1 きっとキミは好きじゃない ~思春期の恋~

ボクは、キミが好き。

でも、きっとキミは、ボクを好きじゃない。


そうに決まっている。


カッコ良くないし、

アタマも良くないし、

スポーツも出来ない。


料理も出来ないし、

絵も上手くないし、

面白い話もできない。


だからキミは、ボクを好きじゃない。


でも、ボクは、キミが好き。


何が好きかって?


カワイイいから、だと思う。


別に、

アタマは良くないけど、

スポーツをやっているわけじゃないけど、

カワイイと思うから、好きだ。


話なんてあまりしたことないけど、

友達と楽しそうにしているキミが、

ぼーっとしているキミが、

普通に、キミが好き


結局、キミをカワイイと思うから、好き。


何をがんばったら、キミはボクを好きになってくれるのだろう?


スポーツも、勉強も、芸術も、何一つとりえのないボク。

カッコよくもなければ、自慢できる趣味もないボク。


少し頑張っても見たこともあるけど、何が変わるわけでもなかった。


ある人が言った。

『何でもできる人はつまらないよ。できないことのある人の方が、一緒にいて面白い』


少し、救われた気がした。

でも、じゃあ、何を頑張ればいいのだろう?


わからなくて、今日もキミを見つめるだけ。

話しかけることすらできないまま。

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