第160話 今更?と思うだろうが、俺がいる国の名前はアーキセル王国という。
今更?と思うだろうが、俺がいる国の名前はアーキセル王国という。
イゼルニア大陸の西にある大国で、周囲を4つの国に囲まれている。
北に位置するウェインは土地は広大だが、正直それだけ、人口も少なく資源もそれほど豊かではない。
東に位置するエカリテは豊かな国だ。人口はそれほど多くなくないが、過去100年は飢餓に苦しめられた歴史は無いそうだ。
南東に位置するオーヘイム帝国はかなり小さな国だ。なんでも数百年前はかなりの強国だったらしいが、調子に乗って各国に戦争を吹っ掛けまくった結果、4つの大国が同盟を結んで返り討ちにあい。それまでの賠償やらで国土の殆どを没収されたのだとか。面積の割には人口はアーキセルに次いで多い。
南に位置するカドゥレーンは謎の多い国だ。鎖国的でアーキセルとは交易なども殆ど行われていない。人口はウェインよりも少ないと言われている。
で、なぜ今更地理のお勉強なのかと言うと。
「どうも例のゴブリンを生み出しているのはオーヘイム帝国だという噂が広まりつつあるようだ」
とヌゼが朝食の席で言いだしたからだ。
それ、お仕事の話?家族とはいえ外部に漏らして良い情報?俺は安心して聞いて良いのか?いや、どちらにしても別に聞きたくはないが。
「噂が広まりつつある、とは?」
あまり興味はないが、無視してはヌゼが可愛そうなので取りあえず尋ねる。
「民たちの間で流れている噂です。ゴブリンの出現する場所が南東に固まっていることからそんな噂が流れているらしいのです」
「何故民たちがゴブリンの出現場所を把握しているのですか?」
「……おそらくですが、わざと情報を広めている奴らがいるのでしょう」
「父上、それはつまり本当にゴブリンを生み出しているのはオーヘイムでは無いと言う事ですか?」
「どうだろうな。そう思わせたいだけかも知れんし、ゴブリンの出現場所も目撃情報などから民たちが割り出しただけの可能性もある」
「ゴブリンの出現個所は本当に南東に多いのですか?」
「はい。実際に7割がオーヘイム側から確認されています」
7割、オーヘイムに疑いの目を向けさせたいなら十分な数字だが……
正直微妙。別の国の作戦だとして、ワザと10割に近づけなかったのか?それともこれ以上の数値は不可能だったのか?それとも本当にオーヘイムの仕業だろうか?
……うん。分からん。考えるだけ無駄じゃね?
そういうのは騎士団に頑張って貰おう。
俺はそろそろ卒業するチラズ用に搭乗型ドラゴレイムを作りたいのだ。
小型タイプで80センチ、100キロを超えるドラゴレイムだ。搭乗型はド迫力サイズで作りたい。
そうだ、折角うじゃうじゃ巨大ゴブリンが居るんだ、チラズにドラゴレイムで出撃して貰って広告塔になって貰うのもありだな。この国の人間に騎士タイプ以外のゴーレムにも慣れて貰いたいし。ドラゴレイムのミニゴーレムの量産も今のうちに始めようかな。こちらはカスタムパーツは少なめにしよう、武器のハンマーとかアックスとかだけで良いかな。ジェットパックはセット売りで。3Dプリンターの台数を増やそうかな。
実家用の搭乗型ゴーレムも作りたいし、やりたいことが多い。あ、オリビエ先生専用機も作りたいな。
HMGシリーズの売り上げも落ち着いて来たし、そろそろ製造個数を減らしても良いだろう。そちらの人手を減らして搭乗型ドラゴレイム作りを使用人に交代で手伝ってもらおう。
よーし、さっそく明日からドラゴレイム作りを始めるぞ。
「第3王子が見張りの目を盗んでヨルレア・フェーレを勝手に持ち出し、巨大なオーガに返り討ちにあって養生中らしい」
ドラゴレイム製作に意気込んだ日の朝食時の会話の出だしがこれである。
それにしても第3王子もポンコツだったか?ちっ、俺の偶数だけ馬鹿になる呪いに犯されている説はハズレか。
「私の所に、その巨大なオーガについて意見が聞きたいという話が来ています。婿殿の所にも話がいく可能性があると思っておいて頂きたい」
「私はモンスターの専門家では無いのですが?」
「巨大オーガの事は、おそらく多くの人間が巨大ゴブリンと関連付けて考えるでしょう。となれば魔道具の専門家である婿殿に意見を求めるのは至極当然の事かと」
「その魔道具の現物がない限りなんとも言えませんが。ところでヨルレア・フェーレは無事だったんですか?」
「ええ、幸いそこまでの損傷は無かったそうです。さすが婿殿の作ったゴーレムですな!」
「負けてちゃ意味ないですけどね」
それにしても大した損傷も無いのに撤退したのか。まぁ王族が乗っているなら当然か。
それにしてもまた城に呼び出されるのか?面倒はごめんなんだが。
チラズ、完成が卒業に間に合わなかったらごめんな。
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