第25話 「自然の摂理」
激戦
「なぁあんた! あの城でビルサ達と戦っている奴らがいるって本当かい? そいつら何者なんだ?」
町人達が、隻腕の侍を囲んで尋ねている。町人達は心なしか、少し息を荒くしている様に見える。
「・・・本当だ。どこの誰かも知らんが、恐らく二人組。一人は大きな
隻腕の侍が、ポツリポツリと呟く。町人達は息も忘れ、話を黙って聞いている。
「・・・しかし、ビルサは
状況を聞いた町人達は、顔色を
「・・・そうか。いくらその二人が強くたって、あいつら化け物とそんなに侍がいたんじゃあなぁ・・・」
「あのお兄ちゃんなら、きっと勝ってくれるよ!」
突然の声に皆が振り返ると、そこには一人の少年とその母親が立っている。母親は
「あのお兄ちゃんは、おれたちを侍から守ってくれたんだ!
少年が
「あの
町人達が、一様にビルサ城を見つめる。
「・・・俺は、もうビルサの支配下なんて嫌だ」
一人の男が
「・・・」
隻腕の侍は、町人達の声を聞き
「・・・俺がやるべき事はただ一つ。・・・今更情けねぇが」
侍がギリッと歯を食いしばる。そして立ち上がり、城の方を向く。
「何が起きるか分からねぇ。皆は家でじっとしててくれ」
侍は町人達にそう言うと、城へ向かって歩き出す。
「あんたはどこへ?」
町人達が、侍の背中に呟く。
「けじめをつける」
ビルサ城内の大広場にて、
「・・・グフフ。俺の鎧を破りやがったのは驚いたが、貴様はもうフラフラだな」
すると、しゃらくが自らの着物を破り、血だらけの両手に素早く巻き付ける。
「あァ、腹減ってフラフラだぜ。だからてめェをさっさとぶっ飛ばして、お
しゃらくが
「
ヒュッ!! しゃらくが目にも止まらぬ速さでビルサに向かう。そしてビルサの頭上高く
「“
しゃらくがビルサの目の前で消える。次の瞬間、ビルサの全身から血が
「ゔっ・・・!!」
ビルサが思わず
「・・・貴様。俺の部下の技を・・・」
「へへ。技は盗むもんだぜ」
すると、ビルサがゆっくりと立ち上がる。
「・・・貴様は確かにやるようだ。・・・だが、こんな
ギュイィィィン!!! ビルサが両手両脚を高速回転させる。
「俺は
ビルサが
「おい。どうした?」
震えるお渋の目からは、涙がボロボロと溢れている。
「・・・分からない。・・・分からないけど、とても恐いの。・・・私達は、ただ従うしかないの・・・?」
お渋が涙を流して、ウンケイを見つめる。
「・・・!?」
ウンケイは目を見開く。たった今ビルサが放った言葉を、ウンケイ自身負け
「しゃらくせェ!!
しゃらくが再び四つん這いに構える。
「グフハハハ!! くだらぬ夢よ! 貴様はここで死ぬ! 天下を取るのは、“
するとビルサが脚を閉じ、両腕を広げる。そして、ギュイィィィィン!!!!
「“
ギュイィィィィン!!! 回転したビルサが地面を
「やべェ!」
勢い止まらず、回転したビルサが目の前まで迫る。
「“
ガキィィィィン!! しゃらくがビルサに突っ込むも
「・・・いてェ!!」
しゃらくはすぐに立ち上がり、依然こちらへ向かって来るビルサに、四つん這いで構える。
「“
ガガガガッ!!! しゃらくが連続攻撃するも弾かれ、また吹っ飛ばされ城壁に激突する。
「ゔっ!!」
受け身が取れずに何度も壁へ激突する為、意識が
「グフハハハハ!! さっきの威勢はどうした
ビルサが回転を止め、高らかと笑う。しかし、ビルサの方もかなり疲弊しており、両手を膝に着き肩で息をしている。
「
すると、しゃらくがフラフラとゆっくり立ち上がる。
「くそっ! ・・・まだ動くか」
ギュイィィィン!!! ビルサが再び両手両脚を回転させる。
「・・・そりゃア良かったぜ。てめェで歯が立つ相手なら、
しゃらくがニヤリと笑う。ビルサは顔を
「望み通り殺してやる! “
「取ってやるぜ、みんなの
バゴォォォォン!!! 両者激しくぶつかるが、ビルサの方が吹っ飛ばされ、城壁へ激突する。ガッシャアアアン!!! そして、ビルサの方が吹っ飛ばされ、自分の城に勢いよく激突する。ビルサは白目を
完
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