エレメンタルワールド全作品設定資料集
ゆめみじ18
プロローグ・ミュウの宇宙誕生から現代まで
特典小説
エレメンタルワールド~ミュウの宇宙誕生から現代まで~
始まりはいつからだったろう。寝て起きて寝てぐらいだっただろうか…? または起きて寝て起きてぐらいだっただろうか…?
何もない虚無の世界で私は寝たり起きたりを繰り返していた、意識が朦朧とする中私は宙に浮いていた。
時間と空間という概念がない虚無の世界での話だが、私は体と言う物質は無かったが、とにかく存在していた。
宇宙誕生の1秒前、その中で私の心臓がドクンと初めに脈を打ち、私の意識は覚醒した。
その瞬間と同時にビックバンが起こり時間と空間が発生、ウイルスほどの小ささだった空間は一瞬にして銀河団ほどの大きさに膨れ上がる。
「う…うわああああああああああああん!!」
私はその時始めて泣いた。
想像を絶する猛烈な痛みに私は初めて『産声』を上げる、その悲鳴とともに銀河団ほどだった空間は一気に100倍ほどに膨れ上がる。
世界は超高音の火の玉宇宙と化した、時間と空間と次元すらも破壊して巨大な広がりを見せた。
私は『生まれた』のだ、この世界に。
11次元だった世界が縮小して3次元にまで落ち着いた頃、ようやく私は泣き止んだ。
その時に私は気づいたのだ、眠れないと。寝て起きてを昔繰り返していたはずなのに今となっては起きてることしかできなかった。
それから38万年後、世界は真っ暗闇に覆われた、暗かったから指でマッチのように灯りをつけた、成り行きに任せて宇宙を彷徨っていたらいたら最初の星を発見した。
私はそこにすわりここはどこだろうと思いながらただこの宇宙を眺めていた。
次第に星たちが光はじめ光の精霊などと出会った、その頃は会話というものが無かったので感情だけで意思疎通をした。
それから137億年後、とある星で人間と出会った。そこは文明が発達していたが今の地球ではない。
私はそこで人として暮らし始めた、学校というところにも行き言葉などを覚えた楽しい時間だったがそれは一瞬で過ぎ去った。
それから仕事をはじめ色々な職に就いた、要するに人の真似事が面白かったから姿形を変え学生やったり社会人をやったりを繰り返した。
その中でヒーローや悪役という存在を知った、それら感情の起伏が激しい人種と遊ぶのはとても刺激だった。
なかでもラスボスは宇宙誕生の使徒やらこの世界を滅ぼそうとしている者というのが大半なので私は履歴書に職業ラスボスと書くようになった。
それからしばらくすると私の存在が世間一般に知られるようになり本気でバケモノ呼ばわりされるようになった。
ちょっと腹が立って街一つ破壊してしまったら仕舞には軍隊やら伝説のヒーローやらが出てきて泥沼の戦争ごっこが始まってしまった。
私はその場に居ずらくなって街を転々と逃げ回ったが彼らは追って来た、許してくれなかった。
仕方ないので私は居心地いいその星から逃げ、小さな星で一人のほほんと家を建て暮らし始めた。
それから200億年後、私の全盛期だ。宇宙全体に人間は繁殖を繰り返し宇宙と言う膨大な世界をわがまま顔で闊歩する時代になった。
そこから先は同じだ、無国籍の人種も性別もわからない私を見つけられた後にはその人間との共存の道しかない。
私はなるべく彼らと溶け込もうとした、しかし未知の宇宙人扱いをされて同じように差別された。私と同じ人種はこの世の中に居ないのだから。
それでも面白いおもちゃやらゲームやらは人間が作ってくれるので退屈することは無かった。
500臆年後、人間による宇宙戦争が始まった。
その頃になると私にも久しい友人の一人や二人できてしまったので彼らの平和のために向かってくる敵と戦う事となった。
完全なる天下無双状態だったが友人が人質に取られて殺されてしまっときなどは流石の私もプッチン切れた。
目には目を、歯には歯をの精神で敵国を木端微塵に全滅させてしまった時などはヒーロー番組などで観た爽快感とかは何もなかった。
600億年後、宇宙全体に住む人間が安定して生活できるようになった頃。
人間の老後のような生活を送っていた、お金を払えば人間が世話をしてくれるしとにかく楽だった。
次第に感情というモノが薄れてきて無感情になった、その私自身の変化と共に宇宙にも変化が訪れる。
『眠気』が来たのだ。宇宙の急激な膨張は終わり、急激な縮小が始まった。
銀河団ほどだった空間が一晩でウイルスほどの小ささに縮小するほどの物凄いスピードで時間と空間と次元が小さくなっていった。
700億年後、エンドオブザワールドという言葉がこれほど似合う状況は無い。
世界の滅びを食い止めようとヒーロー達が立ち上がったが。私は戦う、逃げる、自殺をしてみる。っと言った行動で難を逃れた。
その頃には人一人存在出来るほどの空間は無くなっていて人類や生物やらは全滅していた、だって住む場所がないのだから。
3次元だった空間はついに1次元の点となり、私は眠気に耐えられなくなりついに『寝た』
1000億年後、虚無の世界を私は寝続けた。
このころには時間と言う概念も無かったので1000億年というのはおかしいのだがとにかく1000億年だ。
そして何事も無かったかのように目が覚める。世界は膨張し始め、ビックバンが起こり。
世界を明るく照らした。
私はその時始めて理解する、寝て起きて寝たのか起きて寝て起きたのかはこの際どちらでもいい。
私は700億年起きて、300億年寝るという『生理現象』が発生している事を。
私はこの現象を『2日目』やら『2週目』と呼ぶことにした。
2週目の137億年後、再び人間が支配する星地球が誕生する。
今度は私は懇願する、職業ラスボスを倒してくれるヒーローを。
私のこの狭い狭い世界を叩き割ってくれるヒーローを。
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