第181話 最近ちょっと慌ただしい。
最近ちょっと慌ただしい。
まずチラズから手紙が届いた。無事に親から許可が貰えたので、卒業後は正式に俺の元で働かせて欲しいという内容だった。賃金とか細かい交渉は実際に会ってからになるが、取りあえず住む場所は工房の寮と言う事になった。
次にイブにせっつかれていた魔力残量を数値化する魔法陣を完成させた。
試しに魔力が減ってない状態の色んな人の魔力量を計ってみた。
まず俺の数値が5400。続いてオリビエ先生が700。次にコーネリアが670。ヌゼが520で、サリーが500。ニーナが120と言った具合だった。
使用人の平均は大体100ぐらいだった。
あれ?ヌゼはサリーよりも魔力量が少ないと思ったんだが、そうでも無いようだ。ゴーレムに流す魔力に無駄があるからヌゼの方が早く魔力切れを起こすのだろうか?
分からん。
肝心な元冒険者たちは、イブが980、ウルドが440,アノーレが390、エファンが350という結果だった。
実際には多少魔力が減った状態で計った人もいるだろうが誤差の範囲だろう。
別に魔力量が多いと強いとかは無いと思うけど、凄く大雑把な指標にはなるかも知れない。
この魔力計をパワースーツゴーレムの腕部に組み込む。
装着した日にはイブがダンジョンに行かせろオーラ全開だった。
もしかしてダンジョンマニアの方なのだろうか?
イブには悪いが俺はダンジョンに10日潜らせた後は最低でも10日の休みを押し付けると決めている。あと2・3日休んでね。
次に本邸の至る所にエアコンを設置。それとお風呂場にシャワーを設置。
……いや、本当にニーナは何処から嗅ぎつけているんんだ?怖いんだが?
ついでに工房と従業員用の寮にもエアコンと仮設シャワーを設置。
更についでだから使用人の住まいにもエアコンとシャワーを設置。
メイドたちがめっちゃチヤホヤしてくれる。これだよ!俺が求めいたリアクションは!!今度から何か魔道具を設置する時は使用人の住まいを優先しようかな。気持ちいいし。
……ニーナの反応を鑑みるに本邸の次にした方が良いかな?実際に使ってみてもない魔道具を行き成り本邸で使うのも危ないか?
ニーナに確認を取ってからだな。
そうこうしているウチに元冒険者たちが、第2回ダンジョン探索の為に出発する日が来た。今回もダンジョンに潜るのは10日だけとしてある。
ちなみに、装備やアイテムで前回と違う点はパワードスーツゴーレムの腕に組み込んだ魔力計と、アノーレの強い要望で持たせた簡易魔道トイレとちょっとした目隠しだけだ。完全に姿が見えなくなるような物は駄目なんだそうだ。つまり人に見られながらのトイレ……う~ん……背に腹は代えられないのだろうが……う~ん。
前回とそんなに違わけで、当然成果も似たような結果に終わるのではと個人的には思うが、何故かイブは自信満々だった。自信があるのは良いが無理はしないようにお願いしたい。
「アーバンさま!お土産の写真いっぱい撮って来ますね!」
………………
「エファン。前回エファンが街や宿で撮ってくれた写真を俺は甚く気に入った。ダンジョンの中の撮影は他の3人に任せて、エファンは街の写真や、皆の写真を沢山撮って来てくれると嬉しい」
「はい!わかりました!!」
うんうん、良い返事だ。出来たらイブとアノーレの写真多めで頼むよ。
「それでは、行って参ります」
「ああ、4人とも気を付けてね」
こうして再び4人を見送った。
次に次元収納の肥やしになっていた魔道車を使う許可取りを始めた。
実は最近コーネリアとヌゼがお疲れ気味なのだ。
理由は連日ゴブリンとの激戦を繰り広げているから、では無い。
2人ともむしろゴブリンに歯ごたえが無さすぎるせいでツマらないとボヤいていた。
お疲れなのは移動の所為だ。
2人とも現場まで搭乗型ゴーレムに乗り込んで直接向かう事が多い。
これは既に存在を公にしている事で隠す必要が無い事と、簡易小型次元収納に搭乗型ゴーレムを格納すれば馬車に乗せて移動する事は可能だが、馬車では時間が掛かり過ぎるという理由からだ。
