第4話 オンラインゲーム

 高槻市は京都市と大阪市との中間に位置し、二大都市のベッドタウンとして発展している。市章も、大阪市と京都市の市章を融合させたデザインとなっている。高槻藩時代には内藤家、土岐家、松平家、岡部家と藩主が変わり、徳川将軍家と近しい譜代大名の直清流永井家で定着、以後幕末まで222年間藩を治めることになる。平地では工業地帯が広がり、山間部では農業が盛んである。中心部の都会的な街並みと、原や樫田の農村風景を併せ持つ町として「とかいなか」を自称している。


 葛城烈は、平凡な派遣社員としての生活を送っていた。高槻市のビル群に囲まれたオフィスで、彼は淡々とデータ入力や書類整理をこなす日々を送っていた。しかし、そんな彼の日常が一変する事件が発生する。


 ある晩、烈が帰宅途中に偶然目撃したのは、大手企業の役員たちの密会。彼らが話している内容は、利益追求のための不正や裏取引の計画だった。烈は最初こそそれを見過ごそうとしたが、次第に彼自身の派遣元であるその企業が関与していることを知る。


 数日後、彼の同僚の一人、湯川雅治が、何者かに脅されているのを目撃。さらに調査を進めるうちに、烈は企業の内部文書を手に入れてしまう。それには、不正の証拠が詳細に記されていた。彼はその文書を持ち帰り、どうするべきか悩む。


 烈は、自分の普通の生活を脅かすこの危機に対処するため、信頼できる友人である上司の松本に相談することに決めた。松本は企業内部の事情に詳しく、烈の話を真剣に受け止めた。「このまま黙っているわけにはいかない。私も一緒に手を貸す」と彼は言った。


 二人は協力して、情報を整理し、証拠を集め、さらにはメディアに暴露する準備を進める。しかし、彼らの動きが企業側に察知され、烈は脅迫される事態に直面する。夜中、無言の圧力をかける影が彼の背後に迫り、何度も警告を受ける。


 それでも烈は諦めず、勇気を振り絞り、最終的に記者に接触。事件を報じるように頼む。報道がなされると、企業は世間の非難を浴び、内部調査が行われることに。しかし、烈自身の身は危険にさらされていた。


 彼は、警察に相談することを決意し、証拠を持って出向く。警察は彼の証言を重く受け止め、捜査を開始。企業の不正が明るみに出ると、烈の行動は社会的な注目を集め、同時に彼の生活も大きく変わる。


 結果的に、企業の不正は告発され、数名の役員が逮捕されることに。烈は普通の派遣社員から、企業の不正を暴いた勇気ある市民として評価されるようになる。彼の人生は一変し、今後は自分の意見や行動が大切であることを痛感し、新たな道を歩み始めるのだった。


 数年後、烈は日々の忙しさに追われ、心のどこかで何かが欠けていると感じていた。ある日、仕事のストレスから逃れるため、友人に誘われて参加したオンラインゲームの世界に没頭する。


 そのゲームは、プレイヤーが集まり、謎を解きながら進むサバイバルホラー。彼はチームを組み、仲間たちと共に困難を乗り越えていくが、次第に彼らの間に奇妙な不安が広がる。ゲーム内で起こる事件が、リアルな生活にも影響を及ぼし始めるのだった。


 ある晩、ゲーム内で仲間の一人が突然姿を消す。最初はバグかと思われたが、他のメンバーも次々と消えていく。葛城は、仲間たちが一人ずつ失踪する理由を探るうちに、彼らの過去や秘密が明らかになり、次第に自らの内面とも向き合わせられる。


 葛城は、ゲームのルールが実際の人間関係に影響を与えていることに気づく。彼は、仲間を救うため、真実を追い求めるが、同時に自分自身の孤独と向き合うことになる。果たして、彼は仲間を救うことができるのか、そして自身の心の闇を乗り越えることができるのか。


 葛城の冒険は、自己発見の旅でもあり、友情や信頼の意味を問い直す物語となっていく。最後に、彼は仲間との絆を取り戻し、真の自分を見つけ出すことができるのか。

 

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