第8話 響!親猫の大捜索で店内大騒動
高級クラブ「グランドオペラ」に、突然一匹の子猫が迷い込み、店内は大慌てになる。オーナー兼トップキャストの西園寺麗奈、執事の白鳥龍之介、そしてボーイの涼宮響は、その理由を探ることになる。実は、キャストの一人が可愛いと思って連れてきた子猫だったのだが、その親猫が子猫を追って店内に現れ、更なる混乱を巻き起こす。
「麗奈さん、大変です!猫が店内に入ってきました!」響が息を切らしながら麗奈に報告する。
麗奈は驚きつつも冷静に対処する。「猫?一体どこから…響、すぐにその猫を見つけ出して外に出してちょうだい。」
響は慌てて店内を駆け回るが、猫はすばしっこく逃げ回り、キャストたちも大混乱に。
「うわっ、そこだ!待って!」響が猫を追いかけるが、ドジを連発。カーテンに引っかかり、テーブルにぶつかり、さらには掃除用具入れに頭を突っ込んでしまう。
「いたた…またやっちゃった…でも、この猫、どこから来たんだろう?」
その時、龍之介が冷静に状況を把握し、キャストたちに落ち着くように指示を出す。
「皆さん、落ち着いてください。猫はすぐに見つけ出します。響君、もう少し慎重に動いてください。」
響は頷き、「はい、龍之介さん。気をつけます。」
やがて、猫がクラブの奥の部屋に逃げ込んだのを発見した響は、ゆっくりと近づき、猫を抱き上げることに成功した。
「よし、捕まえたぞ。可愛い子猫だな…」
その時、キャストのミカが慌てて駆け寄ってきた。「あ、響君!その猫、実は私が連れてきたんです。あまりにも可愛くて…ごめんなさい、騒ぎになっちゃって。」
麗奈はミカの言葉を聞いて眉をひそめた。「ミカ、クラブに動物を連れてくるのは禁止よ。どうしてこんなことをしたの?」
ミカは涙目になりながら、「すみません、麗奈様。ただ、この子があまりにも可愛くて…ちょっとだけ連れてきただけなんです。」
麗奈はため息をつきつつも、優しくミカを諭す。「ミカ、気持ちは分かるわ。でも、クラブの規則は守らなければならないわ。次からは気をつけてちょうだい。」
ミカは深く頭を下げ、「はい、本当にすみませんでした…」
その後、麗奈、響、龍之介は子猫をどうするか相談することにした。
「麗奈さん、この子猫、どうしましょうか?」響が尋ねる。
麗奈は少し考えた後、優しく微笑んだ。「この子猫はクラブには置けないけど、響、あなたが面倒を見てくれる?」
響は驚きつつも嬉しそうに答えた。「えっ?僕が?…はい、喜んで!」
龍之介もまた、「響君、責任を持って世話をするんですよ。」と助言する。
響は子猫を大切に抱きしめ、「分かりました。この子猫の面倒は僕が見ます。ありがとう、麗奈さん。」
その夜、クラブが閉店する頃、突然外から猫の鳴き声が聞こえてきた。響が確認すると、親猫が店の前で鳴いていた。
「麗奈さん、大変です!子猫の親猫が店の前にいます!」
麗奈は驚き、「親猫?早く子猫を親猫に返してあげましょう。」
響は子猫を抱きながら親猫の元へ向かった。親猫は子猫を見ると、安心した様子で寄り添った。
「ごめんね、子猫ちゃん。お母さんが心配してたんだね。」響は微笑みながら子猫を親猫に返した。
その後、麗奈、響、龍之介は親猫と子猫を見送りながら、クラブの規則を再確認することにした。
「麗奈さん、親猫が子猫を心配して追いかけてきたんですね。本当に感動しました。」響が言う。
麗奈は微笑みながら、「ええ、家族の絆は大切よ。でも、クラブの規則も守らなければならないわ。これからは気をつけて行動してちょうだい。」
「はい、麗奈さん!これからも頑張ります!」
クラブ「グランドオペラ」は再び平穏を取り戻し、麗奈と響、そして龍之介は新たな日常を迎える。しかし、彼らの前にはまだ多くの試練が待ち受けていることを、彼らはまだ知らないのであった。
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