第650話 戴冠式とか王族とか全然詳しくないけれど、

 戴冠式とか王族とか全然詳しくないけれど、確か地球では昔、王とは神に認められた者であるとか、そんな国が存在していたと聞いた事があるようなない様な気がする。

 ので、演出として神様っぽい演出でも入れてやろうと思って、また例のあの御方に出演をお願いしてみる事にした。

 そう、さっちゃん神である。


「さっちゃんさっちゃん。戴冠式で国王陛下から第3王子に冠を受け渡す役をやって欲しいんだけど」


「構いませんよ」


 即答である。


 ノーと言えないさっちゃん。これ、本当に押し付けて大丈夫だろうか? 凄いストレスになってたりしない? 

 ……まぁ、本人が良いと言っている以上良いか。


 という訳で、演出を考えてみる。


 まず王城の上の水球の更に上からさっちゃんがセイグリティアに搭乗して登場……何かラップみたいなってしまったな。イェア。

 ちなみに、セイグリティアの翼は完全に天使のそれに変化したまま戻っていない。

 調べてもよう分からんし、俺はもう諦めた。


 そして、セイグリティアからさっちゃんが飛び出すと、セイグリティアは金色の光の粒子になって消滅(する風に見える様にして次元収納へ収納)する。


 城の向かって左の水柱から局部型パワードスーツゴーレムを着用した現国王が、右の水柱から次期国王である第3王子が、同じ様にパワードスーツゴーレムを着用し、2人が同時にゆっくり降りてくるようにする。

 この際水柱の色を変えてみても面白いだろう。金とかかな? ……成金過ぎか?


 国王と第3王子がさっちゃんより少し先に地面に降りて、膝を付き、その間にさっちゃんが着地する。


 そして、冠を国王の頭からもぎ取って、第3王子の頭をねじ込むという流れでどうだろうか?


 うん、良い感じな気がする。


 第3王子の頭上に冠が頂かれた瞬間に、待機していたドラゴレイムが祝砲の代わりの花火をズドンって感じにしよう。


 そうだ、演出で神衣魔法で生み出した後光を第3王子に背負わせるのも良いな。


 さっちゃんの台詞は~……貴方を新たな国王として認めます、とか? それぐらいシンプルの方が良いよな。

 いや、いきなり出て来て何様だ? というクレームが入るか? 神様だよって言って黙らせればいいか?


 ライティングとかは……またメイド達に変な業務を押し付けるのは申し訳ないし、カボ達に任せるか。

 指示はストローフに任せよう。


 よし、取り敢えず今のところの案をまとめて、サリーにチェックしてもらうかな。



「良いんじゃないかな? アーバン君らしさも十分に出てるし、国王様達の威光も十分演出出来ていると思うよ。食事とか、細かいところはどうする?」


「あ~……食事……」


 すっかり忘れていた。

 そう言えば、諸外国からも来賓とか来るよな?


「アーバン君らしいな~。いいよ、そういうのは私と旦那様でやっておくから。アーバン君はアーバン君のやりたい部分だけに注力して」


「助かります」


「ところで、さっちゃんにはいつもの白いワンピースタイプの衣装で出演してもらうの?」


「え? ええ、そのつもりですが……」


「ダサいとまでは言わないけれど、ちょっとシンプル過ぎない?」


「天使達の服って、全部服飾神様が手掛けていると聞いた事があるような気がしますが……」


「あ、そっか。ごめん服ちゃん。別に服ちゃんの手掛けた服を貶す心算は一切なかったんだけど――」


 作業場の済みで、何やらファッション雑誌らしき物を読みふけっていた服飾神がこちらの会話に気付いて顔を上げる。


「あの服に私の趣味嗜好は一切反映されていないので、問題ありませんよ。あれは注文通り作っただけですから。出来るだけシンプルで、白単色で、且つミニスカートでって感じの注文でしたね。これには女神の”天使如きが女神より目立つような恰好をするな”という思惑と、男神の”女性の天使のパンチラ見てぇ”という下心からきている、クソみ――最低な要望でしたね。むしろアレを制服とさせられた天使は哀れにすら思いますね。結局魔法神が嗜み魔法を授ける事で、男神達のお望みのパンチラはほんの一時的にしか拝めなかったですけどね」


 神って、なんなんだろうなぁ……


「じゃあ、本番でさっちゃんが着る服は私達でデザインしない?」


「良いですね。出来るだけ神々しい感じにしましょうか」


「白を基調とするのは今のままで良いよね? 後は金色のラインを入れようか?」


「そうですね~……あまり金を多くすると下品に……いえ、いっそ金メインでも有りかも?」


「そうかなぁ…まぁ、何パターンか作ってみて、実際にさっちゃんに着てみてもって決めるのが一番いいよね?」


「そうですね。そうだ、序でに素材になるだろうさっちゃんさんの羽も追加でいただけるでしょうか?」


「そうだね。けっこう使っちゃったからね。さっちゃんに頼んでみるよ。ついでに国王様と第3王子様の衣装も私達で手掛けちゃう?」


「いいですね、いいですね。やっちゃいましょう!」


 いや、そのついでの人達がメインなんですが?

 あと、食事とかの準備も任せる予定になってたけど、本当に大丈夫?


 ……一応ニーナにも相談しておこう――

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