第789話 化け物共から離れた場所、15隻の戦艦が

 化け物共から離れた場所、15隻の戦艦が待機している場所付近に、ユースフルに乗った俺と、81名のメイドゴーレムに乗ったメイド、それとセイグリティアに乗ったさっちゃんが転移して来た事に気が付いたヌゼが通信を入れてくる。


『……婿殿。婿殿は今回の作戦には参加しない筈では?』


 そんな事言ったっけ?

 危険だから俺が突っ込んであの化け物共のと戦う事は避けて欲しいという話だったはずだ。


 それは俺の代わりにガステアがやってくれたので、言われた通り俺はやっていない。


「いくらなんでも、確実に使用達に業務外の事を――それも命の危険が伴う事をやらせるのに、自分が後方で腕組みしながら高みの見物するのは気が引けますからね」


 第一、家長の癖に真っ先に最前線に立候補したお前さんに言われたくない。


『そうですか……』


 ヌゼは納得してないと言った感じの声を発するが、それ以上の事は言って来なかった。


『それで――準備の方は整いましたか?』


「ええ、全てのメイドゴーレムにメイド砲を搭載しています」


『……メ、メイド砲?』


「ヨルレア・フェーレという名前はアーキセル国王の物かなと思い、名前を変更しました。中身は同じものですけど……」


 折角だし、エフェクトとかも変更すれば良かったか?

 

『そ、そうですか……直ぐに攻撃を開始しますか?』


「そうですね。ガステア殿の方は?」


『まだ1人で戦っています。化け物共はガステア殿に引き寄せられるように動いているので、化け物共も、あのままあの場所に留まっていると言った感じでしょうか――』


「なるほど……ではガステア殿には、メイド砲発射直前にこの辺りに転移してもらいましょうか――それではメイドの皆、それとさっちゃん。メイド砲の準備を頼むよ」


『『『はい!』』』


 メイドゴーレム達が縦9機、横9機に綺麗に面で並ぶ。

 その上に1機、輝く翼を大きく広げたセイグリティアが陣取る。


『あ、あれ? ユースフルは――婿殿はこの攻撃に参加しないのですか?』


 ……そういえば、俺が一番レベルが高いんだから、俺も参加しないとだよな。

 ユースフル用の切り札を用意するのを忘れていた。

 まぁ、メイド砲を使えば良いか。


 というわけで、俺はメイドゴーレムの下に移動する。

 ……上を見上げればメイドゴーレムのスカートっぽい物の中身が見える。

 が――ネフィスリーアの時も思ったが、流石のアーバンさんもロボットのスカートの中身には興奮は覚えないのである。


 メイドゴーレムとユースフルの前にメイド砲と名付けた両手持ちの銃身の長い魔法銃が現れると、各メードゴーレムとユースフルはそれを両手で支え、スコープを覗き込む……

 スコープ……ぶっちゃけ雰囲気作りに付けただけの物だったりする。


 ちなみに、セイグリティアだけは、メイドゴーレムと違い、切り札が機体その物に組み込まれている形になっていて、翼を曲げ、翼の先端を体の前に持って行き、その先に光の玉が収束されていく見た目になっている。


 十分にメイド砲とワンダリングキャノンに魔力が充填された事を確認した俺は、ガステアに通信を入れる。


「ガステア殿、聞こえますか? これよりヨルレア・フェーレの切り札と同等以上の武装を放ちます。巻き込まれないように、戦艦のマーカーに転移してもらえますか?」


『シュ、シュバルツを回収するので、しょ、少々お待ちいただけますか?』


「いえ、シュバルツは放置して下さい。直ぐ新しいのをご用意しますので――」


『え、ええ……わ、わかりました……』


 不服そうな声の直後、トワイライトが戦艦の上に転移してきた。

 それを確認した俺はメイド達とさっちゃんに発射の合図を送った。


『メイド砲およびワンダリングキャノン――……発射!!』


 83もの強烈な光が、化け物の群れに向って放たれた――

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