第3話 信仰の冒涜

あ??しさいさま…?………司祭様?かwww?司祭とは確か……あの……宗教の中の地位を表す言葉のあの司祭さまww、いや、笑い事ではないかあの嫌そうな声は………あ~……と…いうことは…ま〜、とりあえず………。


「オギャーー!!オギャーー!!オギャーー!!(神様ありがとうごさいます!!助かりました!!神様!!)」


これで助けなければ少なくともこいつは…この神父……いや正確にはこの司祭は神の不興を買う!!神はこの司祭が捨て子を助けると信じてる、なのにこの司祭が僕を助けなければ自分を信じる信者が神のいや、自分いや…自分たちの顔に泥を塗ることになる!!自分を信仰する者が自分の顔に泥を塗るwwどんな感情だろう!!神様は!!


「あの……司祭様?…赤子の鳴き声が聞こえますが?どのようにいたしますか?」


そう…シスターだろう…女性が司祭に聞いた。

ま〜、シスターの声のトーンから少なくとも現状は、孤児を助けられるだけの余裕があるのだろう……少し残念ではあるが同時に安心もした。

よくよく考えれば神に恥をかかせるためだけに僕、自身が死ぬ可能性……いや…たぶん司祭に助けてもらえなかったら僕は死ぬか?そう考えれば助かる可能性があって良かった!!たださっき司祭が嫌そうな声を出したのが少し…うん……少しだけ怖い…助かるよね?僕?大丈夫!きっと大丈夫!

大丈夫だよね?神様?お願いだよ?神様、僕こんな所で死にたくないないよ!


「………いや…助けない…この赤子はこの近辺の人間の顔立ちとは違うし…それに……冬になって捨て子がでた場合…この赤子を助けて助けられなくなったら困るし………それにガキを助けるために金を使いたくない(小声)」


は?は?おい!これはどういうことだ神様!!僕がそんなに嫌いか!!なあ、神様!!僕には神様に嫌われるような覚えは……!

いや…散々、苔(コケ)にしまくったり侮辱しまくったような………。

いやきっと神様は優しいから助けてくれるはず!!ねぇ!!そうだよね!!!ねぇ!!


「……!?待ってください!司祭様!この赤子を助けないのですか!!少なくとも現状、献金や領主様からの寄付の総額、等(など)から考えてもこの捨て子を助けてもまだ余裕があるはずですよ!!なのに何故……!」


「黙れ!」


ヒッ……、こ、こいつなんなんだよ…シスターさんが話してる途中に怒鳴って…、

………というかこの話の流れだったら僕、助からない!?え?ウソ?、本当?……あぁなんでこんな……神様にあんな態度とったから?……いや…、神様じゃなくて天使か……あぁ……ハハ……あぁ…そうか……そうか…ま〜、そうなのか…僕は助からないのか?………ハハハハハ……あぁ……そうか…ハハハハハ……


「あ…あの…司祭様?教会から我々が課せられている役目は赤子に限らずですが捨てられた…捨てられてしまった子供達を助け………保護することですよね?だというのに助けられる余力がありながら助けないというのは………」


ハハハハハ…僕は役目に背いてまで助けたくないと思われるような人間なのか…ハハハハハ……


「黙れ!とにかく…この赤子は助けない!!(いつまでもこんな地方に居たくないしな……司教様に袖の下を送るためにもどうでもいいガキなぞ助けていられるか……俺は俺が大事だからな)そんな余裕はない!!とにかく教会に帰るぞ!!」


ハハハハハ…神、死ね…死んでしまえ………いや…冗談…う…そ…嘘…だよ?………


「クッ………、待って!待ってください!!なら今、ちょうど私達が持っているヤギのミルクをこの赤子に飲ませてあげましょう!?それは…いいですよね………?」


ハハ…僕、ミルク貰えるかもしれない?………まー貰った所で遅かれ早かれ僕、死ぬだろうけどね………ハハハハハ…最後くらいは楽しい気持ちで死のう………ハハハハハ


「グッ……(どうせすぐ死ぬガキにミルクを与えてけてどうなる!?まぁいい……これぐらいしなければこいつに不信感を抱かれる……困りはしないが…少々面倒だ……)あぁ…わかった、そうしよう、そうだな…君がこの赤子にミルクを与えてくれるかな?」


あぁ………そうか……ハハ、僕はミルクを貰えるのか……ハハハハハ


「はい、ご一考いただきありがとうごさいます、司祭様、私がこの赤子にミルクをあげますね(この人にはミルクをあげて欲しくありませんし…今後この司祭様と、どう関わっていきましょうか………)」





ガサゴソ ガサゴソ ガサゴソ………





ハハハハハ……やったー、これで少しだけ長く生き延びられる!


「キャッキャッキャッキャッ(ハハハハハハハハ)」


本当にどうでも良くなったから両手を上げながらそう反応した。


「クッ……ハァ~………ミルクを飲みましょうね〜?」


そう苦笑いしながら近寄ってきた。


「ダァー……キャッキャッキャッキャッ、キャキャ(ハハw…もうどうにもならないよねw神様…w)」


「はい、温度は…大丈夫でしょう……はい、飲もうね〜」


ハハハハ……飲み物…というか食べ物というか…を食べられるのもこれが最後か…いやwこの場合転生してから食べ物を食べたのは最初だから……これで食べ物を食べるのは最初で最後か………って言うべきかww


キャッキャッニコニコ、ゴクゴク


「(こんなに小さい子供を………司祭様さえその気になれば助けられるのに……見殺しにしなければならないのか………)そんなに急がなくてもミルクは逃げいよ〜〜〜」


ハハ…ミルク美味しかった〜………よくよく考えたら小学生の時以来牛乳飲んでないからこの牛乳…いや…ミルクが美味しかったかは判断できないかww絶望感で精神的に追い詰められていたからなのかなんとなくシスター?の女性の指を掴んだ………ハァ………何故か僕、少し精神が幼児退行してるな………。


「あぁ~…ちょと手をどけてね?…今からゲップさせるから………」


そう言ってシスターさんがゲップさせてくれようとして。


「………ゲップッ……………………ゲップッ………」


ゲップをできた…は〜、スッキリ!………ただ…そうか…これでこのシスターさんは帰ってしまうのか……あぁ………、本当に……僕は………孤独に死ぬのか…………。

そう思ったらシスターさんに手を伸ばしてしまった。


「ッ………ごめんねっ?……運良く…誰かに拾われてね?……」


ガサゴソ


そう言ってシスターさんは司祭さんの下へ向かった。


「…もういいですか?…助けられないのに赤子の近くにいても辛いだけでしょう?もう帰りますよ?」


そう、心底安堵したように司祭がシスターに言った。


「はい………」


ザッ ザッ ザッ ザッ


そうシスターさんが答え孤児院に帰って行った。



司祭とシスターさんが立ち去ってから少しして………。





ジジジ…………ザザザ…………





「あ~、さっきぶりだね………、さっき連絡した天使なんだけど………君どれだけ不幸なの………いや…こっちの言えたことではないんだけど………あ〜………とりあえず今後の君に対するこちらの対応を話すよ?………いいかな?……しっかり聞いてね?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る