第2話 新たな仕事
ブッダとキリストは、野宿生活から脱却するためにそれぞれ仕事を探し始めた。ブッダはストリップ劇場のもぎり(チケット切り)として、キリストはコンビニでアルバイトをすることになった。
ストリップ劇場「天女の舞」は、異世界浅草で有名なエンターテインメント施設だった。ブッダはその入口でお客さんを迎える役割を担っていた。
「お客さん、いらっしゃいませ。チケットをこちらでお切りします。」
「ありがとう、ブッダさん。あなたがもぎりとは、ここも良い場所になったね。」
「そう言ってもらえると嬉しいです。楽しんでいってくださいね。」
お客さんが次々と入場する中、ブッダは穏やかな微笑みを絶やさず、もぎりの仕事をこなしていた。
「ここで働くのは意外と楽しいね。人々の楽しそうな顔を見るのは嬉しいな。」
その時、劇場のオーナーが声をかけてきた。
「ブッダさん、ありがとう。あなたのおかげでお客さんも増えていますよ。」
「いえいえ、お役に立てて嬉しいです。」
一方、キリストは異世界浅草のコンビニ「天国屋」で働き始めた。コンビニの店内には異世界の様々な商品が並んでいる。
「いらっしゃいませ、天国屋へようこそ!」
「キリストさん、今日のおすすめ商品は何ですか?」
「こちらの魔法のパンはいかがですか?食べると一日中元気が出ますよ。」
「それは素晴らしい!じゃあ、一つください。」
「ありがとうございます。お会計は500円です。」
レジ打ちをしながら、キリストはお客さんと親しげに会話を交わしていた。
「コンビニで働くのは初めてだけど、面白いね。お客さんと直接触れ合えるのは楽しいな。」
店長がキリストに感謝の言葉をかけた。
「キリストさん、いつもありがとう。あなたのおかげでお店の雰囲気がとても良くなりました。」
「こちらこそ、ありがとうございます。もっと頑張ります。」
仕事を終えた二人は、再び浅草の街で落ち合った。夜の浅草は、ネオンの光で美しく照らされていた。
「お疲れ様、キリスト。今日はどうだった?」
「ありがとう、ブッダ。コンビニの仕事は楽しかったよ。お客さんとも仲良くなれたし。」
「それは良かったね。僕も劇場のもぎりは楽しかった。お客さんが楽しんでくれるのを見るのは嬉しいね。」
「そうだね。こうして仕事を見つけられて、少しずつ生活も安定してきたね。」
「うん。次の目標はもっとネタを作って、漫才師としての活動を広げることだね。」
「その通り。これからも一緒に頑張ろう。」
ブッダとキリストは、仕事で得たお金を使って、異世界浅草の居酒屋「天界の宴」に向かった。この居酒屋は、異世界の多種多様な料理とドリンクが楽しめる人気の店だった。
店内に入ると、温かい灯りが迎え、異世界の住民たちが楽しげに談笑している様子が広がっていた。二人は空いているテーブルに座り、メニューを手に取った。
「ここ、本当にいい雰囲気だね。」
「そうだね。仕事の疲れも吹き飛びそうだ。」
「さて、何を注文しようか?」
「異世界ならではの料理を試してみたいね。」
「そうだね。じゃあ、まずは前菜として『悟りのサラダ』を頼もうか。瞑想中に食べると心が落ち着くって聞いたよ。」
「いいね。それと、『神聖な揚げ出し豆腐』も頼もう。これ、特別な香草で味付けされているらしい。」
「お酒も頼もうか。『ネクターワイン』と『涅槃ビール』があるみたいだよ。」
「それは楽しみだね。僕は『ネクターワイン』にするよ。なんでも、飲むと体が軽くなるらしい。」
「じゃあ、僕は『涅槃ビール』にしよう。涅槃のような心地よさを感じるって書いてあるね。」
二人は店員を呼び、注文を伝えた。
「すみません、悟りのサラダと神聖な揚げ出し豆腐、そしてネクターワインと涅槃ビールをお願いします。」
「はい、かしこまりました。少々お待ちください。」
店員が注文を受けて去っていくと、二人は仕事の話やこれからの計画について語り始めた。
「仕事も順調だし、こうして居酒屋でリラックスできるのは本当にありがたいね。」
「そうだね。お互いにいい仕事を見つけられて良かった。」
「そういえば、今日の仕事で面白いことがあったんだ。」
「どんなこと?」
「コンビニで透明人間のお客さんが来たんだよ。最初は気づかなかったけど、商品が浮いてるのを見て分かったんだ。」
「それは驚いたね。でも、異世界ならではの出来事だね。」
「そうだね。ブッダはどうだった?」
「劇場のもぎりをしているときに、お客さんが魔法で変身するのを見たよ。なんでも、ステージに立つ前にリハーサルしていたみたい。」
「それもすごいね。異世界ならではの経験だ。」
しばらくして、注文した料理とドリンクが運ばれてきた。美しい盛り付けの悟りのサラダと、香ばしい香りの神聖な揚げ出し豆腐。そして、きらめくネクターワインと涅槃ビール。
「これは美味しそうだね。」
「本当に。じゃあ、乾杯しようか。」
「乾杯!」
二人はグラスを合わせ、笑顔で乾杯した。料理を一口食べると、その美味しさに驚いた。
「このサラダ、すごく新鮮で美味しいね。」
「うん、香草の香りも素晴らしい。」
「揚げ出し豆腐も絶品だ。外はカリッと、中はトロッとしていて、香草の香りがアクセントになっている。」
「ドリンクもいい感じだよ。このネクターワイン、体が軽くなる感じがする。」
「僕の涅槃ビールも最高だよ。飲むと心が穏やかになる。」
二人は料理とドリンクを楽しみながら、次々と話題を変えて語り合った。仕事の話、次のネタ作りのアイデア、異世界での生活のことなど、尽きることなく話し続けた。
「今日は本当に楽しい一日だったね。」
「そうだね。これからもこうして楽しみながら頑張っていこう。」
「うん、次の舞台も成功させよう。」
「その通り。僕たちの笑いをもっと広めていこう。」
二人は満足そうに食事と飲み物を堪能し、再び新たな挑戦に向けて意気込んだ。異世界浅草での冒険は、まだまだ続くのだった。
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