第325話 およそ100体の重機ゴーレムとカボを用意していると丸一日経過してしまった。

 およそ100体の重機ゴーレムとカボを用意していると丸一日経過してしまった。

 何で城を造るより時間が掛かっているのやら。

 原因の1つはカボの我が儘だったたりする。


 [可愛クアリマセン、デザインノ変更ヲ希望シマス]


 と駄々を捏ねたのだ。

 俺的にどの重機ゴーレムもデザインが気に入っていたので変更はしたくなく、苦肉の策としてカボたちには別途可愛らしい容姿のボディを作り、そのボディを重機ゴーレムにはめ込むと、今度は重機ゴーレムが動くようにした。

 これでとりあえずカボたちは納得していたが、でもそれ、結局最終的な見た目は最初の重機ゴーレムと一緒……まぁ本人たちが良いのなら良いか。普段は重機ゴーレムと分離しておけば良いしな。普段は重機の方をカボのボディの次元収納に仕舞っておくようになっている。


 街づくりの方はそれらのカボと、ゴーレム魔法を使えるメイドのうち4人に任せ、1人は俺の手伝いをして貰う。

 そう、結局5人共俺の趣味を手伝ってもらう事にした。

 だからメイドの業務の方の人手が足りなくなるだろうからと、メイドカボを造って手伝いに回そうかとしたら拒否されてしまった。

 皆ダンジョンやら調査やらでニーナレーアを離れているから人では足りています、だそうだ。


 そんな街が生えていく景色を眺めながら…あ、街が生えるってこの事か。

 とにかく俺はちょっと造りたい物が出来たのでそれを造る。


 まず地球儀を思い浮かべて欲しい。

 大体の人はそのイメージに支柱があると思うからその支柱を取っ払う。

 そして地球の部分を水に置き換えて、それをとにかく巨大化して欲しい。

 それである。


 ようするに巨大な球状の水の塊を維持したい。


 それを何に使うかと言うと、アクアゴーレムの様な水中用ゴーレム専用のスタジアムにしたい。

 海中で戦っていた時、ちょっと姿が見えにくかったので、存分にその姿を堪能する事が出来なかったのが、これを造ろうと思ったきっかけだ。


 その水球を生み出せる魔道具を3基造る。

 台座の部分の造形に凝って、水球が映えるように作ってみた。

 これにもメイド達は綺麗だと誉め言葉をくれるが…

 俺は分かったよ。多分彼女たちは綺麗な物に飢えているのだ。俺の作る物が特別美しいとは思えないから、あれだ、お腹がすき過ぎて何食べても美味しく感じる奴だ。

 帰ったら美術館のチケットでもプレゼントして上げよう。

 

 その他にも三日月島に作ったような闘技場も作ったり、空中にリングを設置して空中レース用のコースを造ったりしている。


 俺は思ったのだ。

 アーキセルがカドゥレーンを黙らせて、今後は搭乗型ゴーレムの出番はモンスター駆除と他国への牽制の為ぐらいにしか使われないのではないかと。

 まぁそれは良い。

 しつこい様だが俺は戦争が好きなのではなくロボットが活躍するところが見たいだけなのだ。

 だったら別にロボットたちが活躍する場を作ってやれば良いと。


 三日月島でゴーレム闘技場を造った時。

 いや、或いはもっと前、文化祭の時にゴーレム大会を開催した時に、俺の中にその考えの種はあったのかも知れない。


 と言う事で、この地にはロボットを楽しむための施設を造ろうと思う。

 もちろんロボットたちに似合うようなデザインで。


 最初はパイロットは全てカボにやらせれば良いかと思ったのだが、やはりそれでは寂しい。

 第3王子の様な熱いパイロットが居ればそれだけで盛り上がるし、多くの人間が搭乗型ゴーレムに乗るようになれば、皆がガステアがどれだけ凄いかを理解し、いずれ彼は搭乗型ゴーレム競技の神様と呼ばれる存在になるだろう。


 最初は全て俺が作ったゴーレムの貸し出しになるが、やがてこのムーブメントが広がって自分で搭乗型ゴーレムを造れる人間が現れれば、自作ゴーレムで強さ、早さを競う部門を設けても良い、というか設けたい。


 もともと娯楽は少なめなこの世界だ。きっと熱狂してくれる人も多いだろう。


 そうやってゴーレム競技の人気が出れば、観客が入ったり、中継されたりしてスポンサーなどが付き、ゴーレムのプロパイロット、プロゴーレラーが生まれる事だろう。…ゴーレムンジャーなみに語呂が悪いなプロゴーレラー。

 

 などと言う夢が広がるが、当然問題は多い。


 まず人。

 今のところ競技人口がとことん少ないこの競技、パイロットをどうやって確保、育成するからが問題だ。

 最初のうちはスポンサーなんて付かないだろうしな。

 いっそ素行の良い奴隷を買い漁ってパイロットにしようかな。

 ……なんか、コロッセオで無理矢理殺し合いをさせているみたいなイメージになるな、これ。別に命の奪いはさせないけど。

 住む場所は今造っている街を使えば良いか。あ~でも、ここって俺の土地って事になるから、住めるのは領民だけって事になるのか?

 今は当然領民はゼロ。

 移住者を募ったとして、この死の大地みたいなイメージの土地に越して来たい人なんているか?

 というかそうか、今ここって開拓村って扱いになってるのかな?ますます来たがる人なんていなそうだな。

 やっぱ奴隷か?いや、でもイメージが…う~ん。


 後は魔道テレビの発明とか、それを一般の魔道具師でも量産出来るまで簡単な魔法陣の簡略化とかしないとな。


 立地問題もあるよなぁ。先も言ったがここは死の大地みたいなイメージの土地だし、ここにくるまでにも強力(一般的には)なモンスターがうじゃうじゃいる場所を突っ切って来ないといけない。

 ネモフィスでも使えば問題は無いが…もしそれらの運航が止まれば一瞬でモンスター軍団に囲まれたクローズドサークルの出来上がりだ。近づきたいと思う人間は少ないだろう。


 第5王子に相談……流石に過労で倒れるか?

 先ずはネフィス家の人々に意見を求めてから、かな?


 どちらにしろ完成後しばらくは全ての建物は仕舞っておく事になるだろうなぁ…


 あれ?俺って何をしにここに来たんだっけ?

 あ、そうだそうだ、ダンジョンのコアが欲しいんだった。


 イブたちは今頃何階層だろうか?

 次の定期連絡が楽しみだ。


 しかし、その定期連絡は衝撃的な内容だった。


 『エファンが戦死致しました』


 ……は?

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