第479話 俺の趣味嗜好には全くそぐわないが、

 俺の趣味嗜好には全くそぐわないが、ストローフにゴーレムに乗ってもらうのは諦めて、ボタン1つで魔力量が上昇する魔道具を作った。

 これの存在がメイドたちにバレたら、じゃあ私たちもそっちで、となりそうなので黙っておこう。

 ストローフにも口止めをしておかなければ。


 ボタン1つで魔力量が上昇する魔道具の仕組みを簡単に説明する。

 まず次元収納内に強化ドラゴンを生み出します。

 次に、次元収納の空間を圧縮します。

 強化ドラゴンが消滅します。

 なんとこれで魔道具の作動ボタンを押した人の魔力量が上昇します。

 以上でーす。


 要は以前3機のHMGに搭載した隠し武装と同じような仕組みの装置だ。

 あれを完全に魔力量を上げるためだけの装置に改造した感じである。


 リュウグウノツカイ風モンスターを大量虐殺しておいて今更だが、これは酷いね。

 ドラゴンさんまるで見せ場なしである。

 欠点としては強化ドラゴンの素材が手に入らないぐらいかな。

 まぁ、もう十分すぎる量があるし、ドワーフたちも既に少しドラゴンの素材に飽きてきているみたいだからそれはいいか。


 完全に余談だが、この強化ドラゴンの肉、ギチギチしていてまるで美味しくなかった。


 さて、これでストローフの魔力値は7万ほどまで上がった。

 元々の下地が大切なのか、ストローフの勉強の要領が良いのか、ストローフはオリビエ先生に次いで魔法陣への理解力は高いようだ。

 魔法陣への理解力は高いのだが、真・ゴーレム魔法の方は……なんと言っていいか、一言で表現するならば”酷い”である。


 使えはする。

 使えはするのだが、球体を作ってと言うとぐちょぐちょの気持ち悪い物体が出来上がるのだ。

 こちらも戦闘と同じでセンスの欠片もないようだ。


 ストローフは今はウズの工房の隣に入り口を作った、ストローフの研究室に籠って、俺が過去に作った魔道具たちを研究、再現する事に徹底しているようだ。

 俺にはないアイデアとかで新しい魔道具を作ったりしてくれると面白いなと思うので今後に期待したい。



-----------------------------


 超余談的おまけ話


「おや? アーバン様、これはなんでしょうか?」


 執事が工房の片隅に転がっていた、気色の悪い形をした金属の塊をひょいと拾い上げつつ、俺に尋ねてきた。


「ん? ああ、それ? ストローフさんにゴーレム魔法の練習をして貰った時に出来た金属の塊だよ。後で綺麗にして次元収納に仕舞おうと思って忘れてた」


「ふむ……これはなかなか前衛的な芸術ですな」


「ふぇ?」


 げ、芸術?

 いやいや、いやいやいや。

 呪物って言われても納得の気持ち悪さですが?


「えっと……ジョークだよね?」


「いえ、これは一部貴族が欲しがると思われます。どうです? 試しに匿名でオークションにでもお出しになってみては?」


「ええ~……」


 そんな馬鹿なとは思いつつ、執事が冗談を言っている風にも見えないので、執事と俺のどちらの物を見る目が正しいか、物は試しとオークションに出品してみる事にした。

 もちろんストローフには許可を貰っている。


 結果、見る目がないのは俺の方だったようで、そこそこの額でそれは売れた。

 購入したのは80歳ぐらいの老人らしい。

 なんでも加工して杖の持ち手の部分にするのだとか。


 呪われても知らんよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る