第7話 2023.9.12

女子 女兼


味覚が鋭いと思っていた。

セックス出来ないだけで終わってると思ってた。マンションの数だけ人がいるのに、


ありがとうございます。

と言うと決めてたのに、店員の素っ気ない目をひとまずみてすぐ逸らす態度に返事出来なかったこと。


日傘さすのは、気をてらってたこと。

でも今は日焼けが怖いこと。

どっからが日焼けで、いつから気をてらってないのか分からないこと。

この曖昧と言う人間らしさに苦悩してる自分に、「若いなあ」と考え感じた。

まるで自分が聡いのかと思わせる理屈だけど、きっといくつになってもこの曖昧さは残ってて、何も若いからじゃないと思う。

僕にとってこれが新しくて、それに気いたのがたまたま今日で、

近くの誰かじゃ時が違うだけだ。

目の前に満月があったら驚きと同時に俯瞰して考えるぼくだから。

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