第204話 ダンジョンで手に入れた肉やら果実やら飴玉やらだが、
ダンジョンで手に入れた肉やら果実やら飴玉やらだが、どうしたものかと唸っているとサリーから提案を持ち掛けられた。
「面倒な事は誰かに丸投げしちゃえば?前に話してた虹色の液体の実験とかも。普通そういうのって奴隷とかで実験する場合が多いと思うけど、アーバンくんはそういうこと奴隷にさせるの嫌でしょ?」
怖い事をサラリと仰る。元冒険者たちで実験するのは論外だが、別の奴隷を買ってきてその奴隷たちで実験するのも確かに抵抗がある。
まぁ、大量殺人とかの罪で奴隷落ちした犯罪奴隷とかなら別に心は痛まないかも知れないけど。それを自分で行ったり元冒険者たちにやらせるのは確かに嫌だ。
「丸投げと言っても誰に?」
「勿論今まで通り第5王子、つまり私の婚約者様だよ」
という事で全部第5王子に丸投げする事になった。
虹色の液体については今までの実験記録、というかイブの報告書に書かれていた内容をメモ書きとして添えて、現物10本。その他、果実と肉類と飴玉の現物をそれぞれ3つずつを王城の第5王子宛てに送り付けた。残りは冷凍保存しておく。
さて、ゴーレムに関係ない実験やらなんやらは第5王子に丸投げするとして、俺はゴーレム関連でやりたい事をやる事にする。
カボの学習も十分なので、そろそろヨルレア・フェーレに搭載したいのだが、ちょっと愛着も湧いて来たので手元に残しておきたい気持ちもある。という事でヨルレア・フェーレ用に魔法陣を描き写した。知識の部分だけを残してその他は色々と変更、 マッピング機能には少し改良を施して、ダンジョンの外でも地図を作製出来るようになった他、照準の補正などの機能を搭載したが、よくよく考えたらヨルレア・フェーレには胸の雷魔法(いつの間にか螺旋雷という名前がついていた物)以外に遠距離攻撃の手段が無いので、セミレンジのビームライフルを待たせてあげよう。一応完全にエボに操縦を任せる事も出来るが、操縦者の承認、或いは気絶か死亡が確認された時のみ、帰還の為に動かす以外の条件では操縦出来ないように制限を設けている。
性格にも若干の違いが出るようにしている。声はエファンに協力して貰った。
[私は、エボ。搭乗型ゴーレムでの、戦闘、及び、操縦の、お手伝いを、させて頂きます]
現在は箱型のそれが挨拶をしてくれる。
エボは当然エファンボイスの略だ。
エファンにボイス収録のご褒美に何か欲しい物はあるかと尋ねると、
「街の男の子の間で流行っているベルトが欲しいです!」
と即答されてしまった。
待って、そのベルトってもしかして―――
「それ、もしかして第3王子がしてたベルト?」
「はい!今街の男の子の間で、あのベルトを着けて第3王子ごっこをするのが流行ってるって聞きました」
知ってる。知っちゃてる。
「で、でも最近王子はあのベルトをしてないだろ?」
「そうなんですか?第3王子様を直接見たことが無いのでわからないです」
どうしよう。あんなダサいベルトをエファンに着けてほしくはないぞ。でもベルトのデザインを変更したら意味無いよなぁ、エファンは多分王子ごっこがしたいだけだろうし。
ただ念のために確認はしておこう。
「……な、なぁエファン。あのベルトのデザインってどう思う?」
「え?デザインですか?」
「そう、格好良いとか、可愛いとか、ダサいとか、どんな印象を受ける?」
「う~ん………カッコわるい、かな」
おっ!良いぞエファン、やっぱりエファンの感性は俺に似ている!
「そ、そうだね、格好悪いよね。そこでどうだろう、俺がもっと恰好良いデザインのベルトを作ってあげるよ」
「カッコイイの!?あ、でも………第3王子ごっこ……」
やはりエファンは別にベルトその物が欲しいというわけじゃ無くて第3王子ごっこがやりたいだけのようだ。もしかしてダンジョン探索で街に向かった時にお友達でも出来たのかな?いや、写真や報告書(ほうこくしゃエファン)を見る限りそんな様子は無いな。むしろ友達づくりのきっかけが欲しいとか、友達と遊んでいる子が羨ましいとかそんな感じだろう。
さて、どうしたものか。
……たとえば、王子が別のカッコ良いベルトを付けて、その姿絵が街で流行ればそっちのベルトが主流にならないかな?第3王子に新しいベルトを送ってそれを常に装備してもらう。しかし理由付けはどうしよう、今更毒無効の魔道具はやはりベルトタイプにしたい何て言えないし。
そうだ。エボの学習の為にも出来るだけ色々と見て回れる方が良いが、ミニゴーレムの姿で城内を勝手に歩き回らせるわけにもいかないだろう。録画録音、さらには城内の正確な地図まで作れてしまうからな。また第3者が悪意を持ってエボに近づくのも避けたい。
そこでエボを王子のベルトのバックルにしてはどうだろうか?録画録音は王子の任意でオンオフ出来るようにしておけば、勝手に機密情報を盗んでしまう可能性もなくなるだろうし、第3王子抜きに第3者がエボに近づく事も出来ない。
ヨルレア・フェーレに乗り込む時はバックルを取って差し込むだけでヨルレア・フェーレに連結出来るようにしておこう。
王子にはエボの学習の為に出来るだけ常に身に着けておいて欲しいと頼めばいけるのでは?ついでにベルトのサイドにパワードスーツゴーレムを次元収納に格納しておけるようにしよう。流石に変身みたいに一瞬で装着するようにするのは――いや、出来るな。……やっちゃうか。装着と同時にエボをパワードスーツゴーレムに移動するようにしよう。逆に解除する時もバックルに自動で戻るように……ああ、でもこれらを全部か描き込むとベルトがとんでもなく分厚く――縮小の魔道具があったんだった。出来るな……よし、やろう。ついでに元冒険者たちの分のパワードスーツゴーレムも一瞬で装着できるようにしてあげれば便利そうだ。
おっと、今はエファンのご褒美が先だった。とりあえず新しいベルトが流行るまではクソださベルトをプレゼントしておこう……嫌だけど。
このベルトは一瞬でヨルレア・フェーレを模した形のパワードスーツゴーレムを一瞬で装着出来るように――いや、友達作りにはかえって邪魔か?そうだ、前に録音されてた第3王子の独り言が流れるギミックを付けよう。本人の許可は……盗聴した音声の録音だから無理か。ちょっと加工して誤魔化そう。
ちなみにエファンに何で街でベルトを買わなかったのかを尋ねてみたところ、奴隷に与えられている資金は全てダンジョン探索の為に使うべきで、関係の無い物は買うべきでは無いとイブに諭されて納得していたらしい。
別に好きに使ってくれて良いのに。
ということで、エファンにベルトをプレゼント。
「ありがとうございます!アーバン様!」
満面の笑みだ。
うむ、これにはアーバンさんもニッコリである。
「エファン、魔力を流しながら横のボタンを押してみて」
「はい」
『ヨルレア・フェーレ、出る!』
「おお~!」
『螺旋雷っ!!』
「か、カッコイイです!」
「だろ?沢山遊んでね」
「はい!」
エファンはベルトのボタンを連打しながら寮に駆けて行った。
さて、俺は冒険者たちの為に瞬間的にパワードスーツゴーレムを装着できる魔道具の製作に取り掛かろう。おっと、第3王子に手紙も書かないとな。
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