第20話

電車からはちゃんと別々に歩いてくれてよかった。


後ろにいると落ち着かないから前を歩く2人を見ながら歩く。春の日差しとイヤホンからの音楽が心地いい。 


それにしても、あんなに見られて落ち着かなくないのかな。

昔からだから慣れたのかな。

人気者も大変そう。


ポンッと肩に手を置かれて振り向く。

「おはよう!」

「あ、山川さん、おはよう。」

「ねえねえ、前を歩いてるの、3年の奏先輩と航先輩だよ!朝からラッキー」

コメントしずらいな。

「2人とも大きいですね」

「あはは!たしかにー!そういえば弟にあのバンド好きな子と友だちになったって言ったらめっちゃ食いついてたよー。すみれちゃんのオススメも教えたら明らかにテンションあがっててびっくりしたよ。普段めっちゃ塩でさ。学校にもあんま行ってないのに、すみれちゃんにこれとこれも良いからぜひ聴いてみてってー」


「え!気になる!聴くきくー!」

っと、またテンションをあげちゃったよ。

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