第791話 今カボシティは大変忙しい……みたいだ。

 今カボシティは大変忙しい……みたいだ。

 別宇宙の人達の殆どがこちらの指示に従い、トップを新しい代表に挿げ替えた後、その新しい代表達と今後の事で話し合いをしなければならないようで、今はその準備で各星団との連絡手段の確立とか、そこから細かい日程を決めたり、条約の詳細を詰めたり……色んな人間が頑張っているようだ。


 なお、俺は相変わらず暇である。

 

 手伝おうか? と尋ねても『雑務は我々に任せて、アーバン様はごゆっくりなさってください』と言われるばかりである。


 絶対雑務と呼ぶような仕事内容ではない気がする――

 とは言え、別にやりたいわけではないので、やらないでいいならやらない。


 ただ――皆忙しそうで、あんまり構ってくれる人が居ないので暇なのである。


 と言う事で、また何か造って遊ぼうと思う。


 今俺は、別宇宙のお陰で、宇宙熱が高まっている。


 ビバ宇宙!


 と言う事で、宇宙になんか造りたい。

 こういう時、アレを造りたいね、これを造りたいねと人と話しながら構想を練っていくのが面白いのだが……


 皆忙しい中、手が空いている人となると……


「いえ……自分、教導隊のお仕事があるであります……別に手は空いてないであります……」


「まぁまぁ。時間制御付き次元収納内で話せば、外では一瞬の事だから、お仕事には影響はありませんよ」


「それなら、別に誰でも良いと思うのでありますが――」


 別宇宙にはSF要素が沢山あったからね。カボシティに居る人間の中では、フォルカが一番適任な気がしたんだよね。


「出来れば別宇宙から来た方が良いんですよね」


「……アーラ殿とか、まだお仕事決まってないみたいなので、暇そうでありましたよ?」


 あ~…日光浴の――


「じゃあ、アーラさんも踏まえて3人でわいわい楽しくお話ししましょうか」


「結局自分も参加するんでありますね……まぁ、構わないでありますが……」



 

 美女2人を次元収納内に連れ込んでのお話し――と言う事で、浮気を疑われないようにちゃんと世話係のメイド3人も連れて来た。


 今回話し合いに使う次元収納内にあるのは、SF世界の作戦会議室っぽい場所を再現してみた場所だ。

 まぁ、完全に雰囲気だけだけども……


 青く光るテーブルの上には、別宇宙の人間からパク――押収した立体映像を映し出せる装置で撮影したユースフルの姿を映し出している。格好良い。


「それでアーバンさん。私は何用で呼び出されたんでしょうか? それにこの子……えっと、ガファダのフォルカさんでしたっけ? ……面子を見るに、如何わしい事でもされるんでしょうかね?」


 如何わしい事をするのに、こんな部屋はチョイスしません。


「ちょっとお2人の意見を聞きたくて……実はこの世界の宇宙にも、色々建築したいなぁと思っておりまして、それのアイデア何かを頂けたらなぁと思い、お2人に話を聞こうかと――」


「そんな子供の工作じゃないんですから……国家プロジェクトとかじゃいですか。なんで別宇宙から来たパイロット2人と、メイド3人と……国家元首? で話を進めようとしているんですか?」


「国家元首はヨハン殿なので、俺ではないですね……俺は……何でしょうか? なんか国の偉い人です。会社でいう会長みたいな立場ですかね」


「……どちらにしろ、少なすぎません? まだ立案前だとしても数十人は集まる物だと思いますけど……」


「この国ではこれが普通なんで、お気になさらずに――それに、今回の事は国家プロジェクトとかじゃなくて、俺個人の趣味なので……あ、ちなみに、この世界ではまだ、宇宙の土地の権利とか、そんな縛りはないのでご心配なく」


「宇宙なので土地じゃないですけど……経済宙域の話は兎も角、仮に宇宙ステーション1つ作るのに、何千人ぐらいの人手が――……待って下さい。もしかして、これまでの――我々の暮らす区画が一夜で草原になったり建物が生えたのも、全てアーバンさん1人でやってのけた事なんて事ありませんよね?」


「違いますよ」

 

 俺の答えに、アーラがホッと息を漏らす。

 

 あれは2人のメイドと300機ぐらいのカボに手伝ってもらっている。


「さ、流石にそうですよね……」


「カボ達に手伝ってもらいましたし、宇宙でモノづくりをして遊ぶ際も、カボや手の空いているメイドに手伝ってもらおうかなと考えています」


「それ、実質1人みたいな物じゃないですか、やだぁ……」


 やだぁとか言われましても。


「まぁ、魔法ってインチキで、なんでもありでありますからねぇ……それでアーバン殿。我々にどんなアイデアを出して欲しいでありますか?」


「いや、具体的にまだ何も考えてなくてですね、どんな形の何を造れば楽しいかなぁっと……」


「「…………」」


 フォルカとアーラが呆れた目でコチラを見てくる。


「人々が暮らすコロニー……は、暮らす人が居ないので、先ずは宇宙ステーションですかねぇ……その宇宙ステーションと地上を繋げる軌道エレベーターなんかも造りたいですね! あちらの宇宙ではそれらはどんなデザインでした?」


「コロニーは何となく分かるでありますが……軌道エレベーター? なんでありますか? それ?」


 ん? 伝わらない? 翻訳の魔道具を使って翻訳しているから、意味が伝わればそのまま伝わる筈だが……


「えっと……宇宙にある宇宙ステーションとかと、地上を直通で繋げる乗り物というか……」


「うん? う~ん? ちょっと思い当たる物はありませんね。それは何の為に使う物なんですか?」


「え? な、何のって、物資や人を移動させるのに、もっとも効率の良いやり方だって、何かで聞いた事がありますけど……」


「宇宙に物資を上げるなら、宇宙船で良いのであります。宇宙エネルギーがあるので、それほど費用が掛からないであります」


「……い、いや、宇宙船を何隻も造ると、費用が掛かりますよね?」


「それはそうですけど……軌道エレベーターを造るのってそんなにコストが掛からないんですか? 一度に大量の物資を上げるのも難しそうですし、それに、宇宙船なら他の用途で幾らでも使えますけど、軌道エレベーターって他の事には使えませんよね?」


 ぐ、ぐぬぬぬぬ、フォルカとアーラが寄ってたかって俺をイジメてくる。

 

 造りたいから造るんですぅ! 他に理由なんてありませんー! 大体この世界の人間達に宇宙エネルギーを利用する技術なんてありませんー! 代わりに魔力があるけどそんな事知りませんー!

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