第2話 職業

「俺も戦いますよ。」

「本当か?ありがとう。心の底から感謝申し上げる。して勇者の皆様方のお名前を聞いてもよろしいだろうか?」

「僕は斎藤光一。17歳です。向こうでは学生をしていました。」

「俺は寺島龍之介。同じく17歳だ。光一とは同級生で幼馴染だ。よろしく!!」

「私は小鳥遊雫。17歳よ。さっきの2人と幼馴染。よろしくお願いします。」

「斎藤千晶。13歳。光一にぃの妹。」

順に自己紹介をしていく光一たち。そして、

「ミハイルだ。20歳で留学生として日本に来ていたところ巻き込まれた。」

(ということにしておこう。)

ミハイルの実年齢はとうに200歳を超えているのだが、そんなことを言っても信じてもらえないだろうし、人間に擬態しているときの姿は日本人と通すには余りにも無理があった。 

「うむ。さて、自己紹介も、終わったところで貴殿等の職業を確認しようと思う」

「職業?」

「そうだ。この世界にはすべての人々に職業があり、それによってその人物の得意とするものが変わる。貴殿等もこの世界に渡ったことにより職業が割り当てられたはずだ。職業はステータスカードというものによって確認できる。今からステータスカードを配るから確認してみてほしい」

すると、控えていた侍女らしき者から薄いプレートのようなものが配られる。

「それに向かって頭の中でステータスを記せと念じてみよ。そうすると自分の職業が表示されるはずだ」

すると、

「あ、僕勇者だ」

「「「「「「おぉ!!」」」」」」

周りがどよめき立つ。どうやら勇者というのも職業の一つのようだ。そして光一は勇者だったらしい。他の面々も

「俺は拳闘士だな!!」 

「私は剣士ね」

「結界師ってなに?」

(さてと、我の職業は)

「魔術師か」

「ふむ、皆様素晴らしい職業に選ばれましたな。特に光一殿は勇者!職業についてはこちらにいる聖女リリアが別室にて説明させていただきます。」

そうロイドが言うと横から一人の少女が出できた。

「リリアと申します。勇者の皆様よろしくお願いいたします。それでは移動しましょう。」



別室に移動したミハイル達はリリアから説明を受ける。

「改めまして私は聖女のリリアです。魔王討伐の旅には私も同行いたしますので以後よろしくお願いいたします。それではまず皆様の職業について説明させていただきますね」

「よろしくお願いします」

「まず光一様の勇者は聖剣と光の力を操り対魔物に特化した職業です。聖剣の方は教会が保有していますので後ほどお渡しさせていただきます。」 

「分かりました。」

「次に龍之介様と雫様の拳闘士と剣士は言葉通りです。拳闘士は自らの拳を強化し戦います。そして剣士は剣術を扱います。」

「おぉ、拳闘士!俺にピッタリじゃねえか!ステゴロってことだろ?」

「剣士か。正に私って感じね。剣道部だし」

「だよな〜。雫こないだも大会で優勝してたし」

「次に千晶様の結界師についてです。」

「ん、結界師っていまいちピンとこない」

「基本結界師の仕事は防御です。防御結界という敵の攻撃を防ぐ効果のある障壁を展開し味方を守ります。また、他にもいくつか結界の種類があり、敵の攻撃を反射する結界など練習すればどんどんいろんな結界を張れるようになりますよ」

「なるほど」

「心配症の千晶にピッタリじゃないか」

「違う、いつも光一にぃと龍之介さんが危なっかしくて見てらんないだけ」

「え、俺もか!?」

「こほん、最後にミハイル様の魔術師です。魔術師は様々な魔法を操ります。ただ魔法を操るだけなら魔術師ではなく魔法使いなのですが、魔術師は魔法使いと違い全属性の魔法を操り、規模も魔法使いの比ではありません。そして魔術師は支援魔法や付与魔法といった味方を強化する魔法を使うことができます。」

「ふむ」

(正直魔法は元々得意だから全属性使えるというのはあまりプラスではないな。しかし、他者を強化するというのは興味深い。今までは自分が最強の個としてあまり周りとの連携などしていなかったからな)

「以上が職業についての簡単な説明になります。今日は色々ありお疲れのところもあるでしょうからお部屋を準備させていただきましたのでそちらでお休みください」



こうして異世界に召喚されてから1日目が終了した




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