4 AIの意義と用途

追加イラスト6:

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093080396850442


従来は人間にしかできなかった知的活動の本質的部分、

すなわち一般法則の発見と応用による課題解決を、

機械が支援・代行できるようになるというのは、

全く新しい分野を開拓する技術革新です。


しかも、電算組織コンピュータシステムの演算・記録・通信能力は高いので、

その学習能力は人間よりも桁違けたちがいに大量高速であり、

同様の事例があれば忘れることなく迅速的確に法則を適用し、

学習内容を他の電子頭脳に広めることも簡単確実です。


小規模電力を集めて広域安定供給するにはどうしたらいいか?

どうすれば必要な性質を持つ物質を見つけて、作れるか?

事故や渋滞を防ぐため、どう運転や交通を制御したらいいか?

ある内容を他の言語で伝えるには、どう翻訳したらいいか?

人間同様の仕事ができるロボットを、どう作り動かすか?

顧客満足と収益を増すには、どんな商品や販売法がいいか?

人々の心を癒す絵画や音楽、文学作品をどう作ればいいか?

人々の生活や健康の改善のため、どんな助言をしたらいいか?

難病を治すため、どう新薬製造や遺伝子治療を行えばいいか?

どうすれば子供達の個性に応じ、進んで学ぶ教育ができるか?

国民の満足度を高めつつ行政費用コストを下げるには、どうするか?

それらに必要な法則を発見・適用して課題を解決するのです。


こうした機能を持つ人工知能は、

人智を越えて拡大・複雑・加速化し続けていく

技術や政策、経済・社会活動という文明活動を

運用していくうえで、必須の技術だと思います。


想像力イマジネーション創造性クリエイティビティといったものが、

何か人間に特有の神秘的な属性と考えてきた私達にとって、

それが機械で再現でき、さらにはより良く行えるというのは、

自己同一性の危機アイデンティティー・クライシスさえ招きかねない衝撃的な事実です。


しかしそうした、人間が特別な存在であるという見方もまた、

私達の自己保存本能からくる認識の偏向バイアスなのかもしれません。

実際にAIは今、これまで人間にしかできないとされた

様々な仕事で、大きく活用され始めています。


そもそも生物とは、太古の地球で生まれた有機分子が

時々ときどきの環境に応じ変異や淘汰を繰り返してきたものにすぎず、

悠久ゆうきゅうかつ広大な大宇宙にあっては、流れに生じては増え、

消えてゆく泡沫うたかたのような存在にすぎないのかもしれません。


私達は、人間もまた高度な知性を持つとはいえ、

一定の自然法則に従う生物の一種であり、

その活動は技術によっても代行できるのだと認める

謙虚さをもつべきであろうと感じます。


そのうえで今のところ、高等知的生物は私達だけである以上、

AIを使い損ねて失敗しないよう自分達をも高めつつ、

創った技術はあくまでも私達自身のために活かすのだという

開き直り(笑)、あるいは覚悟を持てばいいのだと思います。


この作品の表紙もAI生成ですが、それに資料を学ばせたり、

画像を作らせて提供してくださったのは人間です。

そして私もこの作品が、人間がAIを活用して栄えるための

一助になれたらと願いつつ、画像を使わせていただきました。


人間の二大特性である限りない想像力イマジネーション欲求ニーズは、

知性と人間性を通じて、技術と政策を生みました。


図3 人間・文明相関図:

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093080174443148


合理的推論から完全な空想に及ぶ広義の想像力は、

経済・社会活動を助ける自然科学的技術と、

制度・政策を助ける法律概念や貨幣価値といった、

制度的擬制フィクションを含む社会工学的技術を可能にします。


すると複雑化した社会活動は本能だけでは営めず、

人間の欲求を可変化・多様化します。


そうなるとさらに、無制限化した人々の欲求は、

現技術下で経済・社会活動を助ける利害調整政策と、

その限界を突破するため科学・技術を助ける

新技術導入政策を必要とさせます。


そうした技術と政策による文明発展の中で、

少なくとも現在のAIは想像力(知性)と

技術の部分を代行支援するものにすぎません。


生存本能を中心とした多様な欲求(人間性)や、

それに基づく政策の最終決定はあくまでも、

人間自身が担い続けるべきものと考えます。


追加イラスト7:

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093080396935110

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る