第10話 貨幣価値とアリーナの手料理。

依頼書を手渡されて初めて依頼書を見た。


 

「あぁ〜そういう事ね……ってゴブリンを1体討伐して銀貨3枚なんだ?」



確かにこの依頼書から微量の魔力を感じるな。



「そうなんだよ~結構、報酬が良いでしょ♪」


「アリーナは普通に生活して、どのくらお金を使うんだ?」


「うぅ~ん……普段は……銅貨50枚くらいかな」


「ギルド職員とかは?月にどのくらい貰ってるんだ?」


「うぅ~んっと〜金貨1枚かな……前に仲良くなったギルドの職員さんが教えてくれたんだぁ~」


 

ギルドの職員を基本として考えると、金貨1枚が25万円の給料相当か……銀貨が100枚で金貨1枚だから……銀貨1枚2500円で、銅貨は1枚25円だったよな……アリーナは1日1250円で暮らしてるのか。食費だけなら俺は菓子パンと牛乳に夕飯にインスタントラーメンで1日500円で暮らしてたからな!

 

で、ゴブリン1体を倒せば7500円か・・・安いけど大体、1日の日当に近いかな。アリーナだと6日分の賃金か。十分に生計が成り立つな……1日2、3体を毎日倒していれば豪勢な暮らしが出来るんじゃないのか?ゴブリンは繁殖力も強いし根絶やしが難しいっていう種族だしな。金に困ったら考えてみても良さそうだな。


 

じゃなくて……えっと……ややこしいな。整理しよう……


 

銅貨1枚(25円)100枚で銀貨1枚(2500円)100枚で金貨1枚(25万円)だよな。


 

「薬草と低級の魔物の討伐で銅貨50枚稼げるのか?」


「まぁ〜20枚とか30枚かな〜でも結構80枚以上稼げる事もあるし何とかなるもんだよ。それに50枚って結構贅沢な食事で肉とか使う料理だし……ホントは銅貨40枚かな〜山で採れた山菜とか運が良ければウサギとか鳥が獲れたりするし」


 

あ。俺も職業で猟師レベルマックスじゃん!あれを使えば獣を倒したら肉のアイテムが手に入るんだよな……。肉も回復アイテムなだけだけど、でもここじゃ……貴重な食料だな。猟師と言えば弓だよな。後で試してみるか~。あ、肉も所持数の上限の999を超えてるんだよな、でも狩りをした事ないし面白そうじゃん。こんどアリーナと一緒に狩りに行ってみるか。


 

「アリーナ料理するんだ?」


「そりゃ……一人暮らしだからね~」


 

ふ~ん……料理できるのか〜アリーナの手料理食べてみたいな。こんな可愛い子の手料理なんて最高じゃん。


 

「じゃあ〜昼は任せたぞ!」


「はぁ?ムリムリ……人に作ってあげた事は無いし!美味しくないって……」


 

え?マジか……彼氏とか友達とか居なかったのか?俺が初めてアリーナの手料理を食べる事になるのか?少し嬉しいかも……


 

「それじゃ毎回、俺が作るのか?」


「だってユウヤの方が料理上手じゃん!それに、わたし材料を持って無いよ」


 

慌てて言い訳をして料理を回避してる感じ?料理に自信がないのか、料理が面倒なだけなのか・・・?


 

「言ってくれれば全部材料出すから!」


「ううぅ……分かったよぅ……がんばるっ」


 

アリーナが諦めたのか覚悟を決めてヤル気を出してくれた。


 

「うわぁ〜女の子の手料理楽しみだな~」


「ハードル上げないで!ばかぁ……」


「ってそろそろ……昼じゃないか?」


「え?」


「結構、歩いてお腹空かない?」


「ううぅ……空かない、空いてないっ!」


「それって時間稼ぎだよな?昼は作ってもらうからな~」


「ううぅ……じゃあ……お肉、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、キャベツ、豚肉と・・・塩、胡椒ある?」


「はい。どうぞ~」


「うわ……あるんだ?無さそうな食材を言ったのにぃ~……」


「あはは……残念でした=」


「不味くても文句は受け付けないからねっ!ふんっ」


 

そう言いながらも頑張って作ってくれた。


煮込みスープだったので1時間程、焚き火で煮込んで出来上がってテーブルに用意をされ、パンと一緒に食べたけど……普通に美味しいけど?何を心配してたんだ?


 

「美味しいじゃん」


「え?ホント?ウソじゃない?うわぁ〜♪良かった……料理下手な女の子って最悪じゃん……!ふぅ~……緊張したぁ……」


「そうなんだ?」


「だってさ〜料理下手じゃ疲れて仕事から返ってきて地獄じゃん。不味い夕食じゃねぇ……イヤでしょ?」


「そう言われてみれば……ツライかもな」


「でしょ~」


「だったらアリーナは大丈夫だな?美味しいし。他にも作れるんでしょ?」


「うっ……まぁ……ね……」


「何その自信無さそうな「うっ」って感じは……なに?」


「それ以上は聞かないで……」


「まぁ……勉強して上手になれば良いんじゃない?」


「うんっ♪勉強して美味しいのをユウヤの為に、いっぱい作る!」


「期待してるからね~!」


「はぁ~い♪ユウヤに、いっぱい食べてもらう~♪」


「で、なんで俺になんだ?」


「他に誰が居るのよっ!ばかぁ~もぉ……」


「冗談だって~楽しみにしてるよ」


「はぁい……でも、どうやって勉強?」


 

うぅ~ん……俺は教えられないし……自炊派じゃなく外食派だし。レシピ本?料理の先生を雇う?そんな人居るのか?料理人に弟子入り?って言ってもレストランなんて無いし、あっても食堂くらいだよな。あ、王都に行けばレストランはあるけど……遠いな。

 

 

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