同棲生活、始めました。

鬼ケ原龍左衛門

第1話 同棲スタート

「今日からここで新しい生活をするのかぁ!」



と言いながらアパート見上げる。安い割にはかなり良い場所だし綺麗だ。そして広い!しかも駅からも近いし、商業施設も近かくて立地条件としてかなりいい場所だ。



「荷物置いたらご近所さんにあいさつだな。」



俺は高橋裕司。今年の4月から高校生になる。特徴としては陰キャでも陽キャでもない、至って普通の男である。何故俺が、一人暮らしを始めようかと思ったのかと言うと、学校から近い所に住みたいってのと社会人になるための練習と思い、一人暮らしを決断。今日から一人暮らし生活スタート。将来に向けて頑張るぞ!



「俺の部屋は…501…よし、ここだな。」



俺はガチャンと勢いよくドアを開けた。何故か女性物の靴が置かれてある。誰かいるのかな?荷管理人さんか?と思い恐る恐る部屋の中に入った。



「え?」



相手と同時に声が出た。管理人さんじゃない…



「今日からここで住むことになってる者なんですが…あのー、どなたでしょうか?」



女性がいたので、恐る恐る聞いた。



「誰!?!? 不審者!?!?……ん?え?もしかして…ゆうくん?」



「ゆうくんって…まさか、みーちゃん!?」



何故かそこにいたのは中学時代の幼馴染で付き合っている、渡辺美乃里がいた。彼女は親の転勤で中学2年になるタイミングで隣の県へ転校してしまった。しかし、会えない範囲ではなかったので、休みの日とか会える日は遊びに出かけていた。受験でここ1年位は会えていなかった。



(前々から美人だとは思っていたが美人にも限度ってもんがあるだろって言いそうになる位綺麗になっている。昔からクラスのマドンナ的存在だったからな…だけどこれは何でも綺麗になりすぎやろ…華奢な体してるのに出ている所は出て…って何考えてるんだ俺は…煩悩退散ッ煩悩退散ッ!!!)



「ちょ、何でこんな所にいるのよ。」



「いやいや、こっちのセリフだわ。俺、今日からここに住むことになってるんやけど…」



「え???私もここで住むことになってて、もうハンコとかその他諸々押しちゃってるんだけど…」



「え、ちょっ…どゆこと???」



「私にも分からないわよ…一回管理人さんに聞いてみたら?絶対その方が良いよ」



「その方が良いよな。分かった。ちょっとここの管理人さんに確認してみるわ…」



確認した所、彼女がこの部屋で住むための契約書にサインをしたが、管理人さんのミスで部屋を借りる事が出来ていなかった。その事を忘れた状態で数日後に俺が契約して名義が裕二の名前になっていたらしい。



(おいおいおい…どーすんだこれ…ここら辺で部屋ってここしか空いてないし、だうすんだよ…)



「みーちゃんさ…今確認したんだけど、管理人さんのミスで俺の名義で借りられてるらしい…」



「え〜〜〜〜〜〜!?!?!?ちょっとどうするのよ!!!」



なんて話をしていたら裕二の父親から連絡が。



「もしもし〜裕司?俺だ。ちょっと話しいいか?」



「親父、今それどころじゃ…」



「わーってる。どうせ家の事だろ?美乃里ちゃんと今いるのも把握してんだよ。」



「何で分かるんだよ。」



「今朝な、出勤前に管理人さんから連絡があってな、管理人さんのミスで本来であれば美乃里ちゃんがこの家に住むはずが契約上お前が住むことになってしまったっていうことを聞いたんだ。美乃里ちゃんの親にも連絡はしたらしい。それでな、さっきまで美乃里ちゃんの親と連絡を取り合っのよ。結果、これからまた部屋を探すのも面倒だからっていうので2人で住んでも良いのでは?っという結論に至ったんだよ。しっかり承諾は得てるから安心せぇ。」



「ちょっと待ってよ親父、2人で住むって同性だったらまだ分かるけど、年頃の男女でしかも相手は彼女だぞ。 何かあったらどーすんだよ。」



「お前はチキンだから何も起きねぇよ。あ、そうだ。美乃里ちゃんにも家の事について俺から話しとくから変わってくれる?」



「あぁ…分かった…お願いするよ…」



そうして美乃里に電話を変わった。



「あー、もしもし?お久しぶり。裕司の親父だよ。」



「おじさんお久しぶりです。家の件ですよね…?………」



親父と美乃里の二人が電話している間に管理人さんが家に来た。



「本当に申し訳ないことをした。高橋さん。私がこのようなミスをしていればこうなっていなかったのに…」



「まぁ、誰にでもミスはありますから。他の人にはこうならないようにして下さい。」



まぁ、ミスしてしまったのなら仕方ない。誰にでもミスは起こり得る物だから、切り替えてまた1から借りれるところを探そう。多分嫌だって言いそうだし。



「ありがとう。心が広いのぉ。それであのぉ…お詫びとして…」



美乃里と電話していた親父が管理人さんに電話を変わりたいとの事で電話を変わった。



「ゆうくん…一緒に住むことにしたよ。これからよろしくお願いします///」



「え、まじ!?まぁ宜しくね。けど、俺と一緒に住んでも良いのか?何かあってからだと遅いぞ?」



「その時はその時!なんとかなるよ!」



と言いながら始まったこの俺、高橋裕司と渡辺美乃里の同棲生活が始まったのである。今後の学校生活が心配だ…



両親と管理人さんの和解と承諾を得て今日から同棲生活がスタートしたのだが…めっちゃ緊張する。。。やばい心臓バクバクだ…男としてしっかりしないと…

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