第36話 聖剣の一割、魔絶破(マゼッパ)
【前回のあらすじ】
# ♪ ♭
時を少し
発端は、
「――ヤバい! ボスがここに向かって来てる!」
「えっ、ボスって誰?」
聞き返す
そのうちに、何故か
ただ、悪魔という単語と、
「
残るレもんも、その点は同様で。
「ぴあ
車酔いでフラフラだったはずのレもんが、無理を押してまで動こうとするほどの事情を、
「レもんちゃんはゆっくり寝てて。ぴあ
ぴあ
「
監視カメラが映し出す浜辺の映像に、
モニターの中で、
一見して特撮番組のロケかと見紛う、非現実的な光景。
だが、そこには
予感めいた胸騒ぎが、
「
居ても立ってもいられない。後ろでぴあ
(ねぇ、聞こえてるんでしょ? 私の中にいる……妖精さん? 神様? それとも、ご先祖様? お願い、今だけ私に力を貸して――!)
誰よりも大切な人を守るために。
*
満身創痍の
(何が起こってやがる……?)
魔剣ヴァイエルを振り上げ、
その両手両足、首と胴には、それぞれ輝く弦のようなものが巻き付いている。
六本の弦の先をたどると、そこには長い黒髪をたなびかせた、
(
常とは異なる
「お前は、えっと……ウケハリ……そうだ!
「そっか。これは神様の力だったんだね」
「えっ? や、やっぱり、先輩なのか……!?」
戸惑う
その間も、ぴんと張り詰められた光弦は、ラッパースをじわじわと締め上げていた。
「ぐふっ……小娘が……奇っ怪な方術を……!」
ラッパースは抵抗を試みるも、
「絶対に離すもんか……!
「先輩っ! もういい……もういいから、逃げてくれ……!」
傷付いた体を横たえたまま、
「ありがとう、
「……
「
弦の上を
しかし、敵将は
「おぉ……
ラッパースが渾身の力で戒めを引きちぎった、その刹那。
(アイツ……!)
漆黒の翼を広げた黒ギャルが、ラッパースに飛び蹴りをかまして墜落した。
双方とも砂上に伏すも、先に起き上がったのはラッパース。
「レモノーレ……貴様……ァッ!!」
「すいません、ボス。あーし、悪魔の掟より親友の方が大切みたいです!」
レもんはすかさずラッパースの足に飛び付いて動きを止める。
さらに、もう片方の足には、
「もうヤケクソよぉ!! 特別手当を請求するわぁあ!!」
半狂乱になったシアティが涙目でしがみついていた。
怒りを露わにしたラッパースは、裏切りの部下たちを振りほどこうと暴れ出す。
「おのれ……斬り刻んでくれる……ッ!」
「――レもんちゃん!」
千載一遇の好機に、
そこへ、ふと手を差し伸べる者があった。
「立て、
「ありがてぇ」
手を借りて立ち上がった
「頼んだよ、
マキナが、拾い上げた聖剣ブルクミュールを
機は熟した。
「ああ、任せとけ」
身体に残った最小限の力で構えを作る。
今自分が戦うのは、ひとえに愛しい人や仲間たちのため。
我を捨てたとき、内面に湧き上がる、静やかであたたかな感覚。
(この一瞬だけでいい。力を借りるぜ、勇者サマよぉ――!)
剣身に宿った蒼光が虹色へ変わり、やがて紅く燃え上がる。
「最初で最後だ……喰らっとけぇッ!!」
「聖剣技――〈
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