第37話 12月22日日曜日【はるかの続き】
12月10日火曜日
今日は雪が降りました。
例年より少し遅いかな? いきなりのボタン雪に、慣れているはずの出雲の人たちも混乱しているようで、今日は遅刻してくる子も多かったです。
この時期になると、クリスマスやお正月が控えているでしょう?
子供たちもそわそわと落ち着きを失くしてしまう時期なのです。
なので、気を引き締めるために小テストをしたり、他校との遠隔授業をしたり、いろいろと工夫してはいますが、なかなか上手くはいきません。
たった二週間の冬休みとはいえ、子供たちにとっては楽しみでしかがたないのでしょう。
クリスマスプレゼントやお年玉を貰う子も多いですから、何が欲しいとか、何を買いたいとか休憩時間の話題はもうそれだけって感じです。
透明な人たちって元々はヨーロッパ? だとするとクリスチャンなのかしら。
じゃないとしても、何かしらの宗教みたいなものは存在するのですか?
我が家は典型的な無宗教家庭で、お葬式だけはこの辺りで一番多い神道です。
ディアファンさんは知っていると思うけれど、出雲地方って精進落としはお赤飯で、会葬返礼はあんぱんっていう決まりがあります。
私は子供の頃からこれしか知らないので、不思議とも思っていなかったのですが、他県から赴任してこられた先生が、祖父の葬儀の時に目を丸くして驚いておられました。
なんだか縁起でもないことばかり書いてしまいました。
ごめんなさい。
忙しくしていれば大丈夫なのですが、少しでも時間が空くと「ディアファンさんは今頃どうしてるのかな」って考えています。
会いたいって言っても物理的に会えないけれど、ディアファンさんを身近に感じることができない時間がとても寂しく思えます。
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12月20日金曜日
今夜も雪が降っていて、とても寒いです。
あと5日で冬休みが始まります。
子供達の宿題プリントもできたし、成績表も作りました。
今日は少し友達と会ったりして、久しぶりに心から笑ったような気がします。
そう言えば、新年度から奈穂美がこちらに来るそうです。
千葉県の教職員なので、一旦退職することになりますが、島根県を受けなおすかどうかはまだ決めていないと言っていました。
最近は下手に学校教諭をするより、塾の講師や家庭教師などの方が給料が良いと聞きます。
もちろん仕事は給料で決めるわけではありませんが、多い方が嬉しいですよね。
もし奈穂美が帰ってきたら、一度3人で話をしませんか?
もちろんお友達を誘って下さっても構いませんし、もしランプシィーさんならいろいろお礼も言いたいと思います。
話はかわって、学校のことです。
公立小学校では、1年と2年、3年と4年そして5年と6年というように、卒業までに3回のクラス替えがあります。
馴染めない子は2年の長きにわたり、耐え続けることになりますから、クラス替えの時期は教職員全員が緊張しているのです。
何度も何度も会議を重ね、ベストでは無くてもモアベターなクラスわけを目指すのですが、こちらを立てればあちらが立たずで、頭の痛い作業です。
実はこのクラスわけ作業って、年明けから始めるんですよ。
約二か月もかけて模索するわけです。
私は今のクラスの持ち上がりですから、去年ほどの苦労は無いのだろうと思っていますが、果たしてどうなのでしょうね。
あれから百葉箱のところで声が聞こえるということはありません。
きっと私の空耳だったのでしょう。
なんだかずっと一方通行でしょ?
ちょっと落ち込んだりしています。
ディアファンさん、早く帰ってきてくれないかなぁ……寂しいです。
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