ルイス教 世界書
『世界書』ルイス教の経典、聖典
悟りの開きで空を感じることが出来る。
さすれば自ずと円環の理を知るだろう。
第一章 第1話より
「そう言えば梓咲って、ルイス教だよな?大丈夫なのか?」
梓夏はさっきまでの元気はどこへ行ったのか、ひどく疲れた表情を示す。
「まぁね。いますぅ〜ごく大変なの。ホープが亡くなってからは毎日、教会で追悼してるの。没後28日間は毎日寝る前に1時間くらい祈祷しなきゃいけないってのがルイス教の決まりだから。」
「大変だね。ルイス教徒は」
「そうだよ(泣)。ずるいぞこの無神論者め!えぃ。」
梓夏のパンチを喰らう。
「いたいいたい。」
呟きながら、涼は哀れみの目を梓夏に向ける。
「ちなみにだけどこのいたいってのは高校三年生にもなって暴力振るうのが傍から見て痛いって意味だからね。」
強めに殴られた。
「今のは普通に痛かった。」
涼の悲痛な表情をみとめて、梓夏はちょっとしょんぼりする。
「ごめん。
でも意地悪言う涼が悪いんだから。」
「慰謝料としてジュース1本を請求します。」
「あぁルイス様、どうして人は知恵の実を食べてしまったのでしょうか。食べなければこんなに小賢しくはならなかっただろうに。」
「世界書第七章13節 で諭すのやめて。しかも所々間違ってるし。」
「わざとだよー」
「まぁルイス教の教えは好きだけどね。
ルイス教ってなんか知的っていうか、例えば没後28日間祈祷するのって月の周期にちなんでるんだよね。天文学ぽい。」
「正確には"28日間が最長"だけどね。」
「あれでしょ。"月は地球の周りを廻り、魂の残滓は月へと導かれる。"だっけ。」
「そう。聖地〜(神災の時にできたクレーターと同じで、ルイスが受難した時のもの?隕石のクレーター?)に魂が集まり、満月の夜に月へと還るの。
昔の人は、夜空で白く輝く月を天界への扉だと考えてたって説が有力だけどね。だから、本当は月の公転周期とか、色々考えなきゃ行けないの。
"げんし、人は、太陽だった。
眩く煌めきしそのアニマ(-魂-)は、いつか灰燼に帰し、月へと還る。"」
「よく二次創作の元ネタになってるよね。ほんとルイス教って今までの偉人とかすごい人たちの思考が凝縮されてるって感じがする。」
「もしかして入信したいの?そんなら洗礼してあげよっか?一応巫(かんなぎ)の資格もってるし。」
「いや、遠慮しとく。ていうか資格なんてあるんだ。」
「そうだよ!私結構凄いんだよ。例えるなら宝くじで2等が当たるくらい。」
「その例え全然わかんない。」
「んじゃあね。〜」
「ぜったいにふざけてるよね。普通に答えて。」
「えーつまんない。えっと、埼玉にいた時は、県で6,7番目くらいに偉かった、かな?」
「普通に凄いじゃん。」
「えっへん。
でも東京来てからはやめたけどね。でもつてもあるから入信させてあげられるよ。」
「その発言強そう(笑)
まぁ神様なんていないから入信はしたいけどね。」
「いるもん。」
「まぁボードレールも「神が存在しないとしても、やはり宗教は神聖であり神性を備えているだろう。」って言ってるしね。神は信じないけど、ルイス教のことは認めてるよ」
「うひひぃ。なんか自分が褒められているようで嬉しい。
それにしても、やっぱなんでも知ってるよね。さすが歩くスーパーコンピュータ。」
「今なんて?」
「え、ルイス教が認められたのがまるで私事のように嬉しいって、」
「その後!」
「ん?もしかしてスーパーコンピュータのこと?」
「そう、それなんだよ。」
「通り名的な?」
「誰の通り名だよ?」
「涼の」
「それやめて。たぶんそれ言ってるの梓夏だけだからね。」
「えっ!?私だけなの?」
「えっ!逆に違うの?」
・・・
「ふふっ。嘘だよ!」
「嘘かぁ。ほっとした。なんだよスーパーコンピュータって、どうせならもっと洒落てるのにしてよ。」
「えぇーかっこいいじゃん。人間離れした超人さがひしひしと伝わる。うん。完璧だね。それとも歩くビッグデータの方がいい?」
「あ、スーパーコンピュータでお願いします。」
「ふふ。
あ!いいこと思いついた!」
「やな予感」
「りょうってさんずいに京都の京でしょ?ならスーパーコンピュータの京から文字って涼のことは今日からけいって呼ぶね。もう決めたもん。しかもアルファベットのK」
「どこぞの先生の友達になってるよ(笑)まぁ、悪くないね。〇〇ノートのL見たいでもあるしかっこいいじゃん。」
「キングのKでもあるよ。ひゅーひゅー。王様だね。このスーパーコンピュータK、a.k.a(またの名を)ビッグデータめ」
「うん。最後の余計だな。
てかそうやってa.k.a使う人始めてみたよ。」
「えっへん。なんだかa.k.aって可愛くない?」
「そうかな?」
「文字に起こすと分かるよ。いと愛しい...。そういえばなんの話ししてたんだっけ?」
「今、ルイス教がやばいって話でしょ。」
「それより『円環の理』だっけ?そこら辺が好きかな。」
「なぁに?いま私のこと好きって言った?」
「言ってない。そもそも義姉と弟の関係だし。」
頬を膨らませる
「もー。小さい時は将来お嫁さんにするって言ってくれてたのに。あの頃の涼ちゃんが恋しい…。」
「恥ずいからやめて。」
「んーーいじわる。
なんだっけ、『円環の理』の話ね。どこが好きなの?」
「ちゃんと聞こえてるんだね(いら)
まぁいいや。あのさ、日本のアミニズムとか、アジアだと仏教には輪廻転生ていう概念あるでしょ。他にも色即是空とか、空即是色とか。」
「急に授業始めないで貰えます?」
「まぁ聴いて。他にも素粒子物理学だと、全ての素粒子はひとつの空虚で完全無の『空』で構成されてて、それらが関係性の上で繋がることで全ての実体を、実体たらしめているのでは無いか?それがビッグバンの真実なのではないか?って考えがあるんよ。」
「へぇー」
「興味無さそうだね。」
「だって文系だもん!」
「左様でございますか。」
「あ!出た、涼の必殺技!」
「左様でございますか。」
「ププ━(〃>З<)━ッッ!!!」
「ほんとそれ好き」
「左様でございますか。」
「えぃ。」梓咲が涼の頬をつく
「左様でございますか。」
の月の周期から来てるんだっけ、その日数。」
「そうだよ!月が1周することで再び輪廻転生が起きるんだよ。」
「しかも...まぁ涼なら気づいてるだろうけど28は、」
「完全数」
「そう、流石だね!女神ルイスが宇宙を創ったのが6日間で、」
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