう。

 あっ……れ?上げられない?ああ……。先にホームのレベルを上げないと、なんだ……。じゃあ、ホームも10位?あ〜でも……、余裕?をもって。100までにしとこ……、ポイントあんまり掛からないみたいだし…。



「ーーーはい!?コレで!?……さ!急いで移動しようか!?」


 蓮華が急いで選んで、皆に移動しようと後ろを振り返り叫んだが……。


 蓮華が見たのは……、何処かの大食い番組で出てきそうな…デカ盛りの料理を嬉しそうに食べてる腹ペコ達。そして……、それを微笑ましいと全身で語るフレイとセバス。



 ふぅ~……。今、目の前に広がっている…、料理を紹介するね……。

 まず、肉だけしか乗ってないお皿(大食い番組で出て来る様な)から、ハンバーグの大きなヤツが二つ、ベーコンがブロック?でドーンと一つ、ウィンナーの太くてぐるっと渦巻きになってるのが一つ、そして……ステーキが…分厚い…10センチはあるかな?が一つ。


 ……コレだけでも私…食べきれないよ。

 まだあるから……次、行くよ。


 さて、次は。

 レタスが下に敷いてあるポテトサラダとマカロニサラダだよ!ただね?お皿の大きさは……ステーキとか乗せるヤツを二つ分はあるんじゃないかな……、それに山盛りなの……。


 その次は、揚げ物のお皿(大食い番組で出て…)なのかな?ポテトと唐揚げ、アジフライと白身魚のフライ、オニオンリングとかが……これも山盛り。


 つ、次は。……大きめのボール(ほら…料理で使う、あれ)に色々な野菜が……、サラダ…なんだね。

 いや〜……ちゃんと野菜も食べて偉いな〜……。


 もう、説明…辞めて良い?胃の辺りが……こう、ね?


 え?始めたんなら…最後まで?


 ………じゃぁ、さっさと逝くよ!


 白米と炊き込みご飯がおひつ?炊けたご飯を入れるやつに五合ずつ。あ!パンは食パンが一斤とバターロールが10個だったよ!


 そして……、コレでラスト!味噌汁!豚汁とワカメとネギの二種が大きい丼ぶりであったよ!!


 腹ペコ達はそれを幸せそうな顔して、花も咲かせながら食べてた………。


 そうそう……。フレイとセバスに……ね?御供え物が出来て……、神様に届けられるんだって〜。

 ーーーだからね?送ったんだ〜、腹ペコ達が食べてる物…全部!ああ、大丈夫!!どれもポイントは…1ポイントだったから!神様達はいっぱい!そう、いっぱい居るから。腹ペコ達が食べた物全部を一セットとして……、5千セットを送ったんだ〜。喜んでくれたかな?



「………マスター……」


 フレイが呆れなから、セバスは顔を引きつらせながら蓮華を見ていた。


「だ、だって!流石に、腹ペコでもあの量は可笑しいでしょ!!ーーーあれ?もしかして……、異世界だと、アレが普通ーなの?」

「「それは、絶対に!な・い!!」」


 蓮華の問いかけに二人は、慌てて否定した。


「なら……。神様達の普通なのかなって……。送ってみた……」

「「成る程………」」



 それから暫く腹ペコ達が食べ終わるのを待って、異空間に行きました。

 ………お代わりをお願いされたけど…、何とか…説得?なだめて、だったけど……。


 やっと!異空間にたどり着いた!まあ…私の?せいだけど…大体?半分は。


 で!来たのは良いんだけど……。イヤ~……確かに私が選んだし、一番高いのでポイントも追加してレベルを上げたよ?でも……だからって……コレは……。



 異空間に来た蓮華達は……ポッカーンと蓮華が選んだホームを見上げていた。

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