Day14 さやかな

 さやかな声が耳の奥に響いて目を開けた。しんとした夜の中。あれほど明瞭にした声の主はどこにもおらず、代わりに食卓の前にもやもやと不確かなものが座っていた。

「いただきます」

 声がさやかになるほど、影は薄く消えていく。

 何を食べているのか、覗き込んで後悔した。食卓で女の首が笑った。

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