第51話 リビングで護衛と戦闘訓練をしていると調子に乗って他の護衛達に声を掛けたら人数が増えた。

え?全員?意外と皆、向上心があって良いねー。


護衛全員とかぁ~……見ていた8人の護衛が全員参加してきた。木刀を8本出して9対1になった。


人数は問題ないけど、広さが室内だし大きく動けないかなぁ……跳躍すれば天井に頭はぶつけるな。


 

「さ~どうやって攻めるのか相談しなくて良いの?」


 

俺の言葉の返事もせずに、躊躇無く向かってきた。


 

「行くぞ!」


「おうッ!」


 

無闇に攻撃を仕掛けてる感じでは無さそうで安心した。さすが専属の護衛で、何も相談をせず連携は出来てるみたいだね。ただ囲んでくるだけだと思ってたけど流石だね。


 

一人の攻撃を避けると、後ろに潜んでいた護衛が直ぐに打ち込んできて、ナイフの攻撃を受けると横からも他の護衛が木剣で打ち込んできた。


それをアイテム作成で木製のナイフを作成をし、それで攻撃を受けると、後ろから気配がしたので軽く跳躍して空中で回転して、背後に気配をさせていた護衛の背後に着地をして背中にポスと軽く突いて、俺を見失っていて油断している護衛達をポスッ。ポスッ。と突いて9人全員を数十秒で倒した。


 

「はい。全滅だね。これじゃミリアの逃げる時間も稼げてないよ」


 

護衛の皆が俯き悔しそうな表情をしていると。


 

「ズルいです!何で武器が増えてるのですか!?ズルは良くないです!卑怯ですよ!」


 

入れ替わりで、入ったばっかりの若い女性の護衛が頬を膨らませて文句を言ってきた。


 

「実戦で、そんな事を言ってられないと思うけど……?隠し武器だってあるでしょ?応援だって駆け付けてくるかもしれないよ?まー試合だったら卑怯で反則かもしれないけど。まぁ実践は何があるかわからないから、想定外の動きがあった時の対応を出来るようにしておいた方が良いよ」


「そうだぞ!実戦では勝てば良いんだ!隠し武器もアリだし、蹴りだってアリだ。なんなら石を投げても良いしな。剣の試合じゃないんだぞ!」


「そこまでしないけど……軽い実践の練習だし……護衛の任務中の護衛を怪我させたらダメでしょ。で、もう一回やる?」


「はい!」


 

ズルいと言われたので短剣の木刀、木製のナイフを用意した。


 

「好きな武器を、好きなだけ選んで良いよ」


 

そう言うと女性の護衛が木製のナイフを隠し持ち、他の護衛は木刀のみで興味さえ示さなかった。使い慣れていない武器を持っていても邪魔なだけだしね。急に鉛筆を2本渡されてノートに黒板の文字を両手を使って書けと言われても、利き手じゃなければ文字さえ書けないと思うし、使おうとすれば逆に時間が掛かる。


 

「じゃあ、はじめようか」


 

護衛達が構えると、昔に映画で見た双剣使いを思い出してナイフを逆手に持って、移動を最小限にして打ち合ってみる事にした。


 

バチンッ!バチンッ!ポスッ。バチンッ!ポスッ。ポスッ。


 

全員を、また数十秒で倒した頃にミリアが戻ってきて驚いた表情をして護衛達に怒鳴った。


 

「貴方達!何をやっているのですか!ユウヤ様……大丈夫ですか!?」


「あ。暇だったんで……遊んでもらってた」


「そ、そうなのですね……皆、有難うございました。下がって良いですわよ」


「はい。有難うございました。ユウヤ様」


 

何故か護衛にお礼を言われた。遊んでもらっていたのは俺なのに。


 

「ユウヤ様……膝枕ですわ」


「ちょっと待ってて護衛を疲れさせちゃったから」


「はい?」


 

素直でお風呂上がりで頬が赤くて可愛いな……


護衛を疲れさせちゃダメだよな……体力回復薬を9本だして配って女性の護衛に言葉をかけた。


 

「女性の護衛は貴重だから頑張ってね!」


「はい。頑張ります」


「使い慣れていない武器は、装備はしない方が良いと思うよ。邪魔になるし、使いたいなら訓練をしないとね」


「はい」


 

配り終えて、ソファーに座ってミリアに膝枕をして頭を撫でた。


 

「そのネグリジェ可愛いね……初めて見た」


「えへへ……♡ 可愛いのを選んでもらいましたわ」


「髪の毛も良い匂いだね」


「うふふ……♡」


 

褒められてご機嫌なミリアだったけど、30分もすると寝てしまったので、抱きかかえるとメイドさんがミリアの寝室に案内をしてくれのでベッドに、そっと寝かせた。


 

「有難うございました」


「今日は、悪かったね……ふざけ過ぎたね」


「ホントですよ……心臓が何回も止まりかけました」


「悪い悪い……」


「でも……最近のミリア様は、とても楽しそうでした」


「そうかな……?だと良いんだけどね」


「俺は部屋に戻ってるね」


「はい。お疲れ様でした」


「あ。ミリアにお休みのキスをしておこうかな……ちゅ♡」


 

寝ているミリアの頬に軽くキスをしたら羨ましそうにメイドさんが見ていた。


 

「羨ましいです……私も彼氏に、そんな事をされたいですね」


 

へぇ~彼氏が居るんだ?幼馴染の人とでも付き合ってるのかな?職場で恋愛とか?


 

「へぇ~……彼氏いるんだ?」


「え?居りませんけれど……?」


 

え?居る雰囲気を出してたじゃん。


 

「メイドさんは忙しいからね……出会いも無さそうだし」


「そうなんですよ!ううぅ……寂しいです」


「彼氏が出来たら退職でしょ?」


「そうなんですよね……」


「皆、住み込みなんでしょ?」


「はい。そうです……3食付きなので、とても助かっておりますし。両親へお金も少し渡せてます」


「そっか~頑張ってね」


「はい。有難う御座います」


 

部屋に戻ると俺もベッドに横になると寝てしまった……

 

 

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