第13話 2024.3.26
この蚊は人をくるわせる
感染症を引き起こし、神経を刺激するウイルスを満映させた。
それにより人は欲望のままにかられ、次第に見境がつかなくなると、人と他の動物との区別がつかなくなる。同情するにしても人だから同情するのではなく、食べ物として生まれてきた動物、彼らの血となり肉となる動物への同情と変わらないのである。
ただ、彼らは人間らしく振舞っているつもりでも、とめどないその欲望に打ち勝てることも無く、孤独を覚えることなく満ちていく
博士は蚊を愛してなどいなかった。
ただの実験対象。そこに感情はなかった。
ただ苛烈な実験の数々から姿を変えて生き残っていく彼らの生命力に惹かれていた。
我が子を産むためだけ。その栄養として人の血を吸う彼らの忌まわしさは愛おしさであった。
博士は彼にとって革命と思える実験をする。
博士は彼の精液を腕に塗り、その塗布した部分から蚊に血を吸わせた。
するとその蚊達はしばらくすると瞬く間に全滅した。
生き残った奴がいた。突然変異体だ。
そいつは1部白く肌色のシマシマを見せた
博士はそいつを見るやいなや、恍惚とした表情を見せ、続けて精液を吸っているそいつにゾクゾクと興奮をした。
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