挟霧の國


 挟霧さぎりくには令和元年に公開されたパペットとミニチュアと着ぐるみを融合させた人形劇怪獣映画。一応、特撮作品に位置付けられるようです。


 物語は明治四十二年の大分県、山々に囲まれた閉鎖的な村に少年「栄二えいじ」は帰郷し、目の見えない少女「多紀理たきり」と出会い彼女に興味を惹かれてゆく。ある夜、山の湖に住まう怪獣と心交こころまじえる彼女の姿を栄二は目撃してしまうのであった。


 て、感じですかね。


 どこかNHK教育(現Eテレ)でやってたちょっと独特な雰囲気を持っていた人形劇に近い感じですね。あまり動きはなく、口も動きはしないけど世界観にはあってる不思議な感じ。人形は不気味さが強くて因習村ぽい舞台にもハマってるなと思いましたね。声優さんも本職の方は主人公の栄二以外(家庭教師ヒットマンREBORN!の山本武を演ってた方らしい)は恐らく舞台とかの俳優さんですね。

 怪獣のデザインは今年亡くなられた「モスラ」等の造形を手掛けた「村瀬継蔵むらせけいぞう」さん。村瀬継蔵さんは、エンドクレジットの声優欄に名前もありましたから、村の男の誰かの声を演ってたのでしょう。怪獣は水棲恐竜型の四足歩行で着ぐるみで重量感強めでしたね。


 なんか、横溝正史よこみぞせいし作品に怪獣が現れたって感じの怪奇的な作品と言ったらいいのかなぁ。重苦しい和のミステリ感もあるんですよね。個人的には「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」を思い出しましたね。まぁ、村舞台以外はまったく違う話ではあるんですけども。


 上映時間は三十五分くらいなので、隙間時間に観やすいかなと思います。ハマる人にはハマるけど、ハマらなかったらちょっと長く感じるかも知れませんね。僕はこういう雰囲気と怪獣ものは好きなので楽しめました。

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