【完結】響！あまりの愚かさに頭が痛くなりますわね！

第5話 響！失われた宝石とドタバタの大捜索！

高級クラブ「グランドオペラ」で、展示されていた高価な宝石が盗まれる事件が発生した。オーナー兼トップキャストの西園寺麗奈、執事の白鳥龍之介、そしてボーイの涼宮響は、犯人を突き止めるために奔走することになる。

麗奈は展示ケースの前で、無惨に開かれた空の展示台を見つめていた。

「これは一大事ね…響、龍之介、宝石が盗まれたわ。」

響は驚き、龍之介は冷静に頷いた。

「麗奈様、すぐに調査を開始しましょう。」

麗奈、響、龍之介の三人は、まずクラブ内の全てのキャストとスタッフに事情を聞くことにした。響は普段のドジっぷりを発揮しながらも一生懸命に質問を繰り返した。

「すみません、誰かが宝石を盗んだのを見ませんでしたか？」響が尋ねると、キャストの一人が首を振った。

「いいえ、何も見ていません。でも、あの夜は確かに忙しかったわ。」

響は手がかりを掴もうと、さらに探りを入れようとしたが、つまずいて書類をばらまいてしまった。

「うわっ！またやっちゃった…ごめんなさい！」

麗奈はその様子を見てため息をついた。「響、本当にあなたって愚かね。でも、その一生懸命さは評価するわ。」

龍之介は展示ケースを細かく調べ、何か手がかりがないかを探していた。すると、ケースの裏側に小さな工具の跡を見つけた。

「麗奈様、ここに何かの工具で開けられた跡があります。おそらく内部の者の仕業でしょう。」

麗奈はその跡を見て、さらに眉をひそめた。「内部犯行…それならば、まずはスタッフ全員を調査する必要があるわね。」

響はスタッフのロッカーを調べることになったが、ドジを連発していた。鍵を落として探すのに手間取ったり、ロッカーの扉に頭をぶつけたりと、トラブル続きだった。

「いたた…これじゃまるでコメディだな…」

その時、響はふとした瞬間に一つのロッカーの中から小さな紙片を見つけた。そこには、宝石の形が描かれたメモがあった。

「麗奈さん、これを見てください！怪しいメモを見つけました！」

麗奈はそのメモを見て目を輝かせた。「これが手がかりかもしれないわ。」

麗奈と龍之介は、そのメモを元にさらに調査を進めた。メモに書かれた情報を辿り、クラブ内の隠し場所を見つけ出した。そこには、盗まれた宝石が隠されていた。

「これで一件落着ね。響、あなたのおかげで手がかりを見つけることができたわ。」

響は照れくさそうに笑い、「いやぁ、たまたま見つけただけです。でも、役に立ててよかった！」

龍之介は冷静に犯人を見つけ出し、その人物を麗奈の前に連れてきた。犯人はクラブの古参スタッフであり、金銭的な問題で宝石を盗んでしまったと白状した。

「麗奈様、申し訳ありませんでした…」

麗奈は冷たい表情でそのスタッフを見つめた。「クラブの信頼を裏切る行為は許されないわ。でも、正直に話してくれたことには感謝するわ。これからは心を入れ替えて頑張りなさい。」

ミカは深く頭を下げ、「はい、本当にすみませんでした…」

その後、麗奈は宝石を取り戻し、スタッフ全員の前で発表した。

「皆さん、今回はミカが宝石を盗んでしまいましたが、彼女は心から反省しています。そこで、彼女にこの宝石をプレゼントします。ミカが二度と同じ過ちを犯さないように、そしてクラブの信頼を守るために、みんなで支えてあげましょう。」

ミカは涙を流しながら受け取った。「麗奈様、ありがとうございます。これからは心を入れ替えて、クラブのために頑張ります。」

クラブ「グランドオペラ」は再び平穏を取り戻し、麗奈と響、そして龍之介は新たな日常を迎える。

「麗奈さん、本当に申し訳ありませんでした。でも、僕も頑張りましたよね？」響が照れくさそうに笑いかける。

麗奈は微笑みながら頷いた。「ええ、響。あなたの努力は認めるわ。でも、もっと注意して行動しなさいね。」

「はい、麗奈さん！これからも頑張ります！」

クラブ「グランドオペラ」は、再び賑やかな日常を取り戻した。しかし、彼らの前にはまだ多くの試練が待ち受けていることを、彼らはまだ知らないのであった。