第20話 爽快な目覚め ★リオ SIDE
フッと気持ち良く目が覚めた。起き上がり、んーっと背伸びをして周りを見渡していると、ベッドの軋む音に気がついたらしいリリアンヌが「リオお嬢様?」と声を掛けてくれた。
「カーテンを開けますね?少し眩しいですよー」
マリーがカーテンを開けると、晴れ渡った青い空が見えた。
「おはようございます、リオお嬢様。お顔のお色が戻られましたね!安心致しました」
「おはようございます!本当に良かったですー!直ぐにカミル殿下をお呼びしますね!」
「ま、待って!汗を流して着替えてから会いたいわ」
慌てて止める私を見て、リリアンヌとマリーはとても良い笑顔で頷く。
「そうですわね!気が利かず、申し訳ありません」
「すぐに入浴の準備をして来ますからね!」
何だか居た堪れない気持ちになり、頬を染めて俯く。カミルへの気持ちに気づかれてるのか、甲斐甲斐しく世話をするカミルを見ていたからか、2人の視線が生暖かく感じるのよね。
何日も寝ていたからか、まだ少しフラつくが、なんとか入浴を済ませて着替えた。昨日までが嘘のように頭がスッキリしているわ。
カミルにも、デューク様にも迷惑を掛けてしまったわね。午後にでもお礼とお詫びを言いに行こうかしら。
頭がスッキリしてるのに、何となく体が重く感じる。朝食をしっかり食べれるようにと、疲労回復魔法を自分にかけてみる。お腹の中から、ブワッ!と白く輝いた。
「えぇっ?!」
慌ててキョロキョロするも、侍女達は丁度席を外していてホッと息を吐く。何が起こったのか分からないが、ステータスを確認すべきだと何となく思った。
んー。今確認して中途半端にソワソワするのは嫌よね。朝食を食べてから、カミルに会えないか聞いて貰いましょ。何となくだけど、私1人で見るべきでは無い気がするのよね……どちらにしろ、疲労回復魔法をカミルにかけて、同じように光るのかも確認してみたいわ。
リリアンヌが朝食を持って来てくれた。この後カミルに会えるか聞いて来て欲しいと頼むと、マリーが満面の笑みで「喜んで!」と部屋を小走りで出て行ったのだった。
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