第3話 詰んだ……?
2話しか投稿していなかったのに、ブクマや応援してくれた方々ありがとうございます!正直誰にもしていただけないと思っていました……。面白くなるように努力します!(ランキングに載るくらい。(願望))
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でもな、今助けて欲しいのは私なんだな、これが。
自分のことすら満足に出来てないのに他人を助けようとするのは無理があると思うんだよ。戦争回避なんか尚更だね。
だからね、この状況を何とかしないとなんだけどさ、どうしたらいいんだよ!
縛られてて何も出来ないのに!卑怯だ卑怯!
こっちはまだ4歳児だぞ!
5歳になったら魔法使えるのに……!
…魔法かぁ。実はもう使えたりしない?試してみる?試すだけならタダだしやるか。多分使えないけど。
どうやって使うんだろ。確か悪役令嬢――トゥーベルが言ってたはず。
確か、魔力を感じることから始めるんだっけ?…魔力を感じるってどうやるんだよ。
なんでトゥーベルはこれだけでできるんだよ。主人公補正かよ!くっ、羨ましい!
で、ですよ。どうしたらいいんだ?へるぷみー。むむむ、ほんとにどうしたら……他のアニメでも参考にするか。
大体のアニメでは、魔力は血液とかに例えられてるよね。全身に巡ってる魔力を感じ、集めて魔法を打つんだったか?
やってみるか。……これか?なんかあたたかいものがある……?これを動かす……お、動いた。もしかしてこれなのか?これなの?え、こんな簡単でいいの?もしかして主人公補正私にもかかってる?私主人公だった?私主人公だったのか。さすが私!
まぁ、魔法が使えるかは分からないんだけど!けど、どうせ使えるから調子乗ってもいいよね。はっはっは!
――――
――
―
ごめんなさい。調子乗りました。魔法使わせてくだせぇ。…この見事なフラグ回収、私じゃなきゃ見逃しちゃうね!ふっ、決まった。(キメ顔である。尚、体は縛られていて寝転がっているため、とてつもなく惨めだ。哀れなり)
魔法どうやって使うんだよ!まだ使えないというのか!なんでだよ!なんで5歳にならないと魔法使えないの!ケチかよ!
てか、そうだよ。なんで5歳まで待つ必要があるんだ。謎すぎる。
そもそも私は4歳なのか?拉致られて寝ていた間に翌日になった可能性は無いのか?なぜ、聖霊は翌日に聖女だと確定するのにわざわざ4歳の時に来たんだ?5歳だからじゃないのか?
……わからん!わかるわけが無い!分からんけどわからんなりに考えていくのである。
まず、多分私は5歳になっている。根拠としては私の腹の減り具合。お腹空いた。なんか、とてつもなくおにぎりが食べたい。おにぎり……。あ、塩味ね。詰む前にすることリストに入れておこう。おっと、話が逸れてしまった。戻しまーす。
私が5歳だとすると、5歳になる以外にも魔法発動の条件があるはずである。5歳なのに魔法が使えないというのが何よりの証拠。知らんけど。
ということで、魔法発動の条件を考えていく!
1.詠唱が必要とかはどうだ?……だめだな。トゥーベルは詠唱をしていなかったし、魔法はイメージだとも言ってた。次!
2.魔力量。うーん、仮にも聖女なんだから足りないとは考えにくいな。次!
3.そもそも、ちゃんと魔力を動かせていない。…………ありうる。魔力がわからんからどうしようもないな。微妙。次!
4.聖霊が言ってた逸脱者とか転生者とかが関係してるとか?…可能性はあるけど違う気がする。理由、私の勘。次!
5.魔法を使えないようにする魔道具的なのが使われている。こんな子供に使うか?絶対あいつら主人公とかをガキだと侮って痛い目見るタイプの人間でしょ。知らんけど。
分かりませぬぞ、殿よ。…殿って誰だろう。
それで一番ありそうなのは3と4だけど…。どっちも違う気がする?イメージができていないのかとも思ったけどイメージはしっかりしたしなぁ。
……ステータス見れたりしない?
「ステータスオープン」
私はステータスを見ることができないかと考えステータスオープンと唱えたが結果は――
……見れないよね。うん。知ってた。期待させておいてって感じだ。ぷじゃけるなよ!
はぁ…、なんでできないんだろ。普通の5歳児と私なんか違う?……結構違うな?ここから考えるか。
違うのはまず、転生者とか逸脱者ってとこでしょ?逸脱者はよくわからんけど。
次に聖霊と会話したし、私は聖女だから普通の属性とは何か違うのかもしれんな。
あとは………あ。私、魔法適正調べてない。あれ、教会で調べてるよね。絶対何かあるじゃん…。例えば、魔力を授かるとか、属性が決まるとか…。うわぁ。これかなぁ。どうすんのよ……。
詰んだか?もう?まだ塩おにぎり食べてないんだけど。
まぁいいや。いや、良くはないけど。なるようになるよね。考えても無駄!だから、それよりもこの状況からの脱出方法を考えないと。
今の状況。(3行)
縛られて何も出来ないのに魔法使えない。
戦争の危機。
やばい。
語彙力皆無だな。ははっ。ほんとどうするの。聖霊さん!出て来るんだ!出番や!何とかして。ほんとに!切実に!!
