カースト最下位から始まるラブコメ。〜嘘告され弄ばれた俺、虐められっ子陰キャ女子と復讐を果たしたがいつの間にかハーレム形成されてました。〜
望米
第1話.とある二人
初めてだった。
学年一と言われていた美少女。
秋川奏に告白された。
今までクラスのみんなであんなにブタだの学校へ来るな。キモヲタだの。散々言っていた秋川。
怒りが募る中、言われた一言により俺の怒りの灯火は静かに消えてしまう。
「好きだったから・・・。好きだったからつい・・・」
我ながら単純。
初めて女子から告白され舞い上がってしまったのが間違い。
そこで気がつくべきだった。
彼女は学年一の美少女であり俺たちのクラスの女王的存在だ。
彼女に逆らえば即いじめの標的とされる。
しかし教師たちは素行の良い秋川の言葉を疑うことすらせず、こちらを怒鳴りつける。
それを知っていたはずなのに、俺は秋川の告白に舞い上がり、ついOKの返事を出してしまったのだ。
恋は盲目。という事だろうか・・・・・・・・・
◇◇◇◇◇
「秋川が・・・・・・。あの秋川が俺の事を・・・・・」
ベッドの上で枕を抱きゴロゴロと寝返りを打つ、
現在、
学年一の美少女である秋川の言葉が、頭の中で反芻していた。
「好き・・・か。高校二年生の春に。ようやく俺の青春が来たのか・・・」
言葉とは裏腹に震える手。
「でも・・・な」
透は中学生時代からイジりの域を超えたイジメをされていた。
筆箱を隠されたり、上履きの中に画鋲が敷き詰められていたり、バレンタインで貰った義理チョコの中には針が数本入っていたり。
高校に入ってほんの少し落ち着いたが、今でもやはりイジメは無くならず。
用を足している時に上から水をかけられたり、
机はベランダの外に追いやられ、机のあった床には花瓶が備えられていたり。
何故そのようなことを透にするのか。
それは、単純に玩具が欲しいのだろう。
自分たちより下の存在を作ることで優越感に浸ることが出来、自己顕示欲を高めてるんだろう。
自分より容姿が悪い。ブタ。
身長は171センチと低くはないのでいじられることはないが体格的に横に伸びているため小さく思われがちだ。
勉強もできる方だがそれも気に食わないらしく、カバンに着けている好きなアニメのキーホルダー何かを引きちぎられ外に投げ捨てられ、雨の日に外に探しに出たこともある。
季束高校は、県内でも有数の進学校ではあるがそれ故に自分たちの家庭からの重圧や、今まで被ってきた良い子の仮面に耐えきれず、イジメというものにたどり着くのだろう。
頭の良い集団のいじめなのでより姑息でより陰湿。
人に対して、特に女性に対してトラウマが強いので、今回のことも迷ったが。
「それでも・・・あんな表情は・・・ずるい」
上目遣いでこちらを見やり、うるっとした瞳。
白く透き通るような肌に地毛だという明るめの茶髪。
どこをとっても美しく美少女と言うに相応しい秋川の言葉にやられ付き合うこととなった透。
「信じて・・・…みる・・・…か」
この決断が透を地獄に引きずり込む結果となる。
side 美香
私は自分の容姿が嫌いだ。
昔から、この顔のせいでいじめにあってきた。
両親から授かったこの顔を何度切り刻みたいと思ったことだろう。
小学生の頃仲の良かった女子の友達。
『〇〇君が好きなの!』と言われ『応援するよ!』と言ったその次の日。
彼女の好きな人は私にお付き合いを申し出た。
その光景をたまたま目にしていた友達があることない事言いふらし、それは中学生時代まで引きずられた。
更に私は普通の女子生徒より発育が早く、容姿も相まって男子からはそういう視線ばかり向けられ、
女子からは『ヤ〇マン』などのあだ名まで付けられ私に聞こえるような小声で何度も何度も暴言を吐かれてきた。
そして高校。
ここで私は自分の容姿を偽り、敢えて地味な子を演じる事にした。
そばかすを作り、三つ編みにし目元が見えないように前髪とメガネで隠すというみんなの想像するような地味子の格好をして入学した。
が次は容姿でブスだ芋女だ。と言われ、発育の早かった体格でパパ活してるんだろ。などと言われこの前は『秋川』の彼氏と名乗る男から無理やりにホテルに連れ込まれそうになったのだ。
幸いパトロールをしていた警察が、本当に幸いだが助けてくれて秋川の彼氏は高校生ということもあり、カップルのいざこざだと勘違いした警察官は厳重注意をし帰っていった。
もう嫌だ・・・。
悔しい。なんで自分を偽ってまで入学した先の高校でもまた偽った容姿で虐められなければいけないのか。私の顔が悪いの?私の体格が悪いの?
もう嫌だ・・・本当に・・・。
「復讐・・・…。そう。必ず後悔させてやるわ。」
だけどあの彼氏が出てきたら女一人では太刀打ちできない。誰か・・・誰か頼りになる男性の共犯者を・・・。
「共犯者を見つけないと。」
復讐から始まるラブコメ。
これより開幕。
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