Day10「散った」
「げっそりした顔の今里さん見かけたんですけど、村雨先輩何かしました? 寧ろ何もしてなさすぎっすか?」
鳥生君の問いかけに、こっちがげっそりした。荒唐無稽な質問のせいで、思いついていたアイディアが霧散したのだが。
戻ってくるだろうか、これ。
「あのですね、先日雨に濡れた彼女を心配したばかりですよ。少なくとも『してなさすぎ』はないです」
「何と。イベント発生済みだったとは。それは失礼しました」
謝罪してほしいのは、そこではない。
しかし、あの今里さんがげっそり状態とは。何か問題があったのか。
黙り込んでいると、鳥生君が珍しく悪そうな笑みを浮かべた。
「心配なら見に行かれては?」
「いやいい」
どうせ、あちらから来るさ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます