第744話 ヌゼがネバンに突撃して暫く経った頃、
ヌゼがネバンに突撃して暫く経った頃、ネバンがメイドを連れて、俺の部屋を訪れた。
「じぃじのおねがいを聞くかわりに、1つおねがいがあります」
ここで言うじぃじのお願いとは、もちろん剣術を家でも学んで欲しい、その指南役を自分にやらせて欲しいという物の事だ。
それで息子よ、なんでその代価を俺が払うんだい?
「じぃじは、父上がけしかけたって言ってました」
こらじぃじ。人の所為にするんじゃない。
……まぁ良いや。
「それで? そのお願いって?」
「ホープもいっしょに学校に行きたいです!」
多分、ホープを学校に連れて行きたいって言ってるんだよな?
「えっと……それは教師として? 生徒として? それともペッ――ええっと、護衛かなにかとして連れて行きたいのかな?」
「え? ええと……ええっと……わ、わかんないです……」
どういう事やねん。
「おそらく、ホープ様がご一緒であれば、それがどのような立場でも宜しいのではないでしょうか?」
ネバンと一緒に部屋に来た赤髪のメイドが憶測を聞かせてくれる。
「そうなの?」
「はい!」
はい! じゃないが……
とりあえず、ホープの意志を確認しておくか。
ということで、俺はメイドに頼んでホープを呼んで来て貰った。
「ボクも学校に?」
「ネバンがどうしても一緒に行きたいそうです」
「はい!」
「ネバンは本当にボクの事が大好きだねぇ~。可愛い奴め~、うりうり~」
ホープが両手の人差し指で、ネバンの頬っぺたにぐりぐりと渦を描く。
ネバンはそれを笑顔で受け入れている。
そしてそれをちょっと離れたところからカメラに収めるメイド……
「で、ホープ様。どうしますか? 俺的には無理強いをするつもりは全くありませんが……」
「ん~……怖いサリーも居なくなったし……別にずっと遊んでいるだけでも、誰からも怒られなくはなったけど――」
う~んと悩む素振りを見せるホープ。
あ、ニーナは何も言わないんだ……
ちなみに、そのサリーは年の半分はこの屋敷で過ごす事になると思いますよ。
「でも、引き受けてた家庭教師も中途半端になっちゃったし……一緒に学校に行くのは良いよ。とろこで、ボクは学校でお子ちゃま達に魔法を教えればよいのかな?」
「それもホープ様に確認しようかと。教師として学校に通うのと、生徒として通うの、あるいは用務員とか警備員とか清掃員とか……なにか要望はありますか?」
用務員も警備員も清掃員も、カボが居るのでぶっちゃけ必要ないけど……
いや、警備員だけはカボよりはホープの方が優秀か――
「うぇ!? 生徒として通う選択肢もあるの? 流石にお子ちゃま達と一緒になってお勉強ってのは勘弁だなぁ……その中だと教師かな」
この教師、遊び惚けてそうだけど、大丈夫かな……
とはいえ、ネバンに魔法を教えていた時は、割と真面な家庭教師だった――というか、むしろ優秀な部類だったので、多分大丈夫だろう。
生徒と一緒になって遊んでくれる教師は貴重だし、存外、子供達からも好かれる良い先生になってくれるかもしれない。
「あ、ところで、折角先生役をやるんだから、例のバインバインなお姉さんアバターを使って良い? あれで眼鏡をクイクイさせながら生徒達を虜にするんだ~」
「……やめて下さい」
「やっ――!」
「え~、駄目ぇ?」
本当に任せて大丈夫だろうか……
見張りカボを付けて、変な事をやらかしそうになったらショックガンでも撃ち込んでもらおう。
====================
以下、一部コメントに対する返信となります。
>そして、ネバン君から「ホープを学校の先生にして!」という無茶振りが返って来ると…
え? アーバン君に未来が見える魔道具を創って貰いました?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます