第6話 新たなレシピと秘密の計画

リサがブックブリューの一員となってから数週間が経った。彼女の明るい性格と勤勉さは、すぐに他のスタッフや常連客たちにも愛されるようになった。ケンジとリサは一緒にコーヒーの技術を学び、互いに切磋琢磨しながら成長していった。


ある日、リサはタケシに相談を持ちかけた。「タケシさん、私、どうしても試してみたい新しいコーヒーレシピがあるんです。試作品を作ってみてもいいですか?」


タケシは興味深そうにうなずいた。「もちろんだよ、リサ。君のアイデアをぜひ試してみよう。」


リサは早速、特製のレシピを基にした新しいコーヒーを作り始めた。彼女のレシピは、秋の風味を取り入れたもので、シナモンやナツメグ、カボチャのピューレを使ったものだった。ケンジも興味津々でリサの手伝いをすることにした。


「このコーヒー、きっとお客さんにも喜んでもらえると思うわ。」リサは自信満々で言った。


ケンジは笑って、「楽しみだね、リサ。」


しばらくして、リサとケンジは試作品を完成させた。カップに注がれたコーヒーからは、甘く香ばしい香りが漂っていた。タケシとマリコにも試飲をお願いし、みんなで新しい味を確かめることにした。


タケシは一口飲んで目を細めた。「これは美味しいな、リサ。秋の風味がしっかりと感じられて、とても暖かい気持ちになる。」


マリコも賛同した。「本当に素敵な味わいね。リサさんの才能が光っているわ。」


リサは喜びで顔を赤らめ、「ありがとうございます!これを新しい季節限定メニューにしてみたいんです。」


タケシはうなずき、「いいアイデアだ。それじゃあ、次の週から秋の特別メニューとして提供しよう。」


その日の夜、ケンジはリサに声をかけた。「リサ、実は僕にも秘密の計画があるんだ。」


リサは驚いて、「秘密の計画?」


ケンジは少し照れながら説明した。「僕、このカフェでコーヒーのイベントを開いてみたいんだ。コーヒーの淹れ方をお客さんに教えたり、試飲会を開いたりして、もっとコーヒーの魅力を伝えたいと思ってるんだ。」


リサは目を輝かせて、「それは素晴らしいアイデアね、ケンジ!私も手伝うわ。」


ケンジは感謝の気持ちで、「ありがとう、リサ。一緒に頑張ろう。」


次の日、ケンジとリサはタケシにイベントの計画を持ちかけた。タケシは二人の熱意に感心し、全面的に協力することを約束した。


「君たちの情熱が、このカフェをもっと特別な場所にしてくれる。さあ、一緒に準備を始めよう。」タケシはそう言って、二人に微笑んだ。


こうして、カフェ「ブックブリュー」は新しいメニューとイベントの準備に沸き立ち、ますます活気あふれる場所となっていった。ケンジとリサの友情も深まり、彼らの挑戦は新たなステージへと進んでいった。


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次のシーンもお楽しみに。

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