1-4

 2日後、又 私は翔琉君ンチに来ていた。


「今日は 算数のドリル 終えちゃおうネ」


「そんな 追い込まなくてもー 夏休みの宿題なんて 毎日1ベージずつやるのが普通だろう?」


「ダメ! 早く終えて あとは 自由研究に費やすの!」、私は、字を書くときは左利きなので、翔琉君と座る時は、右側に彼が来るように並ぶのだ。だから、右手で彼をこつくようにすると


「お前 意外と 努力家なんだなぁー」と、私をつっ突き返してきた。それで、私は、彼に甘えたくなって


「でも やっても 翔琉君に追いつかないんだものー やっぱり バカなんだね」と、少し頭を翔琉君に傾げるようにしていて


「そんなことないよー 努力は報われるさー 無駄な努力ってのもあるけどなー」


「その 無駄な努力ってのが 私ってこと?」


「いやー それは 自分で判断するってことかなー」


「??? 私ね 翔琉君が何を考えているのか わからなくなる時があるの」


「何にも考えて無いよー 単純なことしか 例えば 今 水澄のパンツは何かの絵なんかな? って」


「・・・ アホっ ・・・」 今日の私はショートパンツだったので中まで見える訳が無いと思ったが、急にそんなことを言われて、見られたようで恥ずかしくなって顔が紅くなっていたと思う。隠すために、さっさとドリルに向かっていた。


 ドリルも残り少しになった時、買い物に出掛けていたお母さんが帰って来て


「アイスクリーム買ってきたの ひと段落着いたら 食べてネ」


「お母さん 水澄が来てると 何で そんなに張り切るんだよー」


「あったり前じゃぁない 女の子って 可愛いんだものー それにね 水澄ちゃんって 何となく翔琉に顔立ちが似ているから、ウチの子みたいって思ったりするの」


 そして、アイスクリームはお昼のミートスパゲティの後に食べていると、


「ねぇ 水澄ちゃんのお母さんって 確か 前は 駅前通りの刺繍糸屋さんに居たんでしょ あのお店 無くなっちゃったのよねー」


「そーなんです でも 今は 信号のところを少し行ったケーキ屋さんに行っています あんまりおいしく無いケーキ屋さん」


「そーなの あの刺繍糸のお店には何回か行っていたのよ だから、水澄ちゃんのお母さんともお話したことはあるのよ ハッキリした人よねー 女の人には珍しい そのケーキ屋さんでは買ったこと無いけど・・・」


「あぁー 買わないほうが良いかもー ウチのお母さんも 一度も 持って帰ってきたこと無いものー お給料の為に行っているだけだってー」


「ふふっ そうなの ドライなのね」


「あぁー 何でも あっさりしているかもー 何か相談しようと話し掛けても 水澄が自分で決めたらいいのよってー 戸惑ってしまうことが多いんです」


「そう・・・ それは 水澄ちゃんのことを 信用してるのよー」


「そうなんですかねー 面倒臭いんじゃぁ無いのかなー って 思ってしまうんですよ」


「そーいうのって いいじゃん ウチのお母さんなんて あーしろ こーしろって いちいち うるさいんだよー」と、聞いていた翔琉君が横からー


「あらーぁ 水澄ちゃんみたいに ちゃんとした子なら 何にも言わないわよー」


「へっ こいつの 間が抜けたとこ 知らないんだよー」


「あらっ そう その間が抜けたとこ 埋めるのが あなたの努めじゃぁないのー お互いにネ!」


「うぅー・・・ 俺等 まだ そこまで・・・」


「うぅ じゃぁないの! 女の子を好きになるって 覚悟が要るのよ」


「おばさん 私達 そこまで・・・」


「いいの この子は覚悟がたりないのよー だから いつも 宮川君と江州さんに負けたって ウジウジしてるのよ 真剣にやりもしないくせにー」


「お母さんは 俺には いつも そーやって厳しいんだよー」


「何言ってんの! 弟だからって 甘えている翔琉のお尻を叩いているだけよ」


 その日、帰る前に翔琉君の部屋ン中見たいと お願いして


「ふ~ん こんなもんなんだ 割と整頓してるね」


「あぁ あんまり ものを置かないんだ 運動も興味無いからな」


「あっ そう 中学になったら なんか 部活やるんでしよ?」


「まだ 考えてない 団体競技は嫌だなー 自分のペースでやりたい」


「私は 卓球 やりたい 石川佳純さんみたいのん」


「アホかぁー あんなの 一握りだよ それに 3歳ぐらいからやっていて ようやくなんだよー みんな そう」


「わかんないよー 天才がここに居るかも ねぇ 翔琉君も一緒にやろうよー」


「へっ 乗り気しない」


「なんやねん 私を守ってくれるんちゃうん?」


「いつから そんなことになってるんやー 見返りも何にも無いのにー」


「・・・見返りって・・・ 要るん?」


「いゃ そーいうんちゃうけど・・・なんか 証っていうかー・・・」


 私 衝動的に 横から抱き付いて、翔琉君のホッペにチュッと


「白浜さんからも もらったりしたら 嫌やでー」と、顔が紅くなっているのだろう 慌てて帰ってきた。本当は ちゃんとキスしたほうが良かったのかなぁー でも みずみ は まだ 小学生なんやからなぁー

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