乱闘!☆
「さぁ!野郎ども!断罪の時間だ!今回は思いっきり暴れて良いわよ!!!」
シオンの一言で、カノン以外の仲間達が飛び出していった。
「えっ?あれ???」
カノンは嬉々として飛び出していく仲間達に付いていけず戸惑っていた。
「ヒャッハーーーー!!!!!てめぇーら、皆殺しだーーーー!!!!!!」
「ハハハハッ!倒し放題じゃねぇーか!こりゃ、ボーナスステージだな!」
「オラオラッ!どうした!?オレのストレス発散に付き合いなっ!!!」
笑いながら、衛兵達を斬り倒していく護衛騎士達。リオンもさっきまでは涙目でいたのに、今は獰猛な鷹の目の様に、鋭い目で剣を振るっている。
あ、刃は返して峰打ちにしているよ?
カノンは目の前の光景に見惚れてしまった。普通ではあり得ない状況ではあったが、目で見た情報にようやく慣れてきた。
『確かにハチャメチャな連中だが…………強い!?』
俺の近衛騎士……いや、全員が団長クラスだぞ!?
剣筋や立ち回りなど尋常では無かった。
「まったく、何で男って叫びながら戦うのかしら?少しでも体力を抑えながら戦うには、無言で戦うのがベストなのに」
ハルとアキは両手に大型のナイフを持ち、敵を無力化していく。あっという間に、20人近く倒されて、リーダー格の男が指示を出した。
「お、女を狙え!アイツがリーダーだ!人質に取れば手が出せなくなるぞ!」
一斉に敵がシオンに向かって走り出した。周りの仲間は目の前の敵に掛かりっきりで、シオンのフォローに向かえない。
いや、シオンを守ろうと助けに行かなかった。
「シオン令嬢、下がって───」
カノンが剣を構えて迎えようとしたが、後ろからシオンが飛び出した。
「えっ?」
驚くカノンを尻目に、シオンは飛び出し向かってくる敵を剣で一太刀で斬り伏せていく。
「あなた達に喰い物にされた女性達の恨みを思い知りなさい!」
ビシッと指を差して言った。何人もの敵を一撃で沈めていくシオンにカノンは少し前の戦争を思い出していた。
あの時の、無謀な王国の第一王子の采配で窮地に陥った仲間を助ける為に、敵陣に飛び込んできた【白銀の騎士】の剣筋と同じだったからだ。
「まさか、あのフルフェイスの白銀の騎士はシオン令嬢!?」
もう、何度目かの驚愕にフッと我に返るとカノンも少し遅れて飛び出した。
そして、後ろから迫っていた敵二人を斬り伏せた。
あ、峰打ちですよ!シオンの仲間の戦いを見ていたので峰打ちで切りました。まぁ、骨折ぐらいはしているが。
「ありがとうございます。流石に皇帝の近衛騎士だけありますね。うちの若い者と同格なのがわかります!」
うちの若い者って、お嬢より歳上っすよ~~~
戦いながら護衛騎士達はどうでもいい事を心の中でツッコミを入れていた。
「なるほど。貴女の護衛騎士が助けに入らない訳だ。貴女がこの中で1番強いからなんですね?」
「さぁ?どうでしょうか?」
ウフフッとシオンははぐらかした。
敵を叩きのめしていると、いつの間にか敵のリーダー格の男は居なくなっていた。
『クズドラ息子に報告に行ったわね。予定通りよ』
シオンは周りの仲間に激を飛ばした。
「まだ屋敷の中には仲間がいるみたいだから、援軍がくる前に数を減らすわよ!」
「「了解!!!」」
シオン達はすでに半数以下になっている敵の掃討に移るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます