第335話 相変わらず黒い石のような物体がどうにも出来ない。

 相変わらず黒い石のような物体がどうにも出来ない。

 

 ダンジョンのコアはその石に覆われているので、コアを調べるにはまずはこの石をどうにかしなければいけないのだが、斬りつけても焼いても冷やしても、ゴーレム魔法でもどうにもならん。


 その石だけを次元収納に収納する方法に行きついた。

 普通に収納すると、当然中のコアまで収納してしまうので、石に専用の魔法陣を描き込んで、それに対応する次元収納を用意した。

 これはパワードスーツゴーレムなどを収納している次元収納に使用している魔法陣の応用なのでそれほど苦も無く成功した。

 石が魔道具化出来る物体であったので助かった。


 その石の中から出て来た物体だが、金色の球体だった。

 多分ダンジョンやらメシュエルやらを作った、メシュエル曰く神と呼べる存在とやらは金ピカが好きだったのだろう。


 この金色の玉、略してキンタマは魔道具では無い様で、どこにも魔法陣の存在は確認出来なかった。

 …何も略す事はなかったな。

 それと縮小の魔道具も効かないようだ。


 金の玉にもゴーレム魔法は効かず、形を変える事は出来ない。

 ただ、ダンジョンの魔法陣を解析した結果、この金の玉から魔力を抽出するのは簡単だった。

 

 俺的にあ魔力を生み出す魔法陣を期待していたのだが、手に入った物は魔力を生み出す物体だったわけだ。


 別にユースフルを動かすのは俺自身の魔力で十分だし、この金の玉を何に使おうかなと考えて、取り敢えずここの周辺に作った施設を動かし続けるのに使う事にした。

 ついでにここに残る予定のカボたちの充電にも使えるだろう。

 はじめは全機に極彩色の羽を取り付ける予定だったが、これなら周辺からリュウグウノツカイ風モンスターが絶滅するまで狩りつくしたりする必要は無いだろう。


 あれ?仕組み的にはここら一帯がダンジョンって事になるんじゃないか?

 ま、いいか。

 どうせだから常時魔力を消費しまくる施設をいっぱい作ろう。

 ロボっぽいゴーレム魚が泳いでいる水族館とかも造っておこう。ロボゴーレム好きのカップルがデートにでも使ってくれると嬉しい……いるかな?


 それにしてもカボのうち数機がここに自らここに残る提案をしてきたときは少し驚いた。

 受付や案内係がしたいとか、そういった内容にではなく、自ら何かをやりたいと申し出て来たことにだ。

 もしかしたら俺の下でコキ使われるよりここに残った方が楽とか、そんな理由かもしれないが、カボたちの意志を尊重してあげよう。


 特に闘技場で敵役を買って出たカボは良い。

 敵っぽいデザインのロボゴーレムを造ってプレゼントしておいた。

 バネの様な8本の足を持つ蜘蛛っぽい印象を与えるゴーレムだ。

 あとゴリラっぽい印象のロボゴーレムとか、手が14本あるゴーレムとか造っておいたので他のカボたちにも是非使って欲しい。


 さて、思ってたのと違ったのは残念だったか、目的のコアも見つかったし、造りたい物もある程度造ったしで、数日後にはここを離れネフィス邸に返ろうと思う。

 そこで問題なのはメシュエルだ。

 連れ出した手前俺が面倒を見るべきなのだろうが、ネフィス家ってペットOKなのだろうか?

 メシュエルは世界を見て回りたい的な事を言っていたが、放し飼いは良くないよな?


 「メシュエルはこの後どうしたい?」


 一応本人の意志を確認しておく。余談だが敬語は止めて良いと言われたので止めた。


 「どう、と言われてもな……」


 「良ければうちに来る?世界を見て回るにしても、まずは色々勉強した方が良くない?いきなり放りだされても困るだろ?それに、俺は空飛ぶ船で色々な場所に行ったりしてるから、俺と一緒に居ると、世界の色んな場所に行く機会も有るかもよ?」


 「……1人は寂しいからな……お言葉に甘えて当分は世話になろう。よろしく頼む」


 食住の代わりに魔力の提供をよろしくね。と心の中でお願いしておく。


 「「「やったー!」」」


 俺とメシュエルの会話を盗み聞きしていたメイドたちが飛び出て来てメシュエルに抱き着く。


 「アーバン様!メシュエル様のお世話係は是非我々メイドにお任せ下さい!」

 「当番制で受け回ります!」

 「アーバン様、メシュエル様用の住まい等建てられるのですか?」

 「もふもふもふもふもふ」

 「メシュエル様ってお散歩とか必要なのかしら?」

 「ネフィス家の家族だと分かるように印が必要よね?尻尾にリボンを付けましょう!」


 もう俺がすぐそばに居てもお構いなくはしゃぐメイドたちに、メシュエルは諦めて身を委ねている。

 というか凄いねキミ等、普通のメイドさんはライオンなんて怖くて近づけないと思うんだけど。ドラゴンを相手にさせたせいで感覚がおかしくなっちゃったのかもしれない。

 とにかくウチのメイドはお酒とライオンが大好きな変わった娘たちのようだ。


 実は俺がライオンより虎派だという事は黙っておこう。

 

 お世話と言っても餌もトイレの片付けも必要ないようだけど、ここで止めたら俺がメイドたちに嫌われそうだから彼女たちの好きなようにやらせてあげよう。

 …ごめんよメシュエル。俺に彼女たちを止めるのは無理だ。

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