サブキャラ達は今日もフワフワ日常中

若福品作

第1話 朝美の日常〈1〉

登場人物


朝美あさみ

性別:女

学年:研究者

身長:159

好きなもの:饅頭まんじゅう、自分の好奇心を満たす事。


七瀬ななせ

性別:女

学年:研究者

身長:164

好きなもの:ビール、可愛いもの。





ここは綿毛型わたげがた妖精ようせい研究所けんきゅうじょ、春の大陸第3支部。


🔎


研究長室けんきゅうちょうしつにてー


コンコンと扉がノックされる。


「どうぞ~。」


そう大きな声で研究長である朝美あさみは返事をする。


「研究長。例の商品の試作品しさくひんが届いてますよ。」


そう副研究長である七瀬ななせが扉を開けて報告する。


「おぉ!!やっと届いた!!」


そう大きな声をさらに大きくして朝美は興奮する。


そんな朝美に七瀬は試作品が入った箱を渡す。


「それにしても、毎回なんで試作品を送ってもらってるんですか?

完成品だけでいいと思うんですけど。」


そう七瀬が尋ねる。


「だって自分の研究所で産まれた魔術が

どんな道を進んで魔術具まじゅつぐになっていくのか気になるでしょ?

それを私は身体からだ全てで感じたいの!!」


そう体を大きく使って朝美は答える。


「・・・そいうもんなんですかね?」


そう七瀬はあんまりしっくりきていない。


「っと言いつつ、今回も付き合ってくれるんでしょ?」


そう朝美は七瀬にウィンクを投げる。


「研究長のおもりも私の仕事の1つなので。」


そう冷めた様子で七瀬は答える。


「またまたそいう事いう~。」


そう仲良く言い合いながら2人は研究所の庭に向かう。


🔎


ー研究所の庭にてー


「では。最初に例の商品について軽く説明します。名前は“雨雲あまぐも煙官きせる”。

煙官の火皿ひざらと呼ばれる部分に雨雲のもとを入れます。あとは煙官を吹くだけ。

それにより、小さな雨雲ができ、数分間だけ小さな範囲に雨を降らせる事ができます。雨雲の範囲は火皿に入れる雨雲の元のりょうで決まります。」


そう七瀬が説明書を読み上げる。


「うんうん。さ~ぁて。

第1歩目はどんな感じにできたのかな?」


そうワクワクした様子で朝美は煙官の火皿に雨雲の元を入れる。


「分かってると思いますがいきなり大量に入れないでくださいよ?」


そう少し心配した様子で七瀬が声をかける。


「分かってるわよ。」


そう答えながら朝美が火皿に入れた量は

1番小さなスプーン1ぱいだけである。


「よし。あとは吹くだけね。」


そう言って朝美は煙官の吸い口に口をつける。


そして軽く息を吐き出すと

煙官の中からモワモワと雨雲が出てくる。


だが、その大きさは朝美達の想像以上だった。


「思ったより、雨雲大きくない?」


そう朝美が雨雲を見上げながら言う。


次の瞬間。雨雲の下に居る朝美と七瀬に

大量の雨が降ってくる。


「ぐばはぁ。雨の量も多いんだけど。」


そう朝美は焦りながらもどこか楽しそう様子だった。


「とにかく研究所の中に逃げましょう!!」


そう雨音あまおとに負けないように大きな声で七瀬は朝美に声をかける。


その七瀬の指示通りに2人は研究所に逃げ込む。


「へっくしゅん!!

いや~ぁ。ずぶ濡れですな~ぁ。」


そう朝美は笑顔を見せながら言う。


「そのわりには楽しそうですね。」


そう少し不機嫌そうな目をしながら七瀬が言葉を返す。


「もちろんよ。

だって、私のモットーは元気に明るく世界を楽しむだからね!!

どんな時でも楽しまなきゃ。」


そう明るい表情と声で朝美は言う。


その朝美の様子に七瀬は“やれやれ”と言った笑みを見せる。


「さすが、研究長ですね。」


そう七瀬は軽く朝美をめる。


「ありがとう。」


そうお礼を言うと朝美は目線を強い雨が降り続ける外に向ける。


「っんで。あの雨はいつむの?」


そう朝美は尋ねる。


「・・・さー?」


そう七瀬が首を傾げる。


雨が止んだのはそれから約2時間後だった。

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