第306話 最近、ミニゴーレムの売り上げは好調なのだが、ちょっと気になる事がある。

新年あけまして、おめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。


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 最近、ミニゴーレムの売り上げは好調なのだが、ちょっと気になる事がある。

 お客が固定されてきた事だ。

 新作を出す度に売れはするのだ、だが、いつも同じ人が買ってくれる。

 それは勿論大変嬉しいのだが、俺的にはロボをこの世界に普及させたいという思いで販売しているので、このままではちょいと良くないと思い、新しい商品について考えてみた。


 ミニゴーレム同士の戦いは、例えば格闘ゲームかラジコンか、そのどちらかが好きならば楽しめると思う、ただ、ロボが好きでも自分はそう言う操作はあまり好みではない、或いはヘタクソだから楽しめないという人もいるだろう。

 そういう人は、多分今も買って鑑賞用にしてくれていると思うのだが、どうせなら動かして遊びたいだろうし、俺だってそういう風に遊んで欲しい。

 そんな人でも遊べように、また新しい顧客獲得の為に考えたのがコチラ。


 駒を動かして遊ぶボードゲーム。


 ただし、この世界、チェスの様なボードゲームはあるにはあるがあまり普及していない。遊んでいるのは貴族の中の1割程度だろう。

 昔誰かが同好の士を探すのが大変だとボヤいていた。


 なので出来るだけ複雑さを回避するために、まずマスを少なくした。

 5×5マスのボードにプレイヤーは駒となるゴーレムを配置して遊ぶ。


 配置する駒にはそれぞれコストが決められており、そうコスト数が既定の範囲内に収まるように駒を選ばなければならない。

 例えば、コスト1の駒は1マスだけ動け、コスト2の駒は2マス、コスト3の駒は前後左右には3マス進めるが、斜めには1マスしか進めないとかそんな感じだ。


 コストは最初にプレイヤーが設定し、どちらかのプレイヤーがそのコストをオーバーしているとゲームが始まらない。


 …最初に複雑さを回避しようとした癖に、既にちょっと複雑になりかけてはいる気もするが、流石にシンプル過ぎるのも避けたかったのだ。


 駒は当然ゴーレムなので、手で動かすわけでは無い。予め決められたマスにしか移動出来ないが、盤上を歩いて移動するのだ。

 一応攻撃モーションも付けておいた。といってもシンプルに剣を振ったり、例えば3マス前に進めるタイプの駒なら、魔法銃で1発撃ってから敵を倒してから進む、など簡単なモーションしかしない。

 攻撃を食らったゴーレムはその場で倒れて、倒れたゴーレムはプレイヤーが手で除外する必要がある。

 ちなみにミニトワイライトはコスト10で最高値、ミニヨルレアはコスト8、この2体は最大コスト値を20以上にしても自陣営に1体のみとする。ミニHMGはコスト3とか、そんな感じで実際に稼働しているロボ型をメインに作っている。

 もちろん別バージョンもあるし、駒だけガチャで販売何て手も……は!いかんいかん、つい商売の事を考えてしまったが、流行らせたいだけなので、ガチャを使うのは……有りと言えば有りか。

 その辺はサリーとかニーナ、チラズに相談しよう。


 尚キングは設定せず、相手の駒を全滅させた方の勝ちになる。

 ただこのルールだと無限に決着が付かない可能性があるので、50ターン経過でその場で残っている駒の総コストが高い方の勝ちとなり、負けた方の駒はその場で全て倒れる。


 さて、これはロボを浸透させたいから作った物なので、当然プレイヤーが使う駒は全てロボ型ゴーレムなのだが、ここでちょっとアピールポイントを紹介しよう。


 なんとこのボードゲーム、CPU戦が可能なのだ。

 CPUの駒は、ロボ型ゴーレムも使えるが、CPU専用としてモンスターも使う事が出来る。

 こちら、オリビエ先生が3Dプリンター用に魔法陣化してくれた物を使用している。


 今は色んな人間と対戦させて、棋譜を覚えさせている所だ。


 ちなみに、俺も最初は楽しくて色んな人間と対戦したのだが。

 俺はトランプの様に運が絡まないゲームはめっぽう強いらしく、オリビエ先生以外誰も対戦してくれなくなってしまった。

 ちなみに、オリビエ先生もやたらと強いらしく、俺とオリビエ先生だけ対戦相手が固定されてしまった。


 「婿殿!今度こそ私が勝ってみせます!もう一戦お相手願います!」


 …固定された相手に何故かヌゼも入っている。

 ヌゼは結構このボードゲームを気に入ってくれているらしく、ニーナや、サリー、コーネリア、チラズ、オリビエ先生、使用人、イブたち、兎に角手が空いていそうな人間を見つけては勝負を挑んでいる。


 「騎士ゴーレムバージョンも作りませんか?絶対に人気が出ると思うのですが?」


 とか言ってくるのが余計だ。

 ロボだから意味があるんじゃ~ん。

 

 カドゥレーンの件も片付いて、ヌゼもコーネリアも通常勤務に戻って、あの人、あれで仕事もちゃんとしているらしい。

 ……ひょっとしてヌゼは2人居るのかも知れない。

 初めて会った時の方のヌゼが今も仕事をしているのだろう。

 冗談だけど。


 「婿殿、もう一回!もう一回だけ!」


 ……ニーナに遊んで貰いなさい。


 ところで、ここまでの話しで分かる通り、このボードゲームは全て魔道具で出来ているので、とてもでは無いが平民には手が届かないお値段に設定せざるを得ない。

 そこで、魔道具ではない通常玩具バージョンも考えてみた。


 こちらはお値段はお手ごろだが、それでも平民からすると少し高いかも知れませんとオリビエ先生に言われている。

 素材はほぼ謎金属で賄っているので材料費はタダ当然なので、もう少し下げたいのだが、これ以上下げるのも良くないとサリーやニーナやチラズに止められている。


 魔道具では無い方のボードゲームはヨルレアをキングとした王取り合戦、で駒は全部で5種類しかなく、シンプル。

 詳しい遊び方は図解したりして分かりやすくしているが…果たして流行るだろうか。


 なお平民相手の販売ルートだが…実はまだ確立していない。

 一応オリビエ先生の実家のパン屋の隅に試しに置かせて貰う事になったが…

 流石にパンを買いに来たお客とはニーズが嚙み合わなすぎるよなぁ。


 それと、今までの魔道具と違い、こちらは直ぐに真似出来るからと販売前に特許をとっている。

 …まぁ、取っていると言っても、俺はいつも通り必要な署名を数か所しただけで、後はチラズがやってくれているわけだが。

 感謝感謝。

 

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