妖艶なる誘惑

#ダンジョン進入しんにゅうから、すう時間じかん――



 勇者ゆうしゃパーティーは、階段かいだんりて‥‥地下ちかかいにまで、到達とうたつしました。

 ――偵察者スカウトアイリスの御蔭おかげで、探索たんさくはかどっています。


 しかし、しばらくくと‥‥おお広間ひろま中央ちゅうおうで、四方しほう出入でいりぐちじてしまいます。おそらくは、強制きょうせい戦闘せんとうけいのイベント(回避かいひ不能ふのうトラップ)です。仕方しかたいので、全員ぜんいん(二人とも)が、さい警戒けいかいします。

 そして、やはり‥‥じゅうたいものモンスターが出現しゅつげんしました。しかも、てきすべてが、サッキュバス(全裸ぜんら淫魔いんま)です。



 サッキュバスどもは、すぐさま、勇者『雄大』に、視線しせん集中しゅうちゅうさせます。さらに、スキルと魔法まほうで、雄大を魅了みりょうしようとしました。けれども、雄大の耐性たいせいは、魅了無効むこうに到達しています。

 ここで、剣士けんしシルビアが、感心かんしんしながらいます。


流石さすが、わたしのラブコールを、無視むしできるだけのことがある!」

「ラブコールなんか‥‥してたっけ?」


「‥‥」

「してたのか、すまない!」


 涙目なみだめのシルビアに、雄大が謝罪しゃざいです。

 すると、何故なぜか、サッキュバスどもが消滅しょうめつします。しかも、あとには、雄大専用せんよう従者サーバントカード『サッキュバス』が、16まいのこされていました。どうやら、サッキュバスたちは、雄大に興味きょうみかんじたようです。



 シルビアが、むくれながら言います。


「モテモテだね!」

「けど、仲間なかまやら、モンスターなんかにモテモテでも、意味いみないだろ?」


「‥‥」

「すっ、すまない!」


 シルビアが、したので、雄大がひらあやまりしています。



 結局けっきょく‥‥今日きょうのところは、ダンジョンをて、まちもどることになりました。

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