木霊

畳に 仰向いたま ・ ま足を柱に もたげるぼくは、

いとこのそこかしこにいたその残像を追う。

残り香の ようなもの,

が ただよう客間で・

ぼくはいもうと と母と たったさんにんで、

かわのじになって眠る)

空っぽの ベビーベッドのなかで、

赤ん坊がないている;

その残響

がぼくの鼓膜を。



きのう・

ぼくと いとこといもうと は林のなかへと入る。

そのなかの冷たい空気に身震いをするいとこを笑ういもうと。

地上から乱立する無数の木々。

したから見上げる空はその範囲も狭く暗さが辺りを漂う。

「もうかえろうよ」

きもだめしに音を上げたいとこ。

「Yがおうちでまってるよ」と自分のいもうとをだしにして是が非でもかえろうとするのを、ぼくのいもうとは笑う。いくじなし・J

こっちに来・

来・なさあい

とこえ を上げるおばのいる方を向く とほっとした かおのいとこは、,



そうしていとこの帰った後の客間)



いとこのなきさけぶような奇声を耳に・木霊する・



人数のすくなくなったダイニングテーブルで。

たしかにそこにおばが座ってミルクを赤ん坊に傾けていた椅子は,

ぼ くが すわるとそ の かるさに もてあます:

ぼくらとおばあちゃんとでまるく囲むテーブルのうえに、ひるまのたべのこしのちらしずし。



「ねえ、これわすれてったよ」

と手にしたガーゼは赤ん坊の名前がはいったハンカチで

いもうとはそれを

鼻にもってくるそ

れはミルクのこぼ

れるのもふいてい

たしろいガーゼで


「ちょっとしめっぽい」と眉根をよせるいもうとはそれを・・



)アウトロも木霊する)))



ぼくらは遠い土地のおばあちゃんの住んでいる町を離れる。

空にはちり取りで集めたような星屑が一面に。

ぼくの家に落ちてきそうな塵のひかり。

ヤマボウシの白が浮かぶ。

ぼくは 掌を握 りし・める。

その指先には詩。

心臓まで辿っていって。

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