Day16 窓越しの

 列車の窓越しに、君が僕を呼ぶ。硝子のあちらで、懐かしげに指を伸ばす。

 思わず応えかけた僕の背を叩いて止めたのは君の腰から下。分たれたふたつの君に挟まれて、僕は途方に暮れた。

 やってきた車掌が「切符を拝見。なければ乗車は不可ですな」。君の脚を掴み上げて、窓の向こうに放り投げた。

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