勇者召喚に巻き込まれた魔王

楽園

プロローグ 魔王のお忍び

「さて、今日は何をするかな」

魔王は今異世界へとお忍びで遊びに来ていた。

「相変わらずこの世界は平和だな。普段は魔王として勇者達との戦争で戦ってばかりだから、流石の我もたまの休みをとらねばやっていけぬ。」

魔王としての政務、そして対立勢力との争い、魔王は魔王としての責任と重圧に疲れていた。しかし、配下の魔族のことを考えると全てを放り投げる訳にもいかない。そんな魔王の唯一の楽しみが日本という国へのお忍びだった。

「やはりこの国はいいな。魔法の普及こそしていないがその分文明が発展している。特に科学というものは実に興味深い。」

「なぁこの後どうする?」

「取り敢えずゲーセンでも行こうぜ。この間クレーンゲームの景品で欲しいのが出たんだよ。」

「ちょっともうすぐテストなんだから勉強しなきゃ駄目でしょ」

「ん、また赤点」

すると前から少年少女が前から歩いて来た。

「ふむ、世界が平和だと子供達の活気もいいな。我の世界では死んだ目をした子供などが至るところに居ったわ。やはりいい国だ。」

そんなことを考えながら4人組の横を通り過ぎる。すると、

「ん?なんだ?」

「なんだコレ。地面が急に!?」

「どうなってんだこりゃあ!?」

「きゃっ何なのよこれ?」

「光ってる、、、」

(これは召喚魔法陣か?しかし、魔法のないこの世界でなぜ急に)

すると一気に光に包まれる。光が収まるとそこには、

「よくぞ参られた勇者の皆様方。そしてこちらの勝手な都合で呼び出してしまい申し訳ない。しかしどうか我らを救ってはいただけないだろうか。」

「「「「「は?」」」」」

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