凡人ダイアリー

百目鬼ヨルカ

June

6/29 先週、目を切られた。

 先週、目を切られた。正確に言うと目を切られたのではなくまぶたを切られたのだが、痛いことには変わらなかった。稗粒腫はくりゅうしゅなるものもらいの最終進化形が爆誕したらしく、先週の手術はなんと3回目。直接まぶたを貫く麻酔の注射を耐えきった自分を褒め称えたい。

 そんなこんなで今日は抜糸ばっしをした。糸を抜くためだけに眼科を訪れたのだ。今日だけは眼帯をつけ、30分に一度目薬を差せば、もう完治と言えるらしい。痛いのはごめんなので、二度と手術をしたくない。死ぬ気で目薬を差そう。


***

 不便益ふべんえき、という言葉がある。不便であることに利益を見出す考え方で、初めてこの言葉に出会った時はかなり感動したのを覚えている。

 ただひたすらに眼科の待合室で時間が経つのを待つのは、普段なら考え事の時間として喜べた。ただし、今日はやめほしい。なにせ明後日は期末テストなのだ。時間がないのだ。広い心を持ちたいものだが、ただ早くしてくれと思っていた。処置してくださったのにごめんなさい。

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