閑話 魔法神製ゴーレム
「な、なんですかこれは?!」
私は水晶に映し出された戦闘の映像に、肩を震わせました。
「あのアーバンとかいう人間が造ったゴーレムどころか、他の人間が造ったゴーレムと同等程度の力しかないではありませんか!」
しかも現地のモンスターと比べても、物によっては見劣りする程度のゴーレムと――
「これのどこが、あの時見せたゴーレムの1.5倍の強さがあると言うのですか?!」
魔法神が聞いて呆れます!
これでは到底私の裸とはつり合いが取れません!
魔法神に文句を言わなければ、私の気が収まりません!
そう思った私は、すぐさま魔法神の下へと向かい、ムーゼンと呼ばれるゴーレムと、魔法神が造ったゴーレムが戦う姿を収めた水晶を持って行きました。
「……これは、どういう事でしょう」
叩きつける様に、魔法神の前へ水晶を取り出し、映像を流します。
「どうって~?」
私の問いに、魔法神は質問の意味が分からないとばかりに首を傾げます。
「貴方、私が見せたゴーレムより1.5倍は強いゴーレムが造れると豪語していたではありませんか! それが何ですか、この体たらくは! 1.5倍どころか0.5倍の強さもないではありませんか!」
「はぁ~? キミはな~にを言っているんだ~い? ボクちんは宣言通~り、あの時見せられたゴーレムより1.5倍程度の出力が出るゴーレムを造り上げたよ~ん?」
「だ・か・ら! これのどこがあのゴーレムより強いというのですか! こんなちゃちな玩具にすら劣っているではありませんか!!」
「そりゃ~だって、操縦者がゴミだから仕方ないんじゃな~い?」
「は? ……い、いえ、いくら操縦が下手だと言っても、それだけではないでしょう? 装甲は脆いし、魔法の威力は弱いではありませんか?!」
「別に操縦が下手かどうかは関係ないよ~ん。あの時見せられたゴーレムには、操縦者の強さをゴーレムに反映する魔法陣が組み込まれていたのさ~。ボクちんはそれを再現し、さらに改良を加えて、反映率を引き上げたのさ~。だから同じ操縦者が乗れば、出力も装甲ももっと上がっていたはずさ~。まぁ、空を飛んだりは出来ないし、魔法銃の種類は1種類。普通に戦っても絶対勝てないけど、強さは1.5倍だから、嘘なんてついてないさ~」
「こ、この――! 恥ずかしげもなく人間如きが造った魔道具より劣るなどと――よくそんな事を言えますね。それでも魔法を司る神なのですか?」
「そうだよ~? ボクちんはあくまで魔法を司る神であって、魔道具は専門外だって言ったろ~? 別にそこにプライドなんてないさ~。それにしてもあの人間、凄いね~。もしかして、将来魔道具神の座は彼の物になるんじゃな~い?」
「そんな事、あってたまる物ですか――」
「まぁ、ボクちんにはどうでも良い事さ~。用が済んだのならもう帰ってくれるか~い? ボクちんは今、つむじが逆回転になる魔法を生み出すので忙しいんだよね~」
……い、いくらなんでもくだらなさすぎる。
「そ、それも賭博神か誰かの依頼なのですか?」
「え? ううん。何となく思いついただけだけだよ~ん。というか、こんなアホな魔法の製作依頼なんて来るわけないじゃ~ん。馬鹿だなぁ~」
「貴方に言われたくありません!」
この者と話していると、私まで頭が悪くなりそうです――早く帰りましょう。
ふぅ……また別の方法を考えねば……
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