第27話組手withフェア2
(大正解だ)
いつの間にかルリィウィンの手には小石が握られており、素早くウィリィンの顔目掛けて投げられる。
ウィリィンは咄嗟にシールドを使い、軌道を逸らすが、気づくのが遅すぎ、右目の上に激しい衝撃が走る。
(っ!?)
癒しの炎を素早く展開し、痛みを和らげるが、出血してしまい、右目が開けれなくなってしまった。
その隙を狙い、姿を隠したフェアが地面の枯れ葉状の物体を巻き上げ、こちらに迫ってくる。
(残念、バレバレよ)
ただ、巻き上がった枯れ葉状の物体が走ってくるフェアに当たってしまい。
何処から迫ってくるかバレバレであった。
奇襲は失敗し、アウィリィからのカウンターをもろに受け、飛び下がる。
(ちぇ、枯れ葉を目隠しにも使ってやろうと思ったのに、
それが原因でバレちゃうかぁー)
(もっとしっかり吹き飛ばした方が良かったわね)
(よし、一旦休憩にするとしよう。
ウィリィン、目は自力で直せそうか?)
(は、はい。自然に癒えてきました。)
ルリィウィンの言葉で皆、力を抜き、休憩に入る。
闘鬼は回復力が高く、先程目の上に出来た打撲と、切り傷は既にほぼ癒えていた。
(脳震盪を狙うつもりだったが、よく防いだな。
フェアの攻撃を捌くのにかなり神経を使っていたのだろう?)
(咄嗟の防御はかなり身に付いて来ているのかなぁと思います。
ただ、フェア姉、ルリィウィンママ、両方に気を配る必要があるぶん、
終始振り回されっぱなしでしたが...)
(いやぁ、初回からいい勝負されたらお姉ちゃんの威厳がないって。
思った以上にガードされるから焦ったよー)
その後もウィリィンとフェアの魔法の使い方、立ち回りについて反省会を行い、
戦術のブラッシュアップを図る。
(さて、今度はウィリィン、私とだ)
(お母さん、私はアウィリィさんと違って、
ウィリィンを盾にされても容赦無く殴るからねー)
ウィリィンはフェアのセリフにギョッとして聞き返す。
(えっ、フェア姉、そんな...)
(ウィリィン、諦めろ。甘やかし過ぎはお主のためにならん)
(いいかしら?では始めるわよっ)
今回はアウィリィ、フェアが同時に突っ込んでくる。
ウィリィン達は魔法を使って迎撃するが、フェアが魔法を放ち、打ち消してくる。
アウィリィにも魔法で作った石を渡し、対応してくる。
(おっと、二人ともインファイトで攻めるつもりか、流石に手数が多いな。
ふむ、投げるか)
(ちょっ!?)
投げると言っても真上ではなく、近付いてくるフェアに向って真っ直ぐにウィリィンを投げ飛ばした。
フェアは一瞬ギョッとした顔付きになるものの、ウィリィンに向かって拳を振り上げている。
なお、アウィリィも気を取られてしまい、ルリィウィンにいい一撃を貰っている。
(ウィリィン、悪いけど、ちゃんと殴るからねー)
(それは嫌だ、っと、ぐべ!?)
フェアの拳の射程ギリギリでシールドを貼り、自身をぶつけることで空中で急停止する。
フェアの拳は空を切る。
その間に風を発生させて、地面へと飛び、背中に小さな球体を沢山設置して、移動する。
しかし、フェアもそれを黙って見ているわけもなく、ウィリィンがいた場所を勢いよく踏みつけてくる。
(うーん、慣性のない動きで当てにくいなっと)
ウィリィンはフェアに魔法を連射しながら、足元を逃げ回る。
たまに踏みしめた足がこちらをかすめ、少しダメージを受けてしまう。
ウィリィンも負けじと地面に丸い石をバラ撒き、足を滑らせるよう誘導した。
(うおっとと、この球足を乗っけると高速回転するー。)
その隙にフェアから逃亡を図り、ルリィウィンと合流することに成功する。
(ほう、それほど大きな傷は負ってないようだな)
(ちぇぇ、全然いいの入らなかったなー。ウィリィン、妨害とか防御上手だねー)
(被弾することに対する真剣さが異なるからな。
もう少し脅かしてやらないと隙は見れんぞ?)
(おっとぉ、分かりやすい挑発。高値で買うよ?)
(肉弾戦だけでは圧倒できないわね。フェアちゃん。次の策やるわよ)
(あいあいさー)
フェアがアウィリィの身体に触れると、二人の身体は消えていく。
ウィリィンは見失わないように二人に対して魔法を放つが既にそこにはいなかった。
そこで周囲に砂を撒き散らし、空気の流れから何処にいるか特定する。
(っ!?そこ)
に魔法を放つが、当たったのは隠蔽を纏い、二人の造形をしたデコイであった。
デコイは爆発し、煙をまき散らす。
(おい、本命がくるぞ?気を引き締めろ)
煙の中から何かが急接近してくる。
飛んてきた拳をルリィウィンが受け止める。
(ふむ、せっかく隠れたのに煙で動きが分かっては意味がないではないか...
っと既に隠蔽がない、なるほど。フェアがいないな?)
(大正解)
ウィリィンはルリィウィンの言葉にハッとなり周囲を慌てて見渡す。
(これで勝ちぃ)
その言葉と共に上空からフェアが現れ、ウィリィンを蹴り飛ばした。
(ぐべらっ!?)
ウィリィンは身体全身が変形するような衝撃を受け、ルリィウィンの手から吹き飛ばされた。
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