第583話 チョコのファッションショーの最中、俺は服飾神に
「ウェディングドレス、ですか?」
チョコのファッションショーの最中、俺は服飾神にヤクトの結婚式の話と、その際に花嫁達が着る事になるウェディングドレスの話をしてみる事にした。
ちなみに、今チョコが着せられているのは、緑色のタンクトップと、小さな赤い野球帽である。
これはサリー的にはどうなんだろうか?
「きゃわいいね~。ほらチョコちゃん、写真を撮るからカメラの方を見て~」
……有りな様だ。
「そうなんです。今度薬神様が、アバターの状態でではありますが、人間の女性2人と結婚する事になりまして、簡単ではありますが式も上げるそうなんです。もし宜しければ、その時に2人が着るウェディングドレスを――」
「作りましょう」
早――
ノータイムでオーケーしてくれたよ、この女神様。
まだ報酬の話などもしてないんだけどな。
本人は服さえ作れればそれで良いらしいが、やっぱり何かしらの対価は支払った方が良いよな?
「それにしても、あの薬神が人間の女性を……意外過ぎますね」
「……見た目が良ければ、人間でも構わないみたいですよ?」
最初は人間を見下して――いや、今でも態度はあんまり変わらないけど。
「……(―――――)に簡単に手の平で転がされるぐらいですからね……ところで、ウエディングドレスを作りには、まず本人達と会って、その女性に似合うドレスをデザインするところから始めたいのですが、会えますか?」
「ええ、直ぐに呼びますね」
と言っても、2人は今はダンジョンに潜っている筈だ――
スマホ……は持たせてないから、念話で呼び出すか。
「なるほど、これだけの美人ならば、人間と言えど薬神が靡くのも無理ありませんね」
【踏まれたタンポポ】の2人を見た服飾神の感想がそれだった。
それ、順番が逆です。
絆されてから容姿を整えてました、あの神様。
「な、なぁアーバン様。この人、服飾の神とまで言われている人物だって本当か?」
……なんか違う。
「貴族用のウエディングドレスとか凄く高価な筈。最近稼ぎが良いとはいえ、私達にはちょっと支払えないかも。です」
「お金はこっちで出すから良いよ。結婚祝いだと思って」
そもそも、まだ報酬の話はしてないんだけども。
……ヘブロムと違って、ゴーレムじゃ満足してくれないだろうなぁ。
そんな俺の考えは他所に、服飾神は【踏まれたタンポポ】の周りをぐるぐると回り、2人の事を舐め回す様に観察している。
「う、う~ん……なんか、肌質や肌色が似すぎててイメージが湧きにくいですね。骨格やら体型も……顔は多少違いますが――まるで無理矢理同じにしたような、変な違和感があります」
……見る者が見ると違和感とかあるのか。
俺的には元を知ってるが故の違和感位しかないが――
「それでしたら、いっその事全く同じデザインのドレスにしてみるのは?」
「それは……なんか負けた気がして嫌ですね。出来れば本人に要望があれば聞いてみたいのですけれど、何かあります?」
「え? い、いや。そもそも平民は普通、ウエディングドレスなんて着ないから……アタイはなんにも知らなくて――」
「私も、あなたにお任せしたい。です」
「そうですか……よし、分かりました。これから神界に戻って仮縫い段階までのドレスを2・30着ほど作って参ります。その中から好きな物をお選び下さい。では――」
言うと、服飾神の体は直ぐにガクンと崩れ落ちた。
安置所で脱いでよ、アバター。
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