2 画期技術とは

追加イラスト2:

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093080396686200


では、文明発展上の画期技術とは何でしょうか?

それは経済・社会活動を変革し、制度・政策までをも変えて、

文明の発展段階を分ける……つまり〝社会を変える〟技術です。

以下では画期技術について、

私的文明論〝文明の星〟理論(仮説)にもとづき、

他の様々な技術や政策との関係も含めて考察します。


この理論では〝知る・する・決める、ヒト・モノ・環境〟という六つの要素から、文明の構造しくみ機能はたらきを説明します。

この六要素を詳しく言うと、科学・技術、経済・社会活動、

制度・政策、人的資源、物的資源、自然・社会環境です。

(以後は技術、社会活動、政策などと略すことがあります。)


文明の要素(エレメンツ):

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093089817680164


文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動ですが、

自然から富を得て、それを豊かにするのが科学・技術であり、

人々の間で富を分け、それを健全に保つのが制度・政策です。

技術と政策は、社会活動を助ける文明の両輪といえます。


しかし、技術の利用には物的資源への具現化、

政策の実現には人的資源の確保が必要です。

また、現代の先進的な科学研究・技術開発には

多くの資金などを要し、政策的な支援が必要ですが、

そのようにして政策が新技術を導入する際には、

資源・市場などの自然・社会環境が必要条件となります。


以上6つの〝文明の要素エレメンツ〟から文明を説明するのが、

〝文明の星〟理論(仮説)です。

ご興味がおありの方は、『文明の星』シリーズなども

ご覧いただけましたら幸いです。


この理論からみると、技術は社会を豊かにし、

政策は社会を健全に保つ、文明の両輪といえます。

その経路ルートは他の要素との関係で次の4つずつあり、

これを〝文明の構造システム〟ということができます。


文明の構造(システム):

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093089818600351


(1) 直接ルート:

多くの他技術を高めて文明社会の段階を分ける、

農耕、動力、電算、AIなどの画期技術。

社会に直接働いて生産投資と互助配分を最適化する、

産業振興、社会保障などの経済・社会政策。


(2) 間接ルート:

画期技術を利用するため必要な物的資源へと具現化する、

土建、電機、光電、応用情報工学インフォマティクスなどの実現技術。

政策実現に必要な人的資源(国民の健康や教育)を得る、

保健、教育などの人的資源政策。


(3) 自助ルート:

技術自体の生産性を高める研究・開発技術。

政策自体の健全性を保つ行政管理政策。

※技術も政策も、広い意味では社会活動に含まれるので、

こうした経路があります。


(4) 互助ルート:

政策の生産性を高める社会工学的技術。

技術の健全性を保つ技術的政策。

※技術的政策の具体例は、資源・環境政策や

社会基盤インフラ・防災・防犯・国防政策です。


技術が進むと、社会活動は拡大・省力・複雑・加速化します。

すると、利害調整のために新たな政策が求められ、

政策は領域国家の発展や国際化のように広域化する一方、

民主化・自由化・地方分権・人権増進など分権化します。

また、ある技術段階で利害調整政策を極めると、

その限界を越える次世代技術導入政策が求められます。


技術→社会→政策→技術……の順で進むその変化は、

〝文明の循環サイクル〟と呼ぶことができます。


文明の循環(サイクル):

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093089818663709


そこでAIは農耕・動力機関・電算機に続く画期技術として、

すでに国の技術的政策であるSocietyソサエティー5.0

(狩猟・農耕・工業・情報社会に続くAI社会をめざす)や、

行政管理政策を初めとしたDXデジタル・トランスフォーメーション政策

(行政から社会へと情報社会完成・AI社会建設を広げる)

により、導入されつつあると考えます。


さらに、スマートグリッド(技術的政策)、

マイナンバー(行政管理を含む総合政策)、

データヘルス(保健政策)やEdtechエドテック活用(教育政策)、

スマート/スーパーシティ(総合的な地方自治政策)

といった他の様々な政策も、AIの導入で可能となり、

または導入を前提にした政策といえると思います。

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