ふぅ、まずはどうするのか方針を固めるところからだな。天才的頭脳をフル回転させ最適解を導くのだ。詰みたくなければな!塩おにぎりのために!
よし、そうだな。方針は……
前提として死なないこと。これは当たり前だね。
次にこの状況からの脱出。私を縛っている縄を解いて何とかする。
最後に戦争回避and魔王様救出。最悪、魔王様がお亡くなりになっても…殺してでも戦争回避を目指すべきだ。魔王様を助けたとしても戦争が回避できるか分からないし。
…聖女(仮)の思考とは思えないな。聖女は殺してでもとか考えないはずなのに。……あれ?害悪ヒロインだったわ。だったらいいのか。害悪ヒロイン=害悪聖女でもあるもんな。いいか。
よし、この方針でいくか。
最初にこの状況からの脱出だな。方法は――
「起きてるか?……起きてるな」
「…………え?」
私を拉致った男登場。うわぁ、やっぱりあれだ、噛ませ犬って感じだ。って、近づいてきたし!逃げることも出来ねぇ!殺されはしないと思うけど……。……ん?何してんだこいつ。
「なにしてるの?」
「縄を切っている!見ればわかるだろう?」
「なぜに」
「飯だからだ。」
……??飯だから縄を解いてくれるの?え、何で?飯なしだと思ってたんだが…。意外と優しいのか?あらやだ、惚れちゃう。
おい、まて私!!騙されるな!これは、ヤンキーが捨て猫を拾った時に意外と優しいんだ…ってなる錯覚と同じだ!
はっ、騙されるところだった…。危ない危ない。
「おい、切れたぞ。ついて来い」
「え、あ、はい」
急に話しかけられたせいでどもってしまった…。決して、決して!コミュ障という訳ではない。そこんとこ宜しく。
男が荷馬車の外に出ていった。
私も男に慌ててついて外に出ていく。
「……っ、眩し」
外に出ると太陽が辺りをさんさんと照らしているのが分かる。眩しくて思わず私は目を覆い隠した。今まで薄暗い場所に居たというのも理由の一つだろう。
少しすると目が慣れてきたので辺りを見回す。そこにはさっき私の縄を切った男の他に2人の男と2頭の馬が食事をしていた。
状況からしてこの人達が私を拉致ったんだろうな。人攫いの癖して美味そうに食事しやがって……。許せん!
「おい、何を突っ立っている。さっさと来い」
そう言われ、私は無言で男の方に向かう。私に話しかけてきた男は縄を切った男だ。
縄を切った男って微妙に長いな。縄男にしよ。君は今日から縄男だ!良かったな!
「ほらよ」
縄男に声をかけられたことで意識が現実に向けられた。縄男が良い匂いを漂わせてるスープらしきものとパンを差し出している。
ゴクリ。思わず喉を鳴らす。美味そー。素直に頂こう。危なくない?…大丈夫か。
こいつらも食べてるから毒とかも入ってないだろう。毒を入れた様子も無かった。入れる理由もない。食べても安全だろう。よし食べよう!わーい、ご飯だぁー!
私は手を伸ばして受け取ろうとしたが、そこで思い留まる。ここで受け取ってしまったら私はプライドの欠片もないやつってことにならないか?……別にいいか。ご飯の方が大事ー。
結局手を伸ばして受け取った。
「……ありがとう」
無言で受け取ったのだが礼は必要だと思い、礼を言った。私偉い。私いい子。フフン。
そのまま男の隣に座って食べ始めた。まだどんな性格か分からない男の近くや1人で食べるより安全だと思ってのことだ。
「警戒心とかないのか?……こんなガキに言っても仕方ねぇか。」
なんか警戒心ないとか言われたんだけど。ありますけど?あとガキじゃねぇし。…ガキだったわ。お、このスープうま。
「……美味いか?」
「美味い」
「そうか」
「うん」
縄男って意外と良い奴なのか?話は続かないけど。あれだな。寡黙な不器用キャラ。あれ?よく見るとコイツイケメン…?噛ませ犬じゃないのか?…どんな顔でも別にいいか。
――――
――
―
ご馳走様でしたー。美味かった。
「食べたか?」
「うん」
「じゃあ荷馬車に乗れ」
「……はい」
またあそこに戻るのかぁ。まだ縛られるのかな?嫌だな。
そんなことを考えながら荷馬車に乗り込んだ。ちなみに縛られることは無かった。
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読んでくださりありがとうございます!
夏休みに入ったので恐らく投稿が少し増えます。あ、私実は学生なんですよ。……部活?ちょっとよく分からないですね。
そういうことですので期待しないで待っていてくれると嬉しいです!
待ってくれる方は果たしているのか、という感じなんですけど。
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