巨大なゴブリンは主に南東からの出現が多いらしいが、時に東、時に南出現するので、2人ともかなりの距離を走って移動しまくっている。
……それでも2人ともスラスターやジェットパックを嫌がるんだよなぁ。断固拒否って感じでもないんだけど、出来たら装備したく無いようだ。なんでやねん。
という事で、運転手を付ければ移動中は車内で休めるし、馬車と比べてかなりの速度が出せる魔道車の出番というわけだ。
先ずはヌゼとニーナ、それとコーネリアとサリーに魔道車の実物を見せて軽く説明。
「というわけで、父には使うならば王家に同型を献上するか、ネフィス家に正式に婿入りした後にネフィス家で使うのが先だと言われ、今まで次元収納にしまっておいた代物です」
「馬の要らない馬車?な、なるほど?」
「まぁ車輪の付いたゴーレムだと思って頂ければ良いかと」
「ああ、ゴーレム」
今ので納得するんだ。まぁ話が早くて良いけど。
「それで?アーバンは同型を王家に献上する準備は出来たのかい?」
「え?父にはネフィス家に婿入りした後なら献上する必要は無いみたいな事を言われましたが」
「まぁ、後ろ盾の殆ど無い陞爵したてのグランシェルド家と比べると、確かに献上するメリットは無いに等しいが―――アーバン君は王家に魔道車を献上したくないのかい?」
「メリットが殆ど無いのに献上したがる人間がいます?」
「……アーバン、他所では出来るだけ本音を隠してくれよ?」
「勿論です。それぐらいの分別は……ありますん」
「それはどっちなんだい?」
「まぁ良いじゃないかコーネリア。婿殿は既にヨルレア・フェーレを献上したのだ。その見返りだって目に見えて貰っているわけでは無い、ここで下手にさらなる献上品を渡せばそれこそ王家の顔に泥を塗る結果になるかも知れんぞ?王家は献上品に対して碌な見返りも渡せないほど落ちぶれてしまったのか?とね」
「因みに私が王家にヨルレア・フェーレを献上した時の見返りとは?」
「王家の後ろ盾の約束と、後は公の理由としては公表されていませんが、第2王子の王位継承権が第4位に下がった事でしょうか」
「第2王子の王位継承権が?」
「アーバン、まさか知らなかったのかい?」
「初耳ですね」
「……」
「こちらは見返りというか、誠意を見せたという形ですね」
「別に第2王子の王位継承権の順位に興味は無いのですが?」
「そうですか?もし第2王子が王位を継いだら、アーバン殿に全てのゴーレムを王家に献上しろ何て阿呆な勅命を下しかねませんよ?」
「……それは許せませんね」
「そうでしょうとも!私とてリストゥエラを寄こせなんぞと言われれば、例え国と戦う事になってもリストゥエラを守り抜いてみせます!」
「……父上、質の悪い冗談は止してください」
「コホン―――冗談だったら良いな!」
「父上?!」
「とにかく、そう言う事なので王家にはこの馬の必要ない馬車の存在を報告する必要はありますが、献上の必要はありません。ところで、早速操作してみても構いませんか?」
「ええ、最初はゆっくりと走る事と安全運転を心掛けて下さい」
「心得た」
「あっパパ、次私ね」
「ではその次は私も」
「ああ、わかった」
基本ゴーレムなので、教えることはあまりない。
操作感覚に慣れて貰う以外に指導も出来ないのだ。
というかちゃんと例のゴブリンまでの移動の運転は使用人にやらせるんだぞ?自分で運転したら意味ないからね。
「あ、お義母様も操作してみますか?」
「いえ、私は遠慮しておきます」
ぬぅ。やはりニーナは頑なに操縦する系とは関わろうとしない。
トイレにはあんなに食いついたのに、残念。
ただ、最近気づいたのが、ニーナはゴーレムで遊ぶヌゼを見ている時、どこか楽しそうなのだ。
いや、俺の気の所為かな―――
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オリビエの魔力値を700に変更しました。